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更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

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Tag:性ホルモン

  • 内臓および皮下脂肪の変化と性ホルモンの変化の関連性

    2017年07月05日


    <目的>
    血清性ホルモンの変化に対応した内臓脂肪組織(VAT)および皮下脂肪組織(SAT)の変化の程度は分かっていない。CTにより測定したVATおよびSAT面積の変化が性ホルモン(DHEAS、T、E2、E3、およびSHBG)の変化に関連するか否かをDiabetes Prevention Program参加者において調査した。

    <方法>
    RCTの二次分析を行った。対象は過体重および耐糖能障害の男性(n=246) および女性 (n=309)である。介入は体重減少をゴールにした生活習慣の変化および150分/週の中等度の運動、あるいはメトフォルミン850㎎の1日2回投与あるいはプラセボである。
    一次評価項目は1年間にわたるVAT、SATの変化と性ホルモンの変化の関連性である。

    <結果>
    ・ 男性において、完全調整モデルにてVATおよびSATの減少はTTおよびSHBGの有意な上昇と共に独立して関連していた。

    ・ 女性において、VATおよびSATの減少はSHBGの上昇と共に独立して関連し、E3との関連性は閉経状態により異なっていた。

    ・ 関連性は人種/民族および無作為化群により差異がなかった。

    ・ 脂肪の沈着とE2あるいはDHEASの間に有意な関連性は見られなかった。

    <結論>
    耐糖能障害の過体重成人においてVATおよびSATの減少は男性ではTTと関連し、男女両者において高SHBGと関連していた。体重減少は内臓および皮下脂肪の減少を介して性ホルモンプロフィルに影響すると思われる。

    【原著】
    J Clin Endocrinol Metab. 2017 Jun 23. doi: 10.1210/jc.2017-00967.
    Changes in Visceral Adiposity, Subcutaneous Adiposity, and Sex Hormones in the Diabetes Prevention Program.
    Kim C, Dabelea D, Kalyani RR, Christophi CA, Bray GA, Pi-Sunyer X, Darwin CH, Yalamanchi S, Barrett-Connor E, Golden SH, Boyko EJ
    Departments of Medicine, Obstetrics & Gynecology, and Epidemiology, University of Michigan, Ann Arbor, MI.

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28651370

     

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  • 赤ワインの性ホルモンおよび総抗酸化力に及ぼす影響

    2014年07月16日


    ■ 目的・方法
    男性の生殖機能に対する赤ワイン摂取の影響は殆ど分かっていない。 若齢成熟ラットにおける生殖ホルモンおよび総抗酸化状態に対する各種赤ワインの恒常的飲酒の影響を検討した。

    ■ 結果

    • 辛口の赤ワイン(D-RW)は、準辛口および準甘口の赤ワイン(SD-RWおよびS-RW)に比して、高いフェノール化合物濃度を特徴とする高い抗酸化活性を示した。
    • 6週間の飲酒後のラットの血清総抗酸化状態には差異が認められなかった。
    • S-RWにおけるFSHの上昇はコントロールおよびD-RWより高かった(5.26 vs. 3.06 and 3.21 ng mL-1)。
    • 血清テストステロンはD-RWにおいてSD-RW, S-RW およびSS-RW に比して低かった(0.25 vs. 1.12, 1.09, 1.54 and 1.25 ng mL-1)。
    • 血清E2はS-RWにおいてSD-RW および SS-RWに比して高かった(10.94 vs. 7.18 and 6.72 pg mL-1) 。
    • プロラクチンはS-RW において D-RW および SS-RWに比して高かった(17.35 vs. 9.74 and 8.59 ng mL-1)。

    ■ 結論
    雄性の生殖系に関するホルモン調節に対する赤ワインの影響は、用量および赤いワインの種類により異なる。 赤ワイン中に自然に含まれる化学物質(i.e. phenolics)がエチルアルコールの作用に影響し、また直接的にも影響していると思われる。

    ■ 原著
    Food Funct. 2014 Jul 4.
    The effect of red wine consumption on hormonal reproductive parameters and total antioxidant status in young adult male rats.
    Oczkowski M1, Srednicka-Tober D, Stachoń M, Kołota A, Wolińska-Witort E, Malik A, Hallmann E, Rusaczonek A, Gromadzka-Ostrowska J.

     

    (さらに…)

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  • 性ホルモンと筋肉の脆弱化

    2013年05月14日


    【 概 要 】
    ヒトの老化は内分泌機能の低下を伴っており、性ホルモンの産生低下が特徴である。 現在の研究結果は低性ホルモンがサルコペニアおよび筋肉の脆弱化の機序のキーとなっていることを示している。 欧州の大規模研究プロジェクトMYOAGEにおいて、筋肉量および機能の年齢に関連した喪失の原因として性ホルモン、テストステロンおよびエストロゲンの役割がさらに研究されている。

    女性のHRTは加齢に関連した筋肉の喪失、速筋機能(パワー)の喪失および骨格筋における脂肪の蓄積を抑える。 さらに、HRTは抵抗運動後の骨格筋の蛋白合成率を高め、骨格筋および腱、両者の結合組織にアナエロビック効果を有し、マトリック構造および機械的特性に影響している。

    HRTは細胞骨格、細胞マトリックス蛋白等の遺伝子発現に影響し、IGF-Iに対する刺激作用およびIL-6およびアディポカイン調整における役割を有している。

    血中ホルモンレベルは低いが、閉経女性は骨格筋において局所的高濃度のステロイド合成酵素を持っている。

    【 原 著 】
    Biogerontology. 2013 May 1.
    Sex hormones and skeletal muscle weakness.
    Sipila S, Narici M, Kjaer M, Pollanen E, Atkinson RA, Hansen M, Kovanen V.
    Gerontology Research Centre, Department of Health Sciences, University of Jyvaskyla, Jyvaskyla, Finland

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