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Category:製品情報・製品案内

  • エストラジオール軟膏 バストミンの長期成績

    2011年11月12日


    学会名称:第26回 日本女性医学会 学術集会
    開催日(発表日):2011年11月12日~13日
    開催場所:神戸国際会議場 (神戸市中央区港島中町6丁目9-1)

    PS-01 (ポスター発表)
    エストラジオール軟膏 バストミンの長期成績

    横浜元町医療クリニック・LUNA (1), 女性医療クリニックLUNA・ANNEX (2)
    関口 由紀(1), 永井 美江(2)

    【 目的 】
    バストミンは、OTCのエストラジオール軟膏である。 女性医療クリニックLUNAグループでは、バストミンを外陰部塗布で用いている。 今回我々は、バストミンを長期に使用した症例の内訳と効果ならびに安全性に関して検討したので報告する。

    【 方法 】
    2008年8月から 2011年7月までに女性医療クリニックLUNAグループにおいてバストミンを使用した患者は68例であった。 このうちバストミンを2本以上使用した患者を長期使用しいた患者と定義し、これらの患者の分析を行った。 バストミンは、チューブから1cmを出して外陰部に塗布した。 塗布頻度は、週に1~3回であった。

    【 成績 】
    バストミンを2本以上使用した患者は、23例 33.8%であった。 使用本数の平均は、3.15本(最小2本、最大8本)であった。 使用患者の平均年齢は、56.4歳(最小46歳、最大62歳)であった。 長期使用した患者の疾患の内訳は、萎縮性腟炎7例、女性性機能障害5例、過活動膀胱4例、骨盤臓器脱4例、間質性膀胱炎3例、外陰痛症候群2例、尿道クルンクスル2例、尿道脱1例であった。 患者の主訴は、下腹部痛5例、残尿感4例、膀胱炎の再発4例、陰部痛3例、陰部下垂感3例、性交痛3例、尿道出血3例、頻尿2例、尿意切迫感1例であった。 全ての症例に関して、主訴の改善を認めた。 長期使用が可能だった患者に関しては、明らかな副作用は認められなかった。

    【 結論 】
    バストミンは、長期に安全に使用できるエストラジオール軟膏であることが示唆された。

     

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  • 12カ月のテストステロン補充療法は性腺機能低下男性のメタボリック・シンドロームを改善する

    2011年11月10日


    【 背景・目的 】
    性腺機能低下男性の大規模集団におけるメタボリック・シンドローム(MetS)に対する12カ月のテストステロン補充療法(TRT)の影響を検討した。

    【 方 法 】
    性腺機能低下男性849例にTestim
    1% testosterone gel (5-10 g/day)を投与した12カ月間の多施設前向き研究TRiUS (Testim(R) Registry in
    the United
    States)のデータを用いた。
    年齢、総テストステロン(TT)、遊離テストステロン(FT)、SHBGおよびMetS成分、ウェスト周囲径、血圧、空腹時血糖、血清トリグリセリドおよびHDLコレステロールを解析した。

    【 結 果 】

    • 開始時の評価症例
      (581/849)の37% がMetS+ (n=213) および63%がMetS- (n=368)であった。
    • MetS+ 症例は有意にTT
      (p<0.0001) およびSHBG (p=0.01) が低かった。
    • TT最下位4分位群(<206 ng/dL)は最上位
      4分位群(>331 ng/dL)に比してMetS+のリスクが有意に高かった(odds ratio 2.66; 95% CI, 1.60 to
      4.43)。
    • 12カ月のTRT後、全症例でTTは上昇した(p<0.005)。
    • TTレベルは同様であるにもかかわらず、MetS+
      群ではウェスト周囲径、空腹時血糖および血圧が有意に低下し、TT最下位4分位群はウェスト周囲径および空腹時血糖が有意に低下した。
    • トリグリセリドおよびHDLコレステロールはいすれの群でも有意な変化がなかった。

    【 結 論 】
    MetS+の性腺機能低下患者はMetS-患者に比して、開始時のTTが低かった。 MetS+
    およびTT最下位4分位の患者群は12カ月のTRTにより幾つかのMetS成分が改善した。

    【 原 著 】
    BMC Endocr Disord. 2011 Nov 1;11(1):18.
    Effect of 12
    months of testosterone replacement therapy on metabolic syndrome components
    in hypogonadal men: data from the Testim Registry in the US
    (TRiUS).

    Bhattacharya RK, Khera M, Blick G, Kushner H, Nguyen D, Miner
    MM.

    【 弊社コメント 】
    本報は弊社製品「グローミン」にも期待される副効用ですが、今のところグローミンでの臨床研究結果は未発表です。ちなみにテストステロン値が低く、メタボリック・シンドロームを自覚する筆者ですが、グローミンの使用経験から若干改善した実感があります。しかしながら、大幅な改善をするには、やはりダイエットや運動などの生活改善を併せて行う必要があると感じています。(福)

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  • 閉経前健康女性のテストステロン値の正常範囲の設定

    2011年09月05日


    【 目的 】
    現在のところ、広く認められた女性の正常テストステロン値はない。そこで、正常な月経周期を有する閉経女性のテストステロンおよびSHBG値の正常範囲の測定を行った。

    【 方法 】
    健康で、正常な月経周期の女性(年齢18~49)、161例の総・遊離および生物学的テストステロンおよびSHBGを測定した。採血は月経周期の卵胞期、中期および黄体期のそれぞれ早朝に行った。
    30歳代の女性を代表として、パーセンタイルとともに月経周期相を通じた平均、中央値および加重平均ホルモン値を求めた。

    【 結果 】

    • テストステロンは加齢とともに低下していたが、SHBGには加齢による変化がなかった。
    •  総・遊離および生物学的テストステロンおよびSHBGの正常範囲を5th および
      95thパーセンタイルにより設定した。
    • 30歳代女性の5th および 95thパーセンタイルは総テストステロンが15~46ng/dL
      (520~1595 pmol/L)、遊離テストステロンが1.2~6.4pg/mL
      (4.16~22.2 pmol/L)、計算遊離テストステロンが1.3~5.6pg/mL (4.5~19.4pmol/L)、生物学的
      1.12~7.62ng/dL (38.8~264.21pmol/L)およびSHBG
      が18~86nmol/Lであった。
    • 月経周期間のホルモンおよびSHBGの変化はこれまでの報告と一致していた。

    【 結論 】
    月経中期におけるテストステロンの上昇は全体的な変動に比して小さく、それゆえ、この正常範囲が月経周期のいずれの日に関わらず適用できる。

    【 原著 】
    J Sex Med. 2011 Jul 19.
    Testosterone Reference Ranges
    in Normally Cycling Healthy Premenopausal Women.

    Braunstein GD, Reitz RE,
    Buch A, Schnell D, Caulfield MP.
    Cedars-Sinai Medical Center, Los Angeles,
    CA, USA

    【 弊社コメント 】
    これまでの報告と差異はありません。男性の約10分の1です。 月経周期による変化は少ないという事が明らかにされています。(野)

    男性の生理的範囲内のテストステロン補充に、グローミンを1回量0.3g(チューブから約2cm相当、テストステロンの投与量は約3mg)、朝晩2回の塗擦を推奨していますが、女性は男性が塗る場合の約10分の1、チューブから約2mm相当。グローミンを女性が使用する場合の1回量の目安は、概ね手芸に用いるビーズの大きさ程度と考えております。(福)

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  • テストステロン補充療法の効果に関するタイムコース

    2011年07月28日


    【 目 的 】
    テストステロンは男性の諸臓器で様々な作用を有している。このレビューはテストステロン補充療法の効果に関するタイムコース、最初の効果の発現から最大効果の到達までを出版されたデータから検討した。

    【 方 法 】
    タイムコースに関するデータが記載されているテストステロン補充療法の論文をPubMedにて検討した。

    【 結 果 】

    • 性的関心に対する効果は3週後より発現し6週後にプラトー(≒最大)に達し、それ以上は上昇しない。
    • 勃起/射精の変化は6ヶ月以上を要する。
    • QOL(生活の質)に対する効果は3~4週より現れ、最大効果は長期間を要する。
    • 抑うつムード(≒気分)に対する効果は3~6週後に現れ、18~30週後に最大となる。
    • 赤血球産生に対する最初の効果は3ヶ月後に現れ、9~12ヶ月後に最大となる。
    • PSAおよび前立腺容積の上昇は僅かであるが、12ヶ月後にプラトー(≒最大)になり、その後の上昇は治療よりも加齢が関連する。
    • 脂質に対する効果は4週後に現れ、6~12ヶ月後に最大となる。
    • インスリン感受性は数日以内に改善すると思われるが、血糖コントロールの改善は3~12ヶ月後でないと認められない。
    • 脂肪容量、非脂肪容量および筋力に対する効果は12~16週後に現れ、6~12ヶ月後に安定化し、1年以上継続しても改善は僅かである。
    • 炎症に対する効果は3~12週以内に現れる。
    • 骨に対する効果は6ヶ月後には認められ、少なくとも3年間は持続する。

    【 結 論 】
    テストステロンの各種作用のタイムコースは非常にバリエーションがある。これはおそらくテストステロン製剤の薬物動態が関係していると思われる。また遺伝的および非遺伝的アンドロゲン受容体多型および細胞内ステロイド代謝がこのような差異に関連していると推定される。

    【 原 著 】
    Eur J Endocrinol. 2011 Jul 13.
    ONSET OF EFFECTS OF
    TESTOSTERONE TREATMENT AND TIME SPAN UNTIL MAXIMUM EFFECTS ARE
    ACHIEVED.

    Saad F, Aversa A, Isidori AM, Zafalon L, Zitzmann M, Gooren
    LJ.
    Scientific Affairs Men’s Healthcare, Bayer Schering Pharma, Berlin,
    Germany.

    PMID:
    21753068

    【 弊社コメント 】
    各種効果の発現時期および最大効果がかなりクリアに示されていますが、そう割り切っていいものか問題もあります。なぜなら、元となる各臨床試験がそういう事を目的にしていないからです。
    殆どの臨床試験は3~6カ月の投与で、評価は0時点(開始時)、3ヶ月、および6ヶ月後に行う場合が多いので、そのような前提を踏まる必要があります。(野)

    「男性ホルモンの補充を始めてから、どれくらいの期間で効果が出るの?」というご質問は多く、当事者にとって切実な関心事ですが、上記コメントの通り臨床研究では3ヶ月毎に評価を行う場合が多く、日・週単位では正確に把握できないのが現状です。なお、エビデンス・レベルは乏しいのですが、弊社製品「グローミン」と「ヘヤーグロン」のモニター調査で最初の1本分(2週間~1ヶ月程度)までの印象をアンケートで調べた経緯があります。(福)

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  • フィナステリドの併用はテストステロン・アンデカノエイトの薬物動態に影響しない

    2010年10月27日


    【 目的 】
    経口テストステロン・アンデカノエイト(TU)はテストステロン欠乏症の治療に用いられているが、経口TUはdihydrotestosterone
    (DHT)を上げる。DHTはにきび、男性型禿頭および前立腺過形成

    のリスク上昇と関連していると考えられている。
    他の経口テストステロン製剤と5αリダクターゼ阻害剤の併用投与はDHTの産生を抑制し血清テストステロン濃度を上げる。
    フィナステリドは経口TU投与中、血清テストステロンを上げ、DHTを下げると仮定した。そこで経口TUの定常状態の薬物動態に及ぼすフィナステリドの影響を検討した。

    【 方法 】

    験的に性腺機能低下を誘発した若年男性11名を対象にオープンラベルのクロスオーバー試験を行った。すなわち、テストステロン200mgの経口TUを1日
    2回7日間投与の定常状態の薬物動態をフィナステリド非併用下、フィナステリド0.5mgおよび1mg経口1日2回各併用下にて測定した。
    各投与の7日目に血清テストステロン、DHTおよびエストラジオールをベースラインおよび朝の投与後1,
    2, 4, 8, 12, 13, 14, 16, 20 および
    24h後に測定した。

    【 結果 】

    • 血清テストステロンおよびDHTは全ての投与群で有意に正常範囲を超えて上昇した。
    • フィナステリド0.5mgおよび1mg経口1日2回各併用は血清テストステロンおよびDHTのどちらにも影響しなかった。

    【 結論 】
    5αリダクターゼ阻害剤併用の影響は他の経口テストステロン製剤と経口テストステロン・アンデカノエイト製剤とでは異なる。おそらく、TUのリンパ系をを介したユニークな吸収経路のためではないかと思われる。

    【 原著 】
    Int J Androl. 2010 Oct 24. doi: 10.1111/j.1365-2605.2010.01120.x.

    Steady-state pharmacokinetics of oral testosterone
    undecanoate with concomitant inhibition of 5α-reductase by
    finasteride.

    Roth MY, Dudley RE, Hull L, Leung A, Christenson P, Wang C,
    Swerdloff R, Amory JK.
    Population Center for Research in Human
    Reproduction and Department of Medicine, University of Washington, Seattle,
    USA.

    【 弊社コメント 】
    この報告ではフィナステリドの影響はありませんでした、その理由がここで述べられているよ
    うに吸収経路の違いだけによるものか、実験条件の違いによるものか分かりません。しかし、フィナステリドの併用が必ずテストステロンを上げるものではない
    という事は分かりました。(野)

    TU(testosterone
    undecanoate:テストステロン・アンデカノエイト)は、Andriol(アンドリオール:本邦では未承認)という男性ホルモンの経口製剤の有効
    成分で、腸からリンパ系を通じて吸収されるため、肝臓のファーストパスを受けずに男性ホルモンの血中濃度を上昇させられるのが特徴ですが、欧米人に比べて
    脂質が少ない食生活の日本人には相性が悪く、肝心な男性ホルモンの血中濃度がなかなか上昇しないせいか、本邦での承認をはじめ、日本で今ひとつ臨床応用が
    盛り上がらない様子です。
    これまで、フィナステリド(プロペシアの有効成分)をテストステロン製剤と併用したとき、テストステロンの血中濃度を
    (併用しない時よりも)上昇させるという指摘がありました。これは、フィナステリドが5α還元酵素(リアクターゼ)を阻害するため、DHTに変わらない分
    のテストステロンが、そのまま血中濃度を上昇させるぶん、併用しない時よりも高くなるものと考えていました。本報の著者は今回の結果の理由として吸収経路
    の違いを指摘していますが、今ひとつ腑に落ちないのが小生の印象です。(福)

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  • 「グローミン」を顎(あご)の下に塗っても良好な吸収が期待される。

    2010年10月14日


    グローミン」の塗布部位は、吸収の良い陰嚢部を推奨していますが、顎下部(画像参照)への塗布でも陰嚢部と同等の吸収が得られることが判りました。

    (Medical Tribune 誌 2010年10月14日)

    fig001.jpg

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