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1型糖尿病男性におけるテストステロン低下症

2014年07月15日


■ 目的
これまでの研究により2型糖尿病男性のテストステロン・レベルは低いことが明らかにされているが、1型糖尿病(T1DM)男性におけるデータは少ない。 T1DM男性の低テストステロンの発現率および素因について検討した。

■ 方法
EDICにおける泌尿器症状に関する補助的研究であるUroEDIC (n=641)に参加したT1DMを有する男性を対象に断面調査を行った。

EDIC:Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications

EDIC year 17/18のサンプルを用い総テストステロンを質量分析法にて、SHBGをELISA法にて測定した。 フリー・テストステロンは計算により求めた。 低テストステロンは総テストステロン <300 mg/dLと定義した。 多変量回帰モデルを用いてテストステロン・レベルに対する年齢、BMI、糖尿病治療およびコントロールに関連した因子を比較した。

■ 結果

  • 平均年齢は51歳、61例(9.5%)が T <300 mg/dLであった。
  • テストステロンの低下は肥満(p<0.01), 高齢(p<0.01) およびSHBG (p<0.001)の低下と有意に関連していた。
  • インスリンの用量はフリー・テストステロンと負に関連していた(p=0.02)。
  • 高血圧はテストステロンの低下とぎりぎりに有意に関連していた (p=0.05)。
  • 低テストステロンは腎症、末梢神経障害および自律神経障害パラメータと有意な関係が認められなかった。

■ 結論
EDICコホートのT1DM男性のアンドロゲン欠乏症発現率は高くなかった。 この集団における低テストステロンと関連したリスク因子は一般集団と同様であった。

■ 原著
J Clin Endocrinol Metab. 2014 Jul 11:jc20141317.
PREVALENCE OF LOW TESTOSTERONE AND PREDISPOSING RISK FACTORS IN MEN WITH TYPE 1 DIABETES MELLITUS: FINDINGS FROM THE DCCT/EDIC.
Holt SK, Lopushnyan N, Hotaling J, Sarma AV, Dunn RL, Cleary PA, Braffett BH, Gatcomb P, Martin C, Herman WH, Wessells H; the Diabetes Control and Complications Trial /Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications Research Group.

■ コメント
糖尿病とテストステロンの関係について、1型と2型では議論が別になりそうです。(福)

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