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更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

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Category:女性ホルモン

  • 閉経女性の萎縮性腟炎に対する超低用量10μgエストラジオール腟錠

    2012年11月22日


    【 要 約 】
    閉経後のエストロゲン欠乏は泌尿器官の萎縮症状を招く。 症状としては腟の乾燥、腟および外陰部の刺激感、腟の痛み、排尿痛、腟の下垂、腟の臭い、腟の感染、再発性尿路感染、性交痛および性交にともなう出血がある。

    腟萎縮症状の頻度および影響にも関わらず、相談しないことが多く、従い治療されないケースが多い。 それゆえ閉経女性のケアには腟萎縮の診断および外陰・腟の健康度、セックスおよびQOLの問題にかかわる症状のを探る医師と患者との会話が必要である。

    超低用量 10μgエストラジオール腟錠の開発は、最少の有効なホルモン用量に関する監督機関および女性健康医学会の要望に沿ったものである。

    有効性および安全性、加えて極めて低い全身的吸収のため、年間のエストラジオール用量が 1.14㎎にすぎない 10μg腟錠は、ヘルスケア関係者および閉経女性に大きな安心感を与える事ができる。

    【 原 著 】
    Menopause Int. 2012 Mar;18(1):15-9.
    Treatment of postmenopausal vaginal atrophy with 10-μg estradiol vaginal tablets.
    Panay N, Maamari R.
    Queen Charlotte’s & Chelsea Hospital, & Westminster Hospitals, London, UK.

    【 弊社コメント 】
    年間 1.14㎎の算定は、使用回数が週2~3回にもとづいているようです(毎日なら3.65㎎)。(野)

    バストミンを臨床応用中の医師から、バストミンの塗布は週2~3回で良いというコメントをいただいています。 萎縮性腟炎に対する超低用量なエストロゲン補充は、バストミンでも塗布量を抑えながら塗布頻度を間引くことにより、本報のエストラジオール腟錠に近い考え方で出来ると考えております。(福)

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  • 腟内エストロゲン療法と血中濃度

    2012年11月22日


    【 背 景 】
    腟内エストラジオール(VE)は乳癌生存者における全身的エストロゲン療法の安全な代替療法として提案されている。

    【 方 法 】
    対象はエストロゲン受容体陽性乳癌あるいはハイリスク乳癌の閉経女性(n
    =
    24)で、アロマターゼ阻害剤(AI)あるいはSERMの投与を受け、萎縮性腟炎のため90日以上のVE(リングおよび錠)を使用していた。コントロールとしてAIの投与のみの24例。
    採血はVEリング患者では新しいリング装着前および装着30日および60日後に、VE錠患者では挿入前の朝および挿入12時間後に、コントロール患者では1回のみ行った。血清E2はエーテル抽出後高感度RIAにて測定した。

    【 結 果 】

    • 平均E2はコントロール群で 3.72pmol/L (range, < 3.0-7.7 pmol/L)、VEリング群の装着前および装着12週後のE2はコントロールより有意に高かった(各P
      < .001 )。
    • VE錠群の挿入前E2はコントロール群と差異がなく、挿入後は 76pmol/Lで挿入前より有意に高かった(P <
      .001)。

    【 結 論 】
    VE療法はE2レベルを上げる。VE錠使用患者の挿入前のE2はコントロールと比較して上昇がみられず、VE錠によるE2の上昇は持続的ではないことが示唆された。 VE療法は剤型に限らず血清E2を上昇する、したがい使用には注意が必要である。

    【 原 著 】
    J Oncol Pract. 2012 May;8(3):144-8. Epub 2012 Feb 7.
    Effects of vaginal
    estrogens on serum estradiol levels in postmenopausal breast cancer
    survivors and women at risk of breast cancer taking an aromatase inhibitor
    or a selective estrogen receptor modulator
    .

    Wills S, Ravipati A,
    Venuturumilli P, Kresge C, Folkerd E, Dowsett M, Hayes DF, Decker
    DA.
    William Beaumont Hospital, Royal Oak; University of Michigan
    Comprehensive Cancer Center, London, United Kingdom.

    【 コメント 】
    使用24時間後には有意な上昇が認められない点が、バストミンと同様です。(野)

    エストロゲン受容体陽性の乳癌の人に対するエストロゲンは絶対禁忌で、癌の進行や再発を防止する観点から抗エストロゲン剤の投与などで徹底的にエストロゲンを排除することになります。 しかしながら、エストロゲンの欠乏による萎縮性腟炎などQOLの低下が避けられません。 そこで、腟内に局所的なエストロゲン補充をする程度であれば、全身的なエストロゲン投与を避けながら萎縮性腟炎に対処できると考えたようですが、短時間とはいえ全身的なエストロゲンの上昇が見られたので、乳癌の進行や再発に対する注意が必要、という話と思われます。(福)

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  • Estradiol含有クリーム製剤の萎縮性腟・外陰炎に対する効果 -長期投与の影響-

    2011年11月12日


    学会名称:第26回 日本女性医学会 学術集会
    開催日(発表日):2011年11月12日~13日
    開催場所:神戸国際会議場 (神戸市中央区港島中町6丁目9-1)

    PS-02 (ポスター発表)

    Estradiol含有クリーム製剤の萎縮性腟・外陰炎に対する効果 -長期投与の影響-

    御茶ノ水・浜田病院 産婦人科 (1), 東京大学医学部 産婦人科 (2), 帝京大学医学部 産婦人科(3)
    合阪 幸三(1), 兵藤 博恵(1), 平池 春子(1), 生月 弓子(1), 小畑 清一郎(1), 宮本 雄一郎(2), 平池 修(2), 兵藤 博信(2), 森 宏之(3)

    【 目的 】
    全身的なホルモン補充療法を希望しない萎縮性腟・外陰炎の症例に対してestrogen含有クリーム製剤を1年間継続投与して、その臨床効果および血中estradiol値の動態について検討を加えた。

    【 方法 】
    研究施行前にプロトコールを公開し院内の倫理委員会に諮り許可を得た。 対象症例にも十分なインフォームドコンセントを行い、同意を得た。 萎縮性腟・外陰炎と診断された患者20例(平均年齢:66.4±4.1歳)を対象とした。 これらの症例に対して、estrogen含有クリーム製剤(バストミンTM,1g中にestradiol 0.6mg, ethinyl estradiol 0.2mg を含有するクリーム製剤、大東製薬工業社製)を、就寝前に1日1回、0.1g外陰部に患者自身で塗布させ、臨床症状の改善度について評価した。 外陰部のかゆみ、乾燥度については、0~3(0:症状無し、1:軽度症状あり、2:中等度症状あり、3:強い症状あり)の4段階に分けて評価し、各薬剤投与前後で評価した。投与前、投与1年後に採血し、血中estradiol値を測定した。

    【 成績 】
    Estrogen含有クリーム製剤の投与により、投与前後でそれぞれ、外陰部のかゆみ(2.76±0.5→0.30±0.46)、乾燥度(2.81±0.40→0.27±0.45)は、いずれも有意に改善した(p<0.001)。 一方、血中のestradiol値は、薬剤投与前は全て測定感度(10pg/ml)以下であったが、投与1年後でも13.87±3.76pg/mlとごく軽度の上昇に留まった。

    【 結論 】
    萎縮性腟・外陰炎に対するestrogen含有クリーム製剤の有用性および安全性が明らかとなった。

     

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  • エストラジオール軟膏 バストミンの長期成績

    2011年11月12日


    学会名称:第26回 日本女性医学会 学術集会
    開催日(発表日):2011年11月12日~13日
    開催場所:神戸国際会議場 (神戸市中央区港島中町6丁目9-1)

    PS-01 (ポスター発表)
    エストラジオール軟膏 バストミンの長期成績

    横浜元町医療クリニック・LUNA (1), 女性医療クリニックLUNA・ANNEX (2)
    関口 由紀(1), 永井 美江(2)

    【 目的 】
    バストミンは、OTCのエストラジオール軟膏である。 女性医療クリニックLUNAグループでは、バストミンを外陰部塗布で用いている。 今回我々は、バストミンを長期に使用した症例の内訳と効果ならびに安全性に関して検討したので報告する。

    【 方法 】
    2008年8月から 2011年7月までに女性医療クリニックLUNAグループにおいてバストミンを使用した患者は68例であった。 このうちバストミンを2本以上使用した患者を長期使用しいた患者と定義し、これらの患者の分析を行った。 バストミンは、チューブから1cmを出して外陰部に塗布した。 塗布頻度は、週に1~3回であった。

    【 成績 】
    バストミンを2本以上使用した患者は、23例 33.8%であった。 使用本数の平均は、3.15本(最小2本、最大8本)であった。 使用患者の平均年齢は、56.4歳(最小46歳、最大62歳)であった。 長期使用した患者の疾患の内訳は、萎縮性腟炎7例、女性性機能障害5例、過活動膀胱4例、骨盤臓器脱4例、間質性膀胱炎3例、外陰痛症候群2例、尿道クルンクスル2例、尿道脱1例であった。 患者の主訴は、下腹部痛5例、残尿感4例、膀胱炎の再発4例、陰部痛3例、陰部下垂感3例、性交痛3例、尿道出血3例、頻尿2例、尿意切迫感1例であった。 全ての症例に関して、主訴の改善を認めた。 長期使用が可能だった患者に関しては、明らかな副作用は認められなかった。

    【 結論 】
    バストミンは、長期に安全に使用できるエストラジオール軟膏であることが示唆された。

     

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  • 大豆イソフラボンは女性更年期の症状や骨量減少を予防できない

    2011年08月11日


    【 背 景 】
    エストロゲン補充のリスクに関する懸念は、大豆の有効性が証明されていないにもかかわらず、更年期のホルモン療法に代わるものとして、閉経後の女性に大豆製品の使用が大幅に増加していることである。
    今回、イソフラボン錠剤を用いて骨量低下や更年期症状などの有効性の検討を行った。

    【 方 法 】
    研究は単一施設で、無作為化、2004年7月1日から2009年3月31日まで実施されたプラセボ対照、二重盲検比較試験。
    閉経5年以内で腰椎や股関節の骨密度Tスコア-2.0以上の女性(45~60歳)を対象に、大豆イソフラボンの錠剤を 200mg/日、またはプラセボを投与した。
    主なアウトカム(評価項目)は、2年後のフォローアップ時における腰椎、股関節、大腿骨頸部の骨密度変化であり、副次的なアウトカムは、更年期症状、腟細胞、Ⅰ型骨コラーゲンN-テロペプチド、脂質、および甲状腺機能の変化である。

    【 結 果 】
    2年後、投与者群(n=122)とプラセボ群(n=126)の間に、脊椎の骨密度(投与者:-2.0%、プラセボ:-2.3%)、股関節(投与者:-1.2%、プラセボ:-1.4%)、大腿骨頸部(投与者:-2.2%、プラセボ:-2.1%)と有意差は認められなかった。
    イソフラボン投与者の大部分は、プラスミド群と比較して、ほてりや便秘を経験した。他の測定結果では両群間に有意差を認めなかった。

    【 結 論 】
    2年間・200mg/日の大豆イソフラボンを投与した女性において、骨量低下や更年期症状を予防できなかった。

    【 付 記 】

    骨密度 (bone mineral density: BMD)

    単位体積あたりの骨量。骨に含まれるミネラル(無機物: カルシウムやマグネシウム)の密度。

    Tスコア
    若年齢の平均BMD値(基準値)を0、標準偏差を1SDとして、指標を規定した値。WHO(世界保健機関)が定めた骨粗鬆症診断基準に用いられる。

    Ⅰ型骨コラーゲンN-テロペプチド
    骨基質の主要構成蛋白であるⅠ型コラーゲンの分解産物。骨吸収が起こると、分解生成されるⅠ型コラーゲンのペプチド断片は、N-末端側由来の産物であるN-テロペプチドも含まれている。これが骨組織から血中に放出されるため、骨粗鬆症、原発性副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍の骨転移など、骨吸収が亢進する疾患の経過観察に用いられる。

    【 原 著 】
    Archives of internal medicine. 2011 Aug 8;171(15):1363-9.
    Soy Isoflavones in the Prevention of Menopausal Bone Loss and Menopausal Symptoms: A Randomized, Double-blind Trial.
    Levis S, Strickman-Stein N

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  • 女性では低2D:4D比は拒食症と関連し、高2D:4D比は過食症と関連する

    2011年07月29日


    【 目的・方法 】
    摂食障害は男性よりも女性に多く、原因は部分的に生物学的およびホルモン因子によるものと信じられている。2D:4D比は胎生期のテストステロン(PT)およびエストロゲン(PE)暴露を反映している。しかし、2D:4D比が摂食病理のタイプに関連しているかは分かっていない。
    2D:4D比と摂食障害の関係を摂食障害の回復および現行症例31例(女性)およびコントロール女性99例にて検討した。

    【 結果 】

    • 拒食症の女性は過食症の女性に比して2D:4D比が有意に低かった(PTが高く、PEが低い)。対してコントロールはその中間であった。
    • 摂食障害の女性では2D:4D比が現在の体重、最低体重、現在のBMIと有意に比例していた。特に右手の2D:4D比と強い関連性があった。

    【 結論 】
    女性では低2D4Dは拒食症と関連し、高2D4Dは過食症と関連していた。これは出生後の摂食病理に対する胎生期の性ホルモンの異なった作用を示唆するものである。

    【 原著 】
    Pers Individ Dif. 2011 Sep;51(4):402-405.
    The 2 to 4 digit ratio (2D:4D) and
    eating disorder diagnosis in women.

    Quinton SJ, Smith AR, Joiner T.
    School
    of Psychology, Charles Stuart University, Bathurst, NSW 2795,
    Australia

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  • 高齢婦人のQOLに対する estrogen含有クリーム製剤および testosterone含有クリーム製剤併用の効果

    2009年10月03日


    高齢婦人のQOLに対する estrogen含有クリーム製剤および testosterone含有クリーム製剤併用の効果

    御茶ノ水・浜田病院産婦人科
    合阪幸三, 宮本雄一郎, 生月弓子

    第24回 日本更年期医学会学術集会 (平成21年10月3日~10月4日) 一般演題12

    【目的】
    更年期婦人に対する estrogen製剤の投与は広く行われている。 Estrogen製剤のみで効果がみられない場合は、旧来より androgen製剤が併用されており、その有効性についてもよく知られている。 しかしながらわが国では、女性用の androgen製剤は注射製剤しか利用できないため、この点が女性に対する androgen療法が今ひとつ普及しない要因であると考えられる。 今回我々は、androgen含有クリーム製剤を高齢婦人に対して投与し、その効果を検討した。

    【方法】
    治験開始に先立ち、院内の倫理委員会にプロトコールをすべて公開し許可を得た。 患者には十分なインフォームドコンセントを行い、同意の得られたものを対象とした。 対象症例は6例(59.5±1.9歳)で、いずれも閉経後5年以上経過していた。 これらに対して estrogen含有クリーム製剤(バストミンTM、1g中に estradiol 0.6mg、 ethinylestradiol 0.2mg 含有)を 0.1g/day、および testosterone含有クリーム製剤(グローミンTM、1g中に testosterone 10mg含有)を 0.01g/day 外陰部に塗布させ、その効果を検討した。 外陰部の乾燥感、性交痛、嫌悪感、活力(やる気)のなさにつき、3(重症)~0(症状なし)の4段階にスコアリングして、投与前後で評価した。

    【結果】
    乾燥感:2.75±0.47→0.38±0.52、性交痛:3.00±0.00→1.00±0.63、嫌悪感:2.67±0.52→0.67±0.52、やる気のなさ:2.83±0.41→0.50±0.55 と、いずれも有意に改善した。 各種クリーム製剤投与による重篤な副作用は1例も認められなかった。

    【結論】
    高齢婦人に対する、女性ホルモンに併用する形での微量の男性ホルモン投与は、局所の改善のみならず、精神的にも前向きになることから、QOLの向上に有益であると考えられた。

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  • エストロゲン製剤とグレープフルーツの相互作用について

    2009年05月13日


    エストロゲンを配合した医薬品と、グレープフルーツの相互作用を示唆する症例報告がありましたので、ご紹介致します。

    血中エストロゲンの高い状態が続きますと、血栓症のリスクが高まるという指摘がありますが、グレープフルーツを食べ続けたことでエストロゲンの代謝が阻害された結果、血中エストロゲン濃度が高くなってしまったと考えられているようです。

    本報は経口避妊薬とグレープフルーツの事例で、グレープフルーツを食べ続ける極端なダイエット、長時間の運転(いわゆるエコノミー症候群と似た状況)といった、血栓症を生じやすい極端な状況があったと考えられますが、経口避妊薬だけでなく、エストロゲンを配合した他の医薬品(弊社製品では「ヒメロス」「バストミン」)でも注意が必要と思われます。

    具体的には、女性ホルモン剤を使用中の人はグレープフルーツの摂取をなるべく避けるのが無難で、少なくとも毎日食べ続けないように(2~3日空ける)すべきと言われています。

    相互作用の影響を解除するには、グレープフルーツの摂取を2~3日空けた方がよいとの考え方が示されています(独立行政法人 国立健康・栄養研究所HPより)

    また、グレープフルーツの成分が肝臓で薬物を代謝する酵素を阻害し、その結果、薬物が代謝されず血中濃度が上がり過ぎてしまうために生じる問題は、他にも多々指摘されていますので、女性ホルモン剤に限らず、何か薬を使用中の人がグレープフルーツを食べる際は、事前に薬剤師へ相談いただくのが万全です。

    女性ホルモン剤をはじめ、何か医薬品を使用中の女性がグレープフルーツでダイエットをするのは注意が必要で、他のダイエット方法を検討する方が無難と思われます。

     

    【経過】
    42
    才、女性。グレープフルーツによるダイエットを実践したところ、足に深部静脈血栓を発症した。

    健康だったが少し太っていたためダイエットをしようと思い、3日前から毎朝グレープフルーツを225g食べることを含むクラッシュダイエット(極端な食事制限)を始めた。前日に車を運転していて、腰から左足かかとにかけて痛みを感じ、次の日には左足が紫色になった。

    超音波診断の結果、彼女の左足の静脈には大きな血栓があり、腰からふくらはぎにかけて広がっていた。彼女には遺伝的に血栓ができやすいこと、経口避妊薬を飲んでいたこと、長時間ドライブしたことなどのリスク増加要因があり、3日間グレープフルーツを食べたことで血中エストロゲン濃度が増加し、バランスが崩れたものと考えられる。

    この事例はまれなものであるが、極端なダイエット方法は予想できない結果をもたらすことがあるので避けるべきである。彼女が使用していた薬は、レボチロキシン(甲状腺ホルモン剤)4年、ドロスピレノン(黄体ホルモン)とエチニルエストラジオール(卵胞ホルモン/エストロゲン)の低用量経口避妊薬が1年。煙草は吸わず、酒も滅多に飲まない。

    ヘパリン静注とtPAのカテーテル導入による血栓溶解治療後ステント挿入。退院後も抗血液凝固剤を処方して、経口避妊薬は中止。20092月現在、回復した。

     

    【作用機序】
    Wikipedia
    グレープフルーツ」(薬との相互作用)参照。

    ※フラノクマリン類:ベルガモチンやジヒドロキシベルガモチン。
    ベルガモチンはグレープフルーツの果肉や果皮に含まれ、脂肪細胞に働きかけて、アディポネクチンというタンパク質の分泌を高めると考えられている。

    独立行政法人 国立健康・栄養研究所HPより
    グレープフルーツと薬物の相互作用について(Ver.090129)

    グレープフルーツの影響はCYP3A4で代謝を受ける薬物で認められ、その作用機序は次のように考えられています。

     代謝を受けやすい薬物は、本来ならば小腸上皮細胞に存在する薬物代謝酵素CYP3A4によってある程度代謝を受け不活性化されるため、循環血液中に入る薬物量が少なくなります。しかし、グレープフルーツ中のフラノクマリン類がCYP3A4を阻害すると、薬物が不活性化されないため、循環血液中に入る薬物量は多くなり、その結果として体内濃度の指標となるAUCCmaxが大幅に増加し、結果として薬物が効きすぎてしまう状況になります。グレープフルーツジュース200mL 程度の摂取でもカルシウム拮抗薬(フェロジピン、ニソルジピン)の効果が増強されるとの報告があります。また、グレープフルーツの薬物に対する相互作用は長く持続し、長いものでは3-7日間持続するとの報告もあります。そのため相互作用の影響を解除するには、グレープフルーツの摂取を23日空けた方がよいとの考え方も示されています。

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