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テストステロン・レベルは骨健康状態、握力および体組成の加齢に伴う変化と関連する
2012年11月12日
【 目 的 】
テストステロン・レベルの変化は幾つかの老化現象と関連している。 加齢に伴うテストステロンの低下と骨の健康状態、握力、体脂肪率および体脂肪量の変化との関係を調査した。【 方 法 】
対象は年齢40歳以上のマレーシアの中国系およびマレー系男性335例である。 体組成、踵骨実音速および握力の測定、採血を行った。 年齢、テストステロン・レベルおよび加齢に伴う変化との関係を直線回帰分析により検討した。【 結 果 】
- テストステロン、SHBG、踵骨実音速、握力、体脂肪率および非脂肪容量は年齢と共に有意に変化していた(p
< 0.05)。 - バイオアベイラブルおよび遊離テストステロンの加齢に伴う低下は踵骨実音速、非脂肪容量および握力の減少と有意に関連していた(p
<
0.05)。
【 結 論 】
テストステロン・レベルは骨健康状態、握力および体組成の加齢に伴う変化と関連し、その関係は年齢依存性であった。【 原 著 】
Aging Male. 2012 Oct 26.
Testosterone is associated
with age-related changes in bone health status, muscle strength and body
composition in men.
Chin KY, Soelaiman IN, Mohamed IN, Shahar S, Mohd Fahmi
Teng NI, Mohd Ramli ES, Ahmad F, Aminuddin A, Wan Ngah WZ.
Department of
Pharmacology, Faculty of Medicine, Universiti Kebangsaan Malaysia.続きを読む
- テストステロン、SHBG、踵骨実音速、握力、体脂肪率および非脂肪容量は年齢と共に有意に変化していた(p
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EDに対するテストステロンおよびPDE5阻害剤の併用療法 (レビュー)
2012年11月08日
【 要 約 】
テストステロン欠乏症はED患者のPDE5阻害剤の臨床効果を低下すると思われる。 性腺機能低下患者において、テストステロン補充はシルデナフィルあるいはタダラフィルによる治療に効果の無かった患者の性機能の亢進と関連している。そこで、PDE5阻害剤単独療法で効果がなかったEDおよび低~正常下限テストステロンレベルの男性におけるテストステロンとPDE5阻害剤併用療法を検討した臨床試験のレビューを行った。
調査した臨床試験は幾つかが方法論的欠点があり、様々なものがあった。 全体的にはPDE5阻害剤へのテストステロンの付加は、単独療法に効果がなく、総テストステロン値が 300ng/dL
未満のED患者に有用と思われる。無作為コントロール比較ニ重盲検試験が必要であり、それにより適正な対象、テストステロンのカットオフ値、用量、併用期間を定める必要がある。
【 原 著 】
Can Urol Assoc J. 2012 Aug;6(4):269-74
Synergetic effect of testosterone and
phophodiesterase-5 inhibitors in hypogonadal men with erectile dysfunction:
A systematic review.
Alhathal N, Elshal AM, Carrier S.
Division of
Urology, Department of Surgery, McGill University, Montreal, QC.【 弊社コメント 】
テストステロンの分泌が低い人で、PDE5阻害剤(バイアグラ・レビトラ・シアリス)だけではEDが改善できない人の場合に、PDE5阻害剤とテストステロン補充の併用療法が有用と思われます。 ただし、それを言い切るために必要となる厳格な研究は、未だ十分に出来てないようです。(福)続きを読む
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NHK(Eテレ)きょうの健康: 男性の更年期障害~LOH症候群~「見逃さないで 男性ホルモンの低下」
2012年10月24日
平成24年(2012年)10月23日と24日にNHK(Eテレ)「きょうの健康」で、男性の更年期障害~LOH症候群~「見逃さないで 男性ホルモンの低下」(23日)、「これで改善!治療と日常生活」(24日)と題したLOH症候群に関する放送がありました。
24日の放送「LOH症候群の治療」の中で、「男性ホルモン(テストステロン)軟こう」も選択肢の一つとして紹介されました。
男性ホルモンを補充する、テストステロン軟膏(クリームタイプ)の「グローミン」は、全国210施設(H24.10月末現在)の病院・クリニック・診療所で臨床応用されており、約1万2千店の薬局で、お取り寄せ出来ます。
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2012年08月06日
秋下 雅弘 著
(東京大学大学院医学系研究科 加齢医学講座 准教授 ・ 東京大学医学部附属病院 老年病科)出版社: メディカルトリビューン
ISBN-10: 4895893820
ISBN-13: 978-4895893824本著P.151の表に、「LOH症候群で処方される主な男性ホルモン剤」
として、「グローミン」が紹介されました。 本著の内容:
男にとって40代、50代は人生の踏ん張りどきです。しかし若いときのように無理は利きません。疲労感、不安、イライラ、めまい、肩こり、性欲減退などの不調を感じることも。踏ん張りどきだからこそ、自分の心身についての知識を深め、自分を使いこなす知恵が必要なのです。不調を感じたときに”効く”一冊です。目次:
第1章 男の健康のカギを握るアンドロゲン
第2章 こんな人が一番危ない
第3章 アンドロゲンで男の未来が見える
第4章 男も女性ホルモンを分泌する
第5章 アンドロゲンを増加させる生活の知恵
第6章 困ったときの医者頼み
症例1 ホルモン補充療法でEDも改善
症例2 「地獄から生還したようだ」と喜ぶ続きを読む
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2012年05月21日
【 目的・方法 】
ED合併2型糖尿病患者の糖-代謝プロフィルを調査した。2型糖尿病男性88例、平均年齢 62.78±9.26歳について調査を行った。IIEFにて性機能症状を、SAS(self-rating anxiety scale)にて不安症状を、および SDS(self-rating depression
scale)にてうつ症状を評価した。
BMI、腹囲、HbA(1c)、空腹時血糖(FPG)、空腹時インスリン(FPI)、 HOMA
指数、脂質、総テストステロン、遊離テストステロン、DHTおよびSHBGを測定した。【 結果 】
- IIEF調査票にて、50例(56.8%)がEDであり、残る38 例(43.2%)はEDでなかった。
- ED群の70.0%が喫煙者であり、非ED群の57.9%より有意に多かった(p<0.05)。
- ED群の38.0%が慢性虚血性疾患の病歴があり、非ED群の23.7%より多かった(p<0.05 between the two
groups)。 - ED群はより高齢で、驚くべきことにHbA(1c)が低かった。さらに、ED群はFPIが高く、テストステロンおよびDHTが低かった。
【 結論 】
イタリアの2型糖尿病男性、平均年齢62歳のED発症率は56%で、高FPIであるがHbA(1c)は低く、テストステロンおよびDHTの低下とリンクしていた。【 原著 】
Endocr J. 2012 Apr 26.
Glyco-metabolic profile among
type 2 diabetic patients with erectile dysfunction.
Derosa G, Tinelli C,
D’Angelo A, Ferrara G, Bonaventura A, Bianchi L, Romano D, Fogari E,
Maffioli P.
Department of Internal Medicine and Therapeutics, Fondazione
IRCCS Policlinico S. Matteo, University of Pavia, Pavia , Italy【 弊社コメント 】
対象の選択基準、方法は分かりませんが、ED合併群のHbA(1c)値が注目されます。一般的には糖尿病がより重度で高いのではないかと思いますが・・・。(野)続きを読む
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重度の睡眠時無呼吸肥満男性における通常量のテストステロン療法
2012年04月25日
【 目的 】
高用量の短期テストステロン療法は閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の男性の呼吸を急速に悪化することが見られた。OSAの肥満男性における低用量から通常量近くのテストステロンの影響は長期的に異なると思われるが、系統的に研究されていない。
そこで重度のOSA肥満男性において減量とともに通常量近くのテストステロン療法を行い、睡眠および呼吸への影響を検討した。【 方法 】
デザインは67例の男性を対象とした18週間の無作為、ニ重盲検、プラセボ比較試験である。全例、低カロリーダイエットを行い、同時にテストステロン・アンデカノエイト1000mgまたはプラセボの筋注を0、6、および12週に行った。睡眠および呼吸を0、7および18週後に夜間に睡眠ポリグラフ計にて測定した。【 結果 】
- テストステロンはプラセボに比して、7週後に酸素不飽和指数(ODI)を10.3events/hour (95%CI 0.8 to 19.8 events/hour, p=0.03)、および夜間低酸素症(酸素飽和90%以下の睡眠時間SpO(2) T90%)を6.1%(95%CI 1.5% to 10.6%, p=0.01)悪化した。
- 18週後では、テストステロン療法とプラセボの間にODI (4.5, -5.4 to 14.4 events/h, p=0.36) あるいは SpO(2) T90%(2.9%, -1.9% to 7.7%, p=0.23)に差異がなかった。
- ODI および SpO(2) T90%に対するテストステロン療法の影響は開始時のテストステロン濃度によって差異がなかった。
- 血中テストステロン濃度はODIあるいはSpO(2) T90%と相関しなかった(all p>0.19)。
【 結論 】
重度のOSA肥満男性におけるテストステロン療法は睡眠時呼吸障害を期間限定的に軽度に悪化した。これは最初のテストステロン濃度とは関係がなかった。【 原著 】
Clin Endocrinol (Oxf). 2012 Apr 18.
Effects of testosterone therapy on sleep and breathing in obese men with severe obstructive sleep apnea: a randomised placebo-controlled trial.
Hoyos CM, Killick R, Yee BJ, Grunstein RR, Liu PY.
Endocrine and Cardiometabolic Research Group, University of Sydney, Sydney, NSW, Australia.【 弊社コメント 】
低用量から通常量のテストステロンであれば問題ないのでは?・・・という期待で行われましたが、そうはなりませんでした。(野)男性ホルモンが睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させるという報告があることから、関係学会のガイドラインで使用禁忌と定められており、これに準じて男性ホルモンを配合する弊社製品(トノス、グローミン、ヘヤーグロン)のご使用を控えるようにお願いしています。ただし、これまでの報告は古い論文で症例数も少なく、男性ホルモンによる因果関係が本当にあるのか議論の余地があるため、例えば少量の投与量であれば問題ない事を期待しましたが、本報でも睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させる結果となりました。(福)
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2012年04月10日
【 概 要 】
- 自殺企図のある男性はテストステロン値が低い。そうでない報告もあるが、概ね低い報告が多い。
- 脳機能、気分、認知機能、攻撃性にテストステロンは深く関わっており、またこれらは自殺衝動に関わる。
- 他人に対しての攻撃性と自己への攻撃性は、実質的に同じものである。
- 臨床および疫学的観察では、自殺企図者は暴力犯罪者と性格に共通することが示唆される。
- 攻撃性と自殺との間に関連性が観察される。
【 原 著 】
Testosterone and suicidal behavior. [ PDF形式 Full Text ]
Expert Rev Neurother. 2012 Mar;12(3):257-9.
Leo Sher
James J Peters Veterans’Administration Medical Center, 130 West KingsbridgeRoad, Bronx, NY 10468, USA and Mount Sinai School of Medicine, NY, USA【弊社コメント】
上記の事実を踏まえ、テストステロンが関与する精神状態をテストステロン補充療法で改善すれば、自殺衝動を防ぐ可能性がある、という論説です。ただし、テストステロンの補充による攻撃性の増加が、自殺行動自体の強化につながる懸念もあり、今後の検討が待たれます。(松)テストステロンが生理的な正常範囲から逸脱し、「低過ぎ」あるいは「高過ぎ」いずれの状態にあっても攻撃性が問題になるのではないでしょうか?
そうであれば、テストステロンの過剰投与は人為的にコントロールできますが、ストレスやLOH症候群で低テストステロン状態にある場合や、大うつ病にある場合も、先ずは低過ぎるテストステロンの血中濃度が生理的な範囲となるように低用量のテストステロン補充をすることで、自殺行動の防止につながることが期待できると考えております。(福)続きを読む
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遊離テストステロンおよびビタミンD両者の低下が致死的なイベントと関連する
2012年02月29日
【 目的 】
ビタミンD
(25(OH)D)および遊離テストステロン(FT)の低値は共に死亡率の上昇と関連している。実験的研究は、ビタミンDおよびアンドロゲン代謝の複雑な相互作用が臨床的予後の悪化と関連する事を明らかにしている。
高齢男性の大規模コホートにおけるFTおよび(25(OH)D)、両者の欠乏の影響を調査した。【 方法 】
対象はルーチン検査にて冠動脈造影(1997~2000)を行った男性2069例で、総テストステロン(TT)、SHBG および (25(OH)D)を測定した。【 結果 】
- 多変量調整分析の結果、全原因死亡、心血管疾患死亡および非血管疾患死亡のリスクは低FTおよび(25(OH)D)群で上昇していた。すなわち、4分位の最低群と最高位群のハザードリスク比は、FTで各々HR
1.26 [1.03-1.54], 1.24 [0.96-1.60], および 1.39 [1.00-1.93]、25(OH)Dで各々HR 1.77
[1.47-2.13], 1.65 [1.29-2.10], および 1.89 [1.38-2.60]
であった。 - TTと死亡率の間に独立した関連性はなかった。
- 多変量調整HRはホルモンの欠乏数とともに上昇した。すなわち最低位4分位のホルモン数0
vs 2のHRは全原因死亡2.11 [1.60-2.79、心血管死亡1.77 [1.23-2.55] および非心血管疾患死亡2.33
[1.45-3.47]
であった。
【 結論 】
冠動脈造影を行った高齢男性において、遊離テストステロンおよびビタミンD両者の低下が致死的なイベントと関連していた。【 原著 】
Clin Endocrinol (Oxf). 2012 Feb 22.
Combination of
low free testosterone and low vitamin D predicts mortality in older men
referred for coronary angiography.
Lerchbaum E, Pilz S, Boehm BO, Grammer TB,
Obermayer-Pietsch B, Marz W.
Department of Internal Medicine, Division of
Endocrinology and Metabolism, Medical University of Graz, Graz, Austria.【 弊社コメント 】
「バランスの取れた食生活」「適度な運動・適度な日光浴」「規則正しい生活リズム」「ストレスの発散」という、健康的な生活習慣が、テストステロンやビタミンDの不足を防ぐ養生訓になりそうです。テストステロンもビタミンDも、体内で産生する時の出発物質(原料)は、コレステロールですが、あくまで偏食や過剰なダイエットによってコレステロール不足に陥るのが問題であって、コレステロールを過剰に摂取しても弊害があることは皆様ご存知の通りです。善玉と言われるHDLなら摂りすぎても良いのでしょうが、肉食・洋食・ファーストフードで育った現代人にとって、低カロリーな和食メニューだけの日々・・・というのも、味気なくてストレスになるかも知れません。
ちなみにビタミンDは魚類の肝臓に多く含まれるとのことで、しらす干し、焼いた紅鮭、いわし、さんま、さば、など、これも和食の焼き魚メニューを連想します。まさに和食は健康的なメニューです。なお、ビタミンDは日照不足・日光浴不足で欠乏症状に陥ることも良く知られていますが、これも極端な不足が問題なのであって、過剰な日光浴は皮膚に弊害がありますし、十分に日光を浴びている人はビタミンDが多いかと言えば、必ずしもそうではないようです。
何事も偏らずにバランス良く、ほどほどに・・・というのが、養生訓の真髄なのかも知れません。(福)
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- 多変量調整分析の結果、全原因死亡、心血管疾患死亡および非血管疾患死亡のリスクは低FTおよび(25(OH)D)群で上昇していた。すなわち、4分位の最低群と最高位群のハザードリスク比は、FTで各々HR