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膣内エストロゲン療法と血中濃度

2012年11月22日


【 背 景 】
膣内エストラジオール(VE)は乳癌生存者における全身的エストロゲン療法の安全な代替療法として提案されている。

【 方 法 】
対象はエストロゲン受容体陽性乳癌あるいはハイリスク乳癌の閉経女性(n
=
24)で、アロマターゼ阻害剤(AI)あるいはSERMの投与を受け、萎縮性膣炎のため90日以上のVE(リングおよび錠)を使用していた。コントロールとしてAIの投与のみの24例。
採血はVEリング患者では新しいリング装着前および装着30日および60日後に、VE錠患者では挿入前の朝および挿入12時間後に、コントロール患者では1回のみ行った。血清E2はエーテル抽出後高感度RIAにて測定した。

【 結 果 】

  • 平均E2はコントロール群で 3.72pmol/L (range, < 3.0-7.7 pmol/L)、VEリング群の装着前および装着12週後のE2はコントロールより有意に高かった(各P
    < .001 )。
  • VE錠群の挿入前E2はコントロール群と差異がなく、挿入後は 76pmol/Lで挿入前より有意に高かった(P <
    .001)。

【 結 論 】
VE療法はE2レベルを上げる。VE錠使用患者の挿入前のE2はコントロールと比較して上昇がみられず、VE錠によるE2の上昇は持続的ではないことが示唆された。 VE療法は剤型に限らず血清E2を上昇する、したがい使用には注意が必要である。

【 原 著 】
J Oncol Pract. 2012 May;8(3):144-8. Epub 2012 Feb 7.
Effects of vaginal
estrogens on serum estradiol levels in postmenopausal breast cancer
survivors and women at risk of breast cancer taking an aromatase inhibitor
or a selective estrogen receptor modulator
.

Wills S, Ravipati A,
Venuturumilli P, Kresge C, Folkerd E, Dowsett M, Hayes DF, Decker
DA.
William Beaumont Hospital, Royal Oak; University of Michigan
Comprehensive Cancer Center, London, United Kingdom.

【 コメント 】
使用24時間後には有意な上昇が認められない点が、バストミンと同様です。(野)

エストロゲン受容体陽性の乳癌の人に対するエストロゲンは絶対禁忌で、癌の進行や再発を防止する観点から抗エストロゲン剤の投与などで徹底的にエストロゲンを排除することになります。 しかしながら、エストロゲンの欠乏による萎縮性膣炎などQOLの低下が避けられません。 そこで、膣内に局所的なエストロゲン補充をする程度であれば、全身的なエストロゲン投与を避けながら萎縮性膣炎に対処できると考えたようですが、短時間とはいえ全身的なエストロゲンの上昇が見られたので、乳癌の進行や再発に対する注意が必要、という話と思われます。(福)

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