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2006年08月19日
【目的】
若い女性の体組成とレプチンに及ぼすエストロゲン欠乏と運動の影響を検討する。レプチン: 脂肪細胞から分泌され、食欲の抑制やエネルギー代謝の増大を介して体脂肪量の調節、飢餓への適応をつかさどるホルモン。
【方法】
デザイン:横断的臨床研究
対象:年齢及びBMIがマッチした3群。
① 正常体重で運動、無月経の女性
② 規則的な月経周期で運動する女性
③ 規則的な月経周期で活動的な女性介入:採血、体脂肪の測定、二重エネルギーX 線吸収装置による脂肪分布の測定。
主要なアウトカム:中心脂肪の蓄積(四肢に対する体幹脂肪の比)、血清E2およびレプチン濃度。【結果】
規則的な月経周期の女性では血清E2と四肢に対する体幹脂肪の比の間にマイナスの相関関係を認め、これは年齢、運動、体脂肪、血清テストステロンとは独立していた。しかし、無月経の女性ではこの関係は認められなかった。
全体で、レプチンに対して、E2はプラスの、運動はマイナスの相関性を示し、これは体脂肪とは独立していた。【結論】
規則的な月経周期をもつ若い女性において、E2は中心脂肪の蓄積と逆の相関性を示す。全体の若い閉経前の女性においては、エストロゲンは体脂肪とは独立してレプチン濃度に影響している。【原著】
Estrogen and exercise may be related to body fat distribution and leptin in young women.
Puder JJ, Fertil Steril. 2006 Jun 27;【弊社コメント】
E2が高いと中心脂肪が減るのは、レプチンの増加が関係しているかもしれません。そう考えれば閉経後の女性の変化も筋が通ります。(野)
規則的な月経周期の若い女性が、月経を終えて2週間後のエストロゲンの分泌が旺盛になる頃に、心なしかボディ・シルエットがいつも以上に美しくなるとすれば、中心脂肪が減っているということなのかも知れません。(福)続きを読む
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2006年07月18日
【方法】
対象:子宮切除のない60~80歳の閉経後の女性、417例。
投与:無作為に実薬群208例、プラセボー群209例に割付、実薬群にMenostar(17-beta estradiol 14mcg/日)を24ヶ月間投与した。加えて全例に、Ca 800mg及びビタミンD 400IUを投与した。
調査項目:投与前及び24ヶ月後に腰椎及び全身のBMD、骨回転マーカー及び子宮内膜の厚さ。【結果】
終了時点において、エストラジオール群はプラセボー群に比して腰椎及び全身のBMDが有意に増加し、骨回転マーカーが有意に減少した。有意差は全パラメーターで強度(p<0.001)であった。腰椎のBMDの増加は最初のBMD及び骨粗鬆症リスクファクターの存在とは無関係であった。
重篤な副作用イベントはエストラジオール群で24例に、プラセボー群で23例に認め、各群で10%の患者が副作用イベントのため中止した。代表的な副作用イベントはエストラジオール群で、上部気道感染、事故による傷害、関節痛、白帯下および適用部位の反応であった。これらはプラセボー群でも同様にみられた。【結論】
この併用療法は腰椎及び全身のBMDを増加できる。【原著】
Ultra-Low Dose Menostar (Estradiol Transdermal System) Increases Bone Mineral Density: Presented at NAMS
2005年9月29日 16th annual meeting of the North American Menopause Society (NAMS)における Laslo B.Tanko.MD,PhD の発表【引用】Doctor’s Guide
【担当者コメント】
学会発表であり、抄録ではなく第三者の報告なので不明なところはありますが、Ca及びビタミンD補給下、24ヶ月という長期間の治療ながら、14mcg/日という低用量で経皮的投与によるエストラジオールの効果が確認された、という報告です。(野)続きを読む