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2017年04月06日
<目的>
アンドロゲン(男性ホルモン)欠乏症によるEDの原因となる海綿体線維化の機序を検討した。<方法>
12週齢の健常雄性ラット40匹を無作為に4群に分けた。すなわち、正常対照群、去勢群および去勢後T(テストステロン)10㎎/kg投与群(去勢+10T群)および去勢後T20㎎/kg投与群(去勢+20T群)である。処置8週後に血清Tレベル、平均動脈圧に対する海綿体内圧比(ICP/MAP)、陰茎平滑筋細胞の組織学的変化、Smadおよび非Smad経路および細胞外マトリックス(ECM)蛋白の沈着を測定した。<結果>
・去勢群は低Tおよび低ICP/MAP比、陰茎平滑筋細胞/コラーゲン比の減少、ECM蛋白の沈着の増加、Smadおよび非Smad経路の高発現を示した。・去勢+10T群は勃起機能および組織の安定性を部分的に維持した。
・しかし、去勢+20T群は有意に良好な勃起機能を維持し、分子レベルでの変化を防御した。
<結論>
適正な用量のART(アンドロゲン補充療法・男性ホルモン補充療法)は、より良好な効果を期待できる。アンドドロゲン欠乏症はSmadおよび非Smad経路の活性化およびECM蛋白の蓄積を介して海綿体線維化を誘発する。【ご参考】 TGF-β1 (トランスフォーミング増殖因子-β)
【原著】
Andrologia. 2017 Mar 10. doi: 10.1111/and.12797.
Androgen deficiency impairs erectile function in rats through promotion of corporal fibrosis.
Cui K, Li R, Chen R, Li M, Wang T, Yang J, Chen Z, Wang S, Liu J, Rao K【弊社コメント】
男性ホルモンの欠乏は陰茎組織の線維化を招き、ED(勃起障害)に至りますが、その機序にSmadおよび非Smad経路の活性化およびECM蛋白の蓄積があることを示唆する研究報告です。
自ずと、男性ホルモンが欠乏しないようにすることが、EDの予防になるものと考えられます。(福)続きを読む
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低カロリー食事療法実施肥満男性の脂肪および非脂肪量に対するテストステロン補充療法の影響
2016年10月20日
<目的>
T(テストステロン)療法がカロリー制限以上に体組成に対して有用であるか否かは不明である。そこで、T療法はダイエットによる脂肪の減少を増強し、筋肉喪失を防御するかを検討した。<方法>
三次医療センターにおいて無作為、二重盲検、平行、プラセボ比較試験を行った。対象はTTが12 nmol/L以下の肥満男性 (BMI ≥ 30 kg/m2) 100例で、年齢の中央値は 53 歳 (四分位範囲 47-60)である。10週間の高度低エネルギーダイエット(VLED)に続き46週間の体重維持を行った。開始時から56週の間、無作為にT群(10週に1回Tアンデカノエイト筋注、n = 49, cases))またはプラセボ群(n = 51, controls)に割り付けた。
主要評価項目はDEXAによる脂肪および非脂肪量、およびCTによる内臓脂肪面積の群間差異である。<結果>
・計82例が試験を完了した。
・試験終了時、P群に比してT群の脂肪量の減少は大きく、平均群間差異(MAD)は -2.9 kg (-5.7 to -0.2; P = 0.04), であり、また内臓脂肪面積のMADは-2678 mm2(-5180 to -176; P = 0.04)であった。
・両群ともにVLED後に非脂肪量が同様に減少したが(T群 -3.9 kg (-5.3 to -2.6); P群 -4.8 kg (-6.2 to -3.5), P = 0.36)、T群は体重維持期間に非脂肪量が回復した(3.3 kg (1.9 to 4.7), P < 0.001)。一方P群では非脂肪量の回復は有意ではなかった(0.8 kg (-0.7 to 2.3), P = 0.29) 。それゆえ、試験終了時のT群の非脂肪量の減少はP群に比して緩和され、MAD は3.4 kg (1.3 to 5.5), P = 0.002)であった。<結論>
プラセボの投与を受けダイエットを行った男性は脂肪および非脂肪量の両者が減少したが、T投与を受けた男性の体重減少は殆どが体脂肪の減少によるものであった。<原著>
BMC Med. 2016 Oct 7;14(1):153.
Effects of testosterone treatment on body fat and lean mass in obese men on a hypocaloric diet: a randomised controlled trial.
Ng Tang Fui M, Prendergast LA, Dupuis P, Raval M, Strauss BJ, Zajac JD, Grossmann M続きを読む
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2016年10月20日
<目的>
肥満は男性の性腺機能低下症のリスク因子であり、体重減少は肥満男性の性腺機能低下症を改善する。そこで、肥満手術後の性ホルモンの早期の変化を調査した。<方法>
29例の病的肥満男性を対象に前向きの研究を行った。主要評価項目は術後1およぼ6ヶ月後のTT(総テストステロン)、FT(フリー・テストステロン)、SHBG、E2、アディポネクチンおよびレプチンの変化である。<結果>
・対象の平均年齢は31 ± 8 歳、および平均BMIは56.8 ± 11.7 kg/㎡であった。
・15例が.ルーワイ胃バイパス術を、14 例がスリーブ状胃切除術を行った。.
・術前、22例(75.9%)が低 TT (<10.4 nmol/L) 、あるいは低FT (<225 pmol/L)のいずれかであった。
・手術1ヶ月後TTおよびSHBGは有意に上昇した(p ≤ 0.001)。
・6カ月後、TT およびFT は有意に上昇し(p ≤ 0.001)、 22 例 (75.9%)は TT およびFTが正常化した。
・E2レベルは1および6ヶ月後ともに変化がなかった。<結論>
肥満手術1ヶ月後にTTおよびSHBGは上昇した。一方、FTは6ヶ月後に改善が見られた。<原著>
Int J Endocrinol. 2016;2016:1416503. Epub 2016 Sep 20.Boonchaya-Anant P, Laichuthai N, Suwannasrisuk P, Houngngam N, Udomsawaengsup S, Snabboon T
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日本性機能学会・第25回学術総会 シンポジウム3 「テストステロン補充療法のエビデンス」共催
2014年07月30日
来る9月6日(土)、日本性機能学会・第25回学術総会 シンポジウム3 「テストステロン補充療法のエビデンス」を共催させていただくことになりました。
低用量・経皮吸収による、マイルドで安全性の高いテストステロン補充が期待できる「グローミン」は、諸先生の臨床応用を通じて着実に実績を積んでおります。
2014年9月4日(木)~9月6日(土)
会場:仙台市情報・産業プラザ「アエル」
■ シンポジウム3 「テストステロン補充療法のエビデンス」
座長: 並木 幹夫先生(金沢大学)・ 小谷 俊一先生(中部労災病院)9月6日(土)9:30~10:30
・性機能障害に対するホルモン補充療法のエビデンス
演者: 佐藤 嘉一先生(三樹会病院)・メタボリック症候群に対するテストステロン補充療法の有用性
演者: 辻村 晃先生(順天堂大学)・前立腺肥大症に伴うLUTSに対するテストステロン補充療法の有用性
演者: 重原 一慶先生(石川県立中央病院)続きを読む
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2014年07月18日
■ 目的
心血管系に対するテストステロン補充療法の影響に関する最近の研究には異論がある。 テストステロンの筋注を受けている高齢男性集団における心筋梗塞リスクを調査した。■ 方法
メディケアの被保険者の5%のサンプルを用い、1997年1月から2005年12月31日の間に最低1回のテストステロン注射を受けた6,355例を同定した。 この集団を心筋梗塞予測スコアをベースにして19,065例のテストステロン非使用者と1:3でマッチさせた。 2005年12月31日またはメディケアの保険の喪失、健康維持機構への登録、心筋梗塞の経験あるいは死亡まで調査した。■ 結果
- 身体的および臨床的特性で調整したコックス回帰分析においてテストステロン療法使用者は心筋梗塞のリスク上昇と関連していなかった (HR = 0.84; 95% CI = 0.69-1.02)。
- テストステロン療法の使用と心筋梗塞リスクの四分位群の間の関係に差異が認められた(P = 0.023)。
- 心筋梗塞予知リスクの最高四分位群においてテストステロン療法は心筋梗塞リスクの低下と関連していたが(HR = 0.69; 95% CI =
0.53-0.92)、第一群 (HR = 1.20; 95% CI = 0.88-1.67), 第二群 (HR = 0.94; 95% CI =
0.69-1.30), および第三群 (HR = 0.78; 95% CI = 0.59-1.01)においては差異がなかった。
■ 結論
テストステロンの筋注療法を受けた高齢男性は心筋梗塞リスクの上昇を発現しなかった。 高い心筋梗塞リスクを有する男性においてテストステロン使用は心筋梗塞に対して軽度に防御的に働いていた。■ 原著
Ann Pharmacother. 2014 Jul 2. pii: 1060028014539918.
Risk of Myocardial Infarction in Older Men Receiving Testosterone Therapy.
Baillargeon J, Urban RJ, Kuo YF, Ottenbacher KJ, Raji MA, Du F, Lin YL, Goodwin JS
University of Texas Medical Branch, Galveston, TX, USA続きを読む
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アルツハイマー疾患高齢男性患者におけるテストステロンと認知機能
2014年07月16日
■ 背景
これまでの研究は、低テストステロンが精神神経学的テストのパフォーマンスの低下および抑うつリスクの上昇と同様にアルツハイマー疾患(AD)の発現と関連する可能性を示している。■ 方法
61例の痴呆を発症していない高齢男性および68例のADと思われる男性のデータについて検討した。■ 結果
- テストステロン・レベルは両群間で差異がなかった。
- AD男性の回帰分析はテストステロン・レベルが精神神経学的テストのパフォーマンスあるいは抑うつを有意に予測するものではなかった。
- 非痴呆男性において、テストステロン・レベルは発症前の言語性IQおよび言語流暢性テストに関するパフォーマンスを予測した。
■ 結論
テストステロンはアルツハイマー疾患患者の殆どの精神神経学的テストのパフォーマンスと関連していなかった。■ 原著
J Geriatr Psychiatry Neurol. 2014 Jul 9.
Relationships Between Testosterone Levels and Cognition in Patients With Alzheimer Disease and Nondemented Elderly Men.
Seidl JN, Massman PJ続きを読む
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2014年07月15日
■ 目的
これまでの研究により2型糖尿病男性のテストステロン・レベルは低いことが明らかにされているが、1型糖尿病(T1DM)男性におけるデータは少ない。 T1DM男性の低テストステロンの発現率および素因について検討した。■ 方法
EDICにおける泌尿器症状に関する補助的研究であるUroEDIC (n=641)に参加したT1DMを有する男性を対象に断面調査を行った。EDIC:Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications
EDIC year 17/18のサンプルを用い総テストステロンを質量分析法にて、SHBGをELISA法にて測定した。 フリー・テストステロンは計算により求めた。 低テストステロンは総テストステロン <300 mg/dLと定義した。 多変量回帰モデルを用いてテストステロン・レベルに対する年齢、BMI、糖尿病治療およびコントロールに関連した因子を比較した。
■ 結果
- 平均年齢は51歳、61例(9.5%)が T <300 mg/dLであった。
- テストステロンの低下は肥満(p<0.01), 高齢(p<0.01) およびSHBG (p<0.001)の低下と有意に関連していた。
- インスリンの用量はフリー・テストステロンと負に関連していた(p=0.02)。
- 高血圧はテストステロンの低下とぎりぎりに有意に関連していた (p=0.05)。
- 低テストステロンは腎症、末梢神経障害および自律神経障害パラメータと有意な関係が認められなかった。
■ 結論
EDICコホートのT1DM男性のアンドロゲン欠乏症発現率は高くなかった。 この集団における低テストステロンと関連したリスク因子は一般集団と同様であった。■ 原著
J Clin Endocrinol Metab. 2014 Jul 11:jc20141317.
PREVALENCE OF LOW TESTOSTERONE AND PREDISPOSING RISK FACTORS IN MEN WITH TYPE 1 DIABETES MELLITUS: FINDINGS FROM THE DCCT/EDIC.
Holt SK, Lopushnyan N, Hotaling J, Sarma AV, Dunn RL, Cleary PA, Braffett BH, Gatcomb P, Martin C, Herman WH, Wessells H; the Diabetes Control and Complications Trial /Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications Research Group.続きを読む
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テストステロン補充による高エストロゲンがリビドー(性欲)の低下を招く
2014年07月10日
■ 目的・方法
テストステロン補充はQOLを改善するが、脂肪組織でE2(エストラジオール)に変換される。 高E2は男性の性機能には悪影響があると考えられている。
低テストステロン・センターにおいてスクリーニングされた34,016例の結果を報告する。 このうち約50%が治療を変更している。 テストステロン注射による治療が行われた2009年から2014年のデータを利用した。 米国の35の低テストステロン・センターの電子健康記録(AdvancedMD)よりデータを抽出した。 E2は電子化学蛍光免疫法にて測定した。■ 結果
- 全体の34,016例中 7,215例 (20.2%)が≥42.6 pg/mlと定義した高E2であった。
- 高E2の男性の年齢分布は65歳以上132/989 (13.3%)、45-65歳3,753/16,955 (22.1%) 、25-44歳2,968/15,857 (18.7%) 、25歳以下 7/215 (3.3%) であった。
- 最高および最低年齢群間(<25 and ≥65)の差異は有意であった(chi-square test p = .013)。
- 年齢に対する血清E2の相関係数は.53, SD = 8.21であった。
- 医師は血清E2レベルに関わりなく高E2の症状に対してアロマターゼ阻害剤および選択的エストロゲン・モデュレーターを用いた。 まれに女性化乳房が処方の理由であった。
■ 結論
高E2は低リビドーの高率発症と関連していなかった。 しかし確認された低リビドーは正常あるいは低E2に比して高率で、その差異は有意であった(p < .05)。■ 原著
Am J Mens Health. 2014 Jun 13.
High Estrogen in Men After Injectable Testosterone Therapy: The Low T Experience.
Tan RS, Cook KR, Reilly WG続きを読む