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Category:総説・レビュー

  • EDに対するテストステロンおよびPDE5阻害剤の併用療法 (レビュー)

    2012年11月08日


    【 要 約 】
    テストステロン欠乏症はED患者のPDE5阻害剤の臨床効果を低下すると思われる。 性腺機能低下患者において、テストステロン補充はシルデナフィルあるいはタダラフィルによる治療に効果の無かった患者の性機能の亢進と関連している。

    そこで、PDE5阻害剤単独療法で効果がなかったEDおよび低~正常下限テストステロンレベルの男性におけるテストステロンとPDE5阻害剤併用療法を検討した臨床試験のレビューを行った。

    調査した臨床試験は幾つかが方法論的欠点があり、様々なものがあった。 全体的にはPDE5阻害剤へのテストステロンの付加は、単独療法に効果がなく、総テストステロン値が 300ng/dL
    未満のED患者に有用と思われる。

    無作為コントロール比較ニ重盲検試験が必要であり、それにより適正な対象、テストステロンのカットオフ値、用量、併用期間を定める必要がある。

    【 原 著 】
    Can Urol Assoc J. 2012 Aug;6(4):269-74
    Synergetic effect of testosterone and
    phophodiesterase-5 inhibitors in hypogonadal men with erectile dysfunction:
    A systematic review.

    Alhathal N, Elshal AM, Carrier S.
    Division of
    Urology, Department of Surgery, McGill University, Montreal, QC.

    【 弊社コメント 】
    テストステロンの分泌が低い人で、PDE5阻害剤(バイアグラ・レビトラ・シアリス)だけではEDが改善できない人の場合に、PDE5阻害剤とテストステロン補充の併用療法が有用と思われます。 ただし、それを言い切るために必要となる厳格な研究は、未だ十分に出来てないようです。(福)

     

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  • テストステロン補充療法の効果に関するタイムコース

    2011年07月28日


    【 目 的 】
    テストステロンは男性の諸臓器で様々な作用を有している。このレビューはテストステロン補充療法の効果に関するタイムコース、最初の効果の発現から最大効果の到達までを出版されたデータから検討した。

    【 方 法 】
    タイムコースに関するデータが記載されているテストステロン補充療法の論文をPubMedにて検討した。

    【 結 果 】

    • 性的関心に対する効果は3週後より発現し6週後にプラトー(≒最大)に達し、それ以上は上昇しない。
    • 勃起/射精の変化は6ヶ月以上を要する。
    • QOL(生活の質)に対する効果は3~4週より現れ、最大効果は長期間を要する。
    • 抑うつムード(≒気分)に対する効果は3~6週後に現れ、18~30週後に最大となる。
    • 赤血球産生に対する最初の効果は3ヶ月後に現れ、9~12ヶ月後に最大となる。
    • PSAおよび前立腺容積の上昇は僅かであるが、12ヶ月後にプラトー(≒最大)になり、その後の上昇は治療よりも加齢が関連する。
    • 脂質に対する効果は4週後に現れ、6~12ヶ月後に最大となる。
    • インスリン感受性は数日以内に改善すると思われるが、血糖コントロールの改善は3~12ヶ月後でないと認められない。
    • 脂肪容量、非脂肪容量および筋力に対する効果は12~16週後に現れ、6~12ヶ月後に安定化し、1年以上継続しても改善は僅かである。
    • 炎症に対する効果は3~12週以内に現れる。
    • 骨に対する効果は6ヶ月後には認められ、少なくとも3年間は持続する。

    【 結 論 】
    テストステロンの各種作用のタイムコースは非常にバリエーションがある。これはおそらくテストステロン製剤の薬物動態が関係していると思われる。また遺伝的および非遺伝的アンドロゲン受容体多型および細胞内ステロイド代謝がこのような差異に関連していると推定される。

    【 原 著 】
    Eur J Endocrinol. 2011 Jul 13.
    ONSET OF EFFECTS OF
    TESTOSTERONE TREATMENT AND TIME SPAN UNTIL MAXIMUM EFFECTS ARE
    ACHIEVED.

    Saad F, Aversa A, Isidori AM, Zafalon L, Zitzmann M, Gooren
    LJ.
    Scientific Affairs Men’s Healthcare, Bayer Schering Pharma, Berlin,
    Germany.

    PMID:
    21753068

    【 弊社コメント 】
    各種効果の発現時期および最大効果がかなりクリアに示されていますが、そう割り切っていいものか問題もあります。なぜなら、元となる各臨床試験がそういう事を目的にしていないからです。
    殆どの臨床試験は3~6カ月の投与で、評価は0時点(開始時)、3ヶ月、および6ヶ月後に行う場合が多いので、そのような前提を踏まる必要があります。(野)

    「男性ホルモンの補充を始めてから、どれくらいの期間で効果が出るの?」というご質問は多く、当事者にとって切実な関心事ですが、上記コメントの通り臨床研究では3ヶ月毎に評価を行う場合が多く、日・週単位では正確に把握できないのが現状です。なお、エビデンス・レベルは乏しいのですが、弊社製品「グローミン」と「ヘヤーグロン」のモニター調査で最初の1本分(2週間~1ヶ月程度)までの印象をアンケートで調べた経緯があります。(福)

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  • 勃起不全におけるテストステロン補充療法の位置づけ

    2010年11月10日


    【 目的 】
    テストステロン欠乏症候群(TDS)と勃起不全の関係およびその診断および治療について分析した。

    【 方法 】
    PUBMEDデータベースを検索し文献的レビューを行った。

    【 結果 】

    • テストステロンのどの成分(総、遊離あるいは生物学的)を測定すべきか、診断価値がなんであるかという一定の基準が欠如しているため、真のTDSは知られていない。
    • こうした事実にも関わらず、勃起不全男性の5~15%がテストステロンレベルの低下を示す。
    • テストステロンが中枢および末梢の両レベルで勃起の生理に関わっている事を示す確かな研究がある。にも関わらず、ヒトで得られるエビデンスは、主にTDSの高齢患者ではあるが、強固なものではない。
    • 幾つかのメタ解析はテストステロン補充が勃起および性欲を改善する事を示している。
    • しかしながら、TDSの全ての患者にテストステロン補充は有用ではない。それは多分、勃起不全の原因が多元的であるためであろう。
    • テストステロン単独あるいはPDE5阻害剤単独で無効な勃起不全と性腺機能低下症を合併する患者には、PDE5阻害剤とテストステロンの併用療法が有用と思われる。

    【 結論 】
    勃起不全を訴える患者にはテストステロンの測定が強く勧められる。なぜならば、テストステロン補充は多くの患者で勃起および性欲を改善できる。さらにテストステロン補充はTDSの他の症状も改善するであろうし、PDE5阻害剤単独療法で効果が得られなかった時、併用により効果を高めるであろう。

    【 原著 】
    Arch Esp Urol. 2010 Oct;63(8):663-670.

    TESTOSTERONE DEFICIT SYNDROME AND
    ERECTILE DYSFUNCTION.

    Gil Salom M, Martinez Jabaloyas JM.
    Servicio de
    Urologia. Hospital Universitario Doctor Peset. Valencia. Espana. Departamento Universitario de Cirugia. Universidad de Valencia.
    Espana.

    【弊社コメント】
    EDテストステロンの関係について世界中で発表された論文を通じて、PDE5阻害剤(バイアグラ・レビトラ・シアリス)とテストステロンの併用の有用性が示唆されています。

    テストステロンの分泌低下がEDの一因になると考えられますが、テストステロンを投与すればEDが治るかというと、必ずしも全ては救えません。EDの原因は多岐に及ぶため、テストステロン以外にもEDの原因があれば、自ずとテストステロンの効果が不十分になります。

    何よりも、EDになってから時間が経つほど、勃起に必要な筋肉が萎えてしまうので、重症化の悪循環に陥ります。骨折してギブスで固定した所の筋肉が使わずに萎えてしまえば、ギブスが取れてから元のように運動できず、リハビリが必要になるのと同じかも知れません。

    ちなみに性交の機会が無い健常男性が勃起機能を維持できるのは、マスターベーションだけでなく、夜間勃起や早朝勃起を通じて勃起に必要な筋肉を維持させているためと考えられます。

    かといって、PDE5阻害剤も万能でなく、十分に効果が得られない場合もあるようです。

    そのような時、PDE5阻害剤とテストステロンの併用が有用になると考えられています。(福)

     

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  • テストステロンの不足は心血管疾患のリスク要因か?

    2010年05月02日


    【 要旨 】
    男性という性は冠動脈血管死の主なリスク因子であるが、関連性は未だ説明しきれていない。

    男性の低テストステロンはメタボリック・シンドロームおよび2型糖尿病のリスク因子であり、個々のメタボリック・シンドローム成分、内臓肥満、インスリン抵抗性、高血糖、高血圧および脂質異常と独立して関連している。

    疫学的研究は低テストステロン男性の死亡率の上昇を報告している。

    短期間のテストステロン補充療法はウェスト周囲径、コレステロールおよび炎症性サイトカインを下げ、糖尿病患者のインスリン抵抗性および血糖コントロールを改善する。

    テストステロンはまた、心筋虚血、狭心症および慢性心不全に有用である。

    この論文は低テストステロンと心血管疾患の関連を支持する現在のエビデンスをレビューしたものであり、大規模、長期的研究の必要性が明らかにされている。

    【 原著 】
    Trends Endocrinol Metab. 2010 Apr 6.

    Testosterone deficiency: a risk factor for cardiovascular disease?

    Jones TH.
    Robert Hague Centre for Diabetes and Endocrinology, Barnsley Hospital NHS Foundation Trust, Barnsley, UK; Academic Unit of Diabetes, Endocrinology and Metabolism, University of Sheffield, Sheffield, UK.

    【 弊社コメント 】
    全容は未だ解明されていませんが、男性のテストステロン不足が死亡率を上昇させていることは明らかになっています。
    具体的には、メタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病、2型糖尿病・高血圧、そして心不全に関係していて、短期間のテストステロン補充については有用であることが報告されています。
    ただし、長期的にテストステロンの補充を続けた場合や、大規模で広範囲な人での検証結果は未だありません。(福)

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  • 低テストステロンがもたらす心血管疾患などのリスク、テストステロン補充のメリットに関する報告

    2010年02月15日


    心血管疾患とアンドロゲンの関係に関するレビュー

    Int J Cardiol. 2009 Nov 16.
    Cardiovascular disease and
    androgens: A review.

    Kaushik M, Sontineni SP, Hunter C.
    Department of
    Medicine, Creighton University Medical Center, Omaha, NE,
    USA.

    世界的に心血管疾患は単一の最大の死因である。男女間の心血管疾患のパターンの差異は正しくは理解されていない。エストロゲンに対して大きなスポットライトがあてられているが、心血管疾患の減少に関するその役割は結論が出ていない。
    そこで、心血管疾患の性差の説明に対してアンドロゲンに関心が集まっている。過去20年間の研究により心血管疾患の進展に対するアンドロゲンの影響についての知識が増大した。
    男性におけるテストステロンレベルの加齢による低下および加齢に伴う心血管イベントの増加はアンドロポウズあるいはメノポウスという概念を導いた。
    不幸な事に、過去数十年間アンドロゲンは世界中のアスリート達の不正薬剤として注目されてきた。乱用にと突然の心血管死および重篤な心血管疾患の関連性に関する多数の報告がある。
    対照的にアンドロゲン低下に関連した各種の症状および適応外の目的でのテストステロン補充は増加している。
    ヒトでの観察研究は、テストステロンレベルの低下は冠動脈疾患の頻度を高めると、殆ど結論されている。
    新たなエビデンスは低アンドロゲンは不幸な心血管リスクを予測することを示している。

    心血管疾患に対するテストステロン補充の役割が一次的および二次的防禦段階の両者で研究され、その安全性が評価されている。
    心血管の観点からアンドロゲンの役割をレビューする事はしかるべき時期である。
    PMID:
    19923015

    低テストステロンは致死的心血管イベントと関連している

    J Sex Med. 2010 Jan 25.
    Low Testosterone is Associated
    with an Increased Risk of MACE Lethality in Subjects with Erectile
    Dysfunction.

    Corona G, Monami M, Boddi V, Cameron-Smith M, Fisher AD, de Vita
    G, Melani C, Balzi D, Sforza A, Forti G, Mannucci E, Maggi M.
    Andrology
    Unit, Department of Clinical Physiopathology, University of Florence,
    Florence,
    Italy.

    【 背景 】
    テストステロンは動脈硬化の発現に防禦的役割を果たしている事が示唆されているが、低テストステロンと主要な心血管障害(MACE)との関係を示す一般住民を対象とした研究は僅かであり、勃起不全(ED)患者での研究はない。
    【 目的 】
    EDを有する低テストステロン男性では致死性あるいは非致死性MACEが予測されるか否かを検討する。
    【 方法 】
    我々のED外来を受診した1687例の連続症例を対象とした前向きの観察研究を行った。EDに関する質問票調査(SIEDYおよびANDROTEST)および性腺機能低下関連症状の調査を行った。
    総テストステロン(TT)をベースラインにて測定した。MACEに関する情報はフローレンス市の登録データより得た。
    【 結果 】
    ・性腺機能低下症はTTの閾値230
    ng/dLで5.2%, 300 ng/dL1で3.8%および350 ng/dLで22.4%であった。
    ・平均フォローアップ期間4.3 +/-
    2.6年中に139例のMACEがあり、うち15例が致死的であった。
    ・MACEの非調整発生頻度はTTと関連がなかった。
    ・反対に致死的MACEの割合は性腺機能低下男性(TT閾値300
    ng/dLあるいは230
    ng/dL)で有意に高かった。
    ・しかし、年齢および慢性疾患スコアの調整後のコックス回帰モデルでは致死的MACEの頻度とTT閾値230
    ng/dLの間にのみ有意な関連が確認された(HR = 7.1 [1.8-28.6]; P <
    0.001)。
    ・性腺機能低下症状に関しては、致死的MACEがANDROTESTの高スコアと有意に関連していた(HR = 1.2
    [1.0-1.5])。
    【 結論 】
    テストステロン・レベルは心血管障害(MACE)の高死亡率と関連している。臨床医は低テストステロンに注意すべきである。
    PMID:
    20102478

    日本人男性において低テストステロンは冠血管イベントの予測因子である

    Atherosclerosis. 2009 Nov 13.
    Low testosterone level as
    a predictor of cardiovascular events in Japanese men with coronary risk
    factors.

    Akishita M, Hashimoto M, Ohike Y, Ogawa S, Iijima K, Eto M, Ouchi
    Y.
    Department of Geriatric Medicine, Graduate School of Medicine, University
    of
    Tokyo

    【 目的 】
    近年の疫学的研究によれば、地域住民高齢男性においてテストステロン低下は主に心血管(CV)疾患による死亡率の上昇と関連している。冠血管リスク因子を有する日本人中年男性において、低テストステロンが心血管イベントを予測出来るか否かを検討した。
    【 方法 】
    CV疾患の来歴がなく、冠動脈リスク因子(高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙および肥満)を有する171例の男性外来患者(年齢30-69歳,
    mean+/-SD=48+/-13
    years)のフォローアップ調査を行った。
    ベースラインにおいて、血管内皮機能として冠動脈リスク因子の調査、上腕動脈のFMDの測定および血清総テストステロン、DHEA-S、エストラジオールおよびコーチゾールの測定を行った。
    【 結果 】
    ・平均フォローアップ期間77カ月中に、20例のCVイベントが発生した。
    ・血清ホルモンの4分位によるかプラン-マイヤー分析の結果、テストステロンの最下位4分位群は最上位4分位群に比してCVイベントの発生率が高かった
    (P<0.01 by log-rank
    test)。
    ・Cox比例ハザードモデルはテストステロンの最下位4分位群(<14.2nmol/L)は上位群に比して、冠動脈リスク因子およびFMDで調整呉のCVイベントリスクが約4倍高かった
    (unadjusted hazard ratio, 3.61; 95% CI, 1.47-8.86: multivariate-adjusted
    hazard ratio, 4.61; 95% CI,
    1.02-21.04)。
    ・多変量解析の結果、DHEA-S、エストラジオールおよびコーチゾールとCVイベントとの間に有意な関連は認められなかった。
    【 結論 】
    中年日本人男性おいては冠動脈リスク因子および内皮機能と独立して血清テストステロン・レベルがCVイベントと関連していた。これはアジアの母集団における内因性テストステロンとCVイベントとの関係を明らかにした最初の報告である。
    PMID:
    19963216

    低テストステロン高齢男性におけるリポ蛋白(a) の上昇

    Aging Male. 2010 Jan 11.
    Increased occurrence of marked
    elevations of lipoprotein(a) in ageing, hypercholesterolaemic men with low
    testosterone.

    Kaplan SA, Lin J, Johnson-Levonas AO, Shah AK, Meehan
    AG.
    Weill Cornell Medical College, Institute for Bladder and Prostate Health,
    New York,
    USA.

    【 目的 】
    先に2つの脂質治療研究のベースライン・データを用い高齢男性における、血清テストステロン(T)とメタボリック・シンドローム(MS)発現との逆相関関係を調査した。
    さらに、Tと心血管リスク因子脂質、リポ蛋白(a)
    [Lp(a)].との関係を調査するため、これら2つの試験の一つに参加している米国男性の小集団のベースラインデータの調査を行った。
    【 方法 】
    107例の男性(平均年齢55歳)からベースラインのT、脂質、血糖値および身体計測値に関するデータを得た。対象の基準はLDL-C
    >/=3.4-4.9 mmol/l 及びトリグリセリド </=4.0 mmol/lである。
    ベース・ラインのLp(a)をT<15
    nmol/lの低-正常T群および>/=15
    nmol/lの正常群による差異を分析した。
    【 結果 】
    ・低Tの男性は有意なLp(a)上昇の発生頻度が高かった。
    ・Lp(a)レベルが正常上限の3倍以上であったのは、低-正常T群では17.1%であったのに対し、正常T群では8.1%であった。
    【 結論 】
    低テストステロンの高齢男性はLp(a)が著明に上昇している可能性がある。これは心血管リスクの上昇と関連している事が予期される。
    PMID:
    20059436

    【 注釈 】
    リポ蛋白(a)(LP(a))
    Lp(a)は、LDLのアポ蛋白であるアポB-100に、アポ蛋白であるアポ(a)が結合して構成されるリポ蛋白。Lp(a)に含まれるアポ(a)は、線溶系でフィブリン網を溶解するプラスミノゲンと構造的相同性がある。血液中のLp(a)濃度と、冠動脈疾患や脳梗塞の発症に正相関がある。

    アンドロゲン・レベルと医療費の関係

    Int J Androl. 2010 Jan 4.
    Prospective association of
    low serum total testosterone levels with health care utilization and costs
    in a population-based cohort of men.

    Haring R, Baumeister SE, Volzke H,
    Kohlmann T, Marschall P, Flessa S, Nauck  M, Wallaschofski H.
    Institute of
    Clinical Chemistry and Laboratory Medicine, Ernst Moritz Arndt University Greifswald, Greifswald,
    Germany.

    【 目的 】
    アンドロロジーの分野に対する関心は急速に高まっているが、ヘルスケアの利用とコストに対する血清テストステロン・レベルの影響に関しては特に取り組まれていない。
    地域住民コホート研究Study
    of Health in Pomerania
    (SHIP)のデータを分析し、血清テストステロンと自己報告のヘルスケアの利用およびコストとの関連を5年間フォローし、評価した。
    【 方法 】
    ベースラインでの対象は2023例の男性、このうち1530例が再調査が行われた。低および高テストステロンは年齢別の10および90パーセンタイルに従い、10-90パーセンタイルの対照者と比較した
    【 結果 】
    ・断面調査モデルでは、低テストステロンおよび高テストステロンの男性は共に外来訪問頻度およびコストが高かった(低:+19.1
    および+19.9%、高:+25.3 および+30.2%)。ところが入院日数お

    よびコストはテストステロン・レベルと関連がなかった。
    ・年齢、教育レベル、所得、ウェスト周囲径、喫煙状況、身体活動度および飲酒量による調整は結果に影響しなかった。
    ・長期的モデルでは低テストステロンのみがフォローアップの外来受診頻度(年齢調整

    +28.6%)およびコスト(+38.0%)の上昇と関連していた。
    【 結論 】
    低および高テストステロンは短期の外来ヘルスケア・コストの上昇と関連していた、ところが低テストステロンは長期的な外来ヘルスケア・コストの上昇とも関連していた。
    利用できる治療に関する経費効率研究が医師、患者およびヘルスケアアスステムのために必要である。
    PMID:
    20059581

    低テストステロンおよびSHBGおよび高エストラジオールは糖尿病リスクを高める

    Eur J Endocrinol. 2010 Jan 8.
    Low testosterone levels
    and SHBG levels and high estradiol levels are independent predictors of type
    2 diabetes in men.

    Vikan T, Schirmer H, Njolstad I, Svartberg J.
    T Vikan,
    Department of Endocrinology, Division of medicine, Tromso, 9038,

    Norway.

    【 目的 】
    地域住民男性において、内因性性ホルモンレベルのその後の2型糖尿病リスクに及ぼす影響を調査する。
    【 方法 】
    デザイン:地域住民をベースにした前向きのコホート研究。
    対象:第四次Tromso
    study
    (1994-1995)に参加した1454例の男性。
    調査:糖尿病症例を調査し、プロトコールに従って31.12.05まで立証した。
    分析:性ホルモンと糖尿病との前向きの関連性をコックス比例ハザード回帰を用い解析した。
    【 結果 】
    ・高い正常域総テストステロン群では後期の糖尿病リスクが有意に低下していた。総テストステロン四分位最高位群は最高位群に比してHR
    0.53, CI 0.33-0.84であった。
    ・糖尿病発生リスクの減少は高SHBG群でもみられ、四分位最低位群に比して第三位群でHR 0.38, CI
    0.18-0.81、第4位群でHR 0.37,
    0.17-0.82であった。
    ・総テストステロンとSHBGとの関連性は多変量モデルにウェスト周囲径を加えると有意ではなくなった。
    ・エスラジオールはポジチブに糖尿病発生と関連し、四分位最高位群に比して第二位群HR
    0.49, CI 0.26-0.93、第三位群HR 0.51, CI
    0.27-0.96であった。
    【 結論 】
    高エスラジオールの男性は肥満とは独立して後期糖尿病リスクが上昇していた。一方総テストステロンおよびSHBGの低下は糖尿病リスクを上昇し、これは肥満とは独立していた。
    PMID:
    20061333

    男性ホルモンと腹部大動脈瘤との関連性

    J Clin Endocrinol Metab. 2010 Jan 8.
    Associations of
    Total Testosterone, Sex Hormone-Binding Globulin, Calculated Free Testosterone, and Luteinizing Hormone with Prevalence of Abdominal Aortic
    Aneurysm in Older Men.

    Yeap BB, Hyde Z, Norman PE, Chubb SA, Golledge
    J.
    School of Medicine and Pharmacology, University of Western Australia,
    Australia

    【 背景 】
    腹部大動脈瘤(AAA)は高齢者の死亡と関連しており、大動脈径の上昇は冠血管イベントの予測因子である。AAAは主に男性に発生しているが男性ホルモンとの関連は不明である。
    【 目的 】
    男性ホルモンが独立してAAAあるいは腹部大動脈径の上昇と関連しているかを調査する。
    【 方法 】
    デザイン:断面調査分析。
    対象:年齢70-88歳の地域住民男性3620例。
    調査項目:腹部大動脈径を超音波により計測した。早朝血清により総テストステロン、SHBGおよびLHを測定した。遊離テストステロンは計算により求めた。
    【 結果 】
    ・AAA(大動脈径>/=30
    mm)は262例(7.2%に認められた。
    ・AAAを有する男性は有しない男性に比して総および遊離テストステロンが低くく
    (mean +/- SD
    14.5 +/- 6.0 vs. 15.5 +/- 5.6 nmol/liter, P = 0.005 and 256 +/-
    87 vs. 280
    +/- 97 pmol/liter, P < 0.001, respectively)、LHが高かった
    (median,
    interquartile range: 4.9, 3.1-7.9 vs. 4.3, 3.0-6.4 IU/liter, P =

    0.013)。
    ・交絡因子で調整した多変量解析において、遊離テストステロンはネガチブにAAAと関連し (odds ratio per 1 SD
    increase: 0.84, 95% confidence interval 0.72-0.98,
    P =
    0.026).、LHはポジチブに関連していた(odds ratio 1.14, 95% confidence
    interval 1.03-1.25, P
    =
    0.008)。
    【 結論 】
    高齢男性において、低遊離テストステロンおよび高LHは独立してAAAと関連していた。性腺機能障害は高齢男性における閉塞性血管疾患のような動脈拡張症と関連している可能性がある。
    PMID:
    20061425


    テストステロンは虚弱高齢男性の筋肉強度、身体機能、体組成およびQOLを改善する

    J Clin Endocrinol Metab. 2010 Jan 8.
    Effects of
    Testosterone on Muscle Strength, Physical Function, Body Composition, and
    Quality of Life in Intermediate-Frail and Frail Elderly Men: A Randomized,
    Double-Blind, Placebo-Controlled Study.

    Srinivas-Shankar U, Roberts SA,
    Connolly MJ, O’ Connell MD, Adams JE, Oldham
    JA, Wu FC.
    Department of
    Medicine and Endocrinology, University of Manchester Manchester Royal
    Infirmary; Health Methodology Research Group , New
    Zealand.

    【 背景 】
    身体的虚弱は筋肉の減阿呆、身体機能の障害およびQOLと関連している。テストステロン(T)は性腺機能低下患者において筋肉量および強度を増加する。低~境界域低値Tの虚弱高齢者においてTが同様の作用を示すかは明らかではない。
    【 目的 】
    中程度虚弱および虚弱高齢男性おける6カ月のT療法の筋肉量および強度、身体機能およびQOLに及ぼす影響を検討する。
    【 方法 】
    デザイン:単一施設、無作為、二重盲検、プラセボー比較、平行群間試験。
    対象:年齢65歳以上、総T12
    nmol/L(346ng/dL)あるいは遊離T250 pmol/L(72.1pg/L)以上の地域住民男性。
    投与方法:274例の男性を経皮T(50
    mg/d)またはプラセボー・ゲル6カ月間投与に無作に割り付けた。
    評価項目:筋肉強度、非脂肪および脂肪容量、身体機能および自己報告のQOL。
    【 結果 】
    ・等尺性膝伸展力はT群で改善し(6カ月後の対P群)、調整差異は8.6
    (95% CI, 1.3-16.0; P = 0.02)であった。
    ・T群において非脂肪容量は増加し(1.08 +/- 1.8
    k)、脂肪容量は減少した(0.9 +/- 1.6
    k)。
    ・身体機能はより高齢およびより虚弱な男性において改善した。
    ・身体および性症状スコアはT群で減少し、調整後の差異は各々-1.2 (-2.4
    to -0.04) および-1.3 (-2.5 to
    -0.2)であった。
    【 結論 】
    低~境界域低値Tの中程度虚弱および虚弱高齢男性おける6カ月のT療法は老化による筋肉の喪失、強度の低下を防止し、体組成、QOLおよび身体機能を改善した。
    PMID:
    20061435

    テストステロン・レベルは長期的なLUTSのリスクと逆相関する

    BJU Int..
    Serum sex hormones and the 20-year risk of
    lower urinary tract symptoms in community-dwelling older men.

    Trifiro MD,
    Parsons JK, Palazzi-Churas K, Bergstrom J, Lakin C, Barrett-Connor
    E.
    Division of Urologic Oncology, Moores UCSD Cancer Center, San Diego, CA,
    USA.

    【 目的 】
    高齢の地域住民男性集団において、性ホルモン濃度とその後の長期的下部尿路症状(LUTS)リスクの関連を調査した。
    【 方法 】
    1984から1987の間にRancho
    Bernardo
    Study(前向きの地域住民調査)の参加者の血清性ホルモン濃度を測定した。2006年に生存者に米国泌尿器学会症状スコア質問票(AUA-SI)を送付した。
    AUA-SIとベースラインの性ホルモン濃度の関連性をロジスティック回帰分析した。

    米国泌尿器科学会の良性前立腺肥大症の症状スコア
    最近約1カ月間にわたり下記の症状がありましたか
    Q.排尿後に尿が残っている感じが何回ありましたか。
    Q.排尿後2時間以内にもう1度排尿しなくてはならないことが何回ありましたか。
    Q.排尿中,数回にわたって尿が止まり,再び出ることが何回ありましたか。
    Q.排尿を我慢することが難しいことが何回ありましたか。
    Q.尿の勢いが弱いことが何回ありましたか。
    Q.排尿開始時にいきんだり,努力しなくてはならないことは何回ありましたか。
    以上の項目下記のように評価
    全くなし
    :0、 5回に1回未満 :1、 全回数の50%未満 :2、 全回数の約50%
    :3、 全回数の50%超 :4、 ほとんど常に
    :5
    Q.夜就寝してから朝起床するまでの間に普通何回トイレに起きますか。
    なし(0)、 1回(1)、 2回(2)、
    3回(3)、4回(4)、5回以上(5)
    米国泌尿器科学会の症状スコア=合計

    【 結果 】
    ・完全な回答得たのは158例、ベースラインの性ホルモン測定時の平均年齢(sd)は58

    (6.6)歳、平均フォローアップ期間(sd)は20.3
    (0.6)年である。
    ・年齢調整ロジスティック回帰分析において、テストステロンおよびDHTとLUTSの間に逆向きの関連性が認められた(P =
    0.05)。.
    ・生物学テストステロンの高い男性は性腺機能低下レベルの男性に比してLUTSのリスクが56%減少していた、しかしこの関連性は有意ではなかった(オッズ比
    0.44, 95% CI
    0.14-1.40)。
    【 結論 】
    この集団において、中年期のテストステロン、DHTおよび生物学的テストステロンが高い男性はLUTSの20年間のリスクが減少している。
    このデータはテストステロンとLUTSとの逆相関を報告している他の研究を支持するものである。
    テストステロン療法の臨床試験にLUTSおよびBPHの改善が含まれるべきである。
    PMID:
    20002438

    勃起不全におけるテストステロンの役割

    Nat Rev Urol. 2009 Dec 8.
    The role of testosterone in
    erectile dysfunction.

    Corona G, Maggi M.
    Sexual Medicine & Andrology
    Unit, Department of Clinical Physiopathology, University of Florence,
    Italy.

    勃起不全(ED)は勃起に関連した身体的疾患、ストレスへの反応および関係性の困難さを含む臨床的因子の連続的スペクトルの結果として起きる臨床的異常である。
    テストステロンはEDのこれらの原因に関連しているが、EDの治療におけるテストステロンの有用性は完全には明らかではない。
    男性の性的反応におけるテストステロンの主な生理学的な作用は性欲に関連した勃起過程のタイミングを調整する事であり、それゆえセックスにともなう陰茎勃起を調整している。
    ED、性腺機能低下症およびメタボリックシンドロームおよび2型糖尿病のような潜在する疾患との関連性は今日よく実証されている。
    潜在疾患の認識は健康に関連したライフスタイルの改善のための、EDを有する男性の動機付けに有用である。
    それゆえ、EDを有する男性は「ラッキー」と考えられる。なぜなら、潜在疾患を検出すための医学的検査機会が得られるからである。
    EDおよび性腺機能低下症は治療可能な疾患である。テストステロン製剤の範囲はサプリメントとして利用可能であり、ある場合にはPDE5阻害剤との併用が有用である。
    PMID:
    19997070

     

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  • 肥満と勃起不全の関連にはアンドロゲン欠乏と内皮障害が関与する

    2009年09月24日


    肥満は勃起不全の発現と高く関連しているが、両者の病態生理学的リンクに関してはよく分かっていない。このミニレビューにおいて、共通する病態生理学的リンクが存在するかどうかを調査するため、肥満の勃起不全に関する文献の評価を行った。

    内臓肥満は炎症反応を高め、内皮障害の原因となる。さらに、肥満はテストステロン・レベルを下げ、性腺機能低下症の原因となり、血管病変のリスクを高める。

    内皮機能不全とアンドロゲン欠乏症は既に、勃起不全の病態生理学的メカニズムに関連している事が知られている。

    内皮機能不全とテストステロン欠乏症の病態生理学的メカニズムには陰茎血管不全が関与し、NO合成酵素発現及び活性の低下、組織コンプライアンスのロスを招き、血管動態の低下を引き起こす。

    性治療の分野の最近の進歩は勃起不全患者の治療に対して血管疾患および性腺機能低下の影響を認めている。

    内臓肥満はメタボリックシンドロームの成分であり、内皮機能及びテストステロン・レベルに悪影響し、性腺機能低下及び勃起不全の原因となる。

    このように、肥満患者の勃起不全のリスクの臨床的スクリーニングにはウェスト周囲径、テストステロン・レベル、BMIおよび身体活動量の検査を行うべきである。

    【 原著 】
    FEBS J. 2009 Sep 15.
    Mechanisms of obesity and
    related pathologies: Androgen deficiency and endothelial dysfunction may be
    the link between obesity and erectile dysfunction.

    Traish AM, Feeley RJ,
    Guay A.
    Department of Biochemistry and Urology, Boston University School of
    Medicine, MA, USA.

    PMID:
    19754871

     

    【 弊社コメント 】本報では、次の図式が簡明にまとめられています。(野)肥満 → 炎症反応の上昇 → 内皮機能障害 → 血管障害 → 勃起不全
    肥満 → テストステロン低下 → 内皮機能障害 → 血管障害 → 勃起不全

    メタボリックシンドロームが血栓や動脈硬化といった血管障害につながる事は既にご存知の通りですが、血管障害はED(勃起不全)につながるものですから、すなわちメタボはEDの危険因子です。血管性EDは特効薬とされるPDE-5阻害剤をもってしても治りにくいEDなので、予防が大切です。
    肥満の予防、血栓や動脈硬化のような血管障害を防ぐ生活習慣(食生活・適度な運動・適切な生活リズム・禁煙・・・等々)が適度なテストステロン(男性ホルモン)分泌の維持につながり、EDの予防にもつながる・・・、という好循環になると思われます。(福)

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  • 抑うつ患者のテスステロン補充療法に関するメタ解析

    2009年07月30日


    ■ 目的
    多くの研究が抑うつ患者におけるテストステロン補充療法(TRT)の抗うつ効果を示唆している。 論文のシステマティック・レビューおよびメタ解析により抑うつに対するTRTの効果を探索した。

    ■ 方法
    MEDLINE, Clinical Trials Registry, および Cochrane Central (英語版)にて抑うつ患者の無作為、プラセボ比較試験の調査を行った。 調査において見出された総説の個々の論文リストより付加的調査を行った。
    DSMの基準に従って抑うつ異常と診断された患者におけるTRTおよびプラセボの比較試験のオリジナルなデータが報告されていればこのレビューおよびメタ解析の選択されるものと判断した。 治療に対する反応は抑うつに対するハミルトン評価スケール(HAM-D)の変化にしたげって評価した。
    同定された研究のソースから総および各群の患者数、年齢、性腺機能低下症あるいはHIV/AIDSと診断された患者数、研究期間、介入のタイプ、およびHAM-Dスコアの変化に関するデータを抽出した。
    メタ解析は用いたプラセボ比較のRCTにおけるHAM-Dスコアの変化によって測定された抑うつ患者に対するTRTの効果を評価した。

    ■ 結果
    7つの試験(N=364) が二重盲検によるプラセボ比較試験であった。 選択基準は全ての試験で明確にされている。

    プラセボに比した場合、これら7つの試験から抽出したデータのメタ解析は抑うつ患者のHAM-D反応に対するTRTの有意な正の効果を示した(z=4.04, P<0.0001)。

    サブ群解析は性腺機能低下症(z=3.84, P=0.0001)およびHIV/AIDS(z=3.33, P=0.0009)のサブ集団においても有意な効果を示した。

    ■ 結論
    TRTは抑うつ患者において抗うつ効果を示すと思われる。 特に高齢の性腺機能低下あるいはHIV/AIDS患者において有効である。 TRTの投与経路は治療に対する反応において重要である。

    ■ 原著
    J Psychiatr Pract. 2009 Jul;15(4):289-305.
    Testosterone and depression: systematic review and meta-analysis.
    Zarrouf FA, Artz S, Griffith J, Sirbu C, Kommor M.

     

    (さらに…)

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  • 加齢男性性腺機能低下症候群 – LOH症候群 – 診療の手引き

    2007年02月24日


    【タイトル】
    加齢男性性腺機能低下症候群 -LOH症候群- 診療の手引き

    日本泌尿器科学会 公認
    日本Men’s Health医学会 公認

    [ 男性ホルモン低下による 男性更年期障害、ED、心身症などの診療マニュアル ]

    LOH症候群診療の手引き.jpg【編集】
    日本泌尿器科学会/日本Men’s Health医学会
    「LOH症候群診療ガイドライン」検討ワーキング委員会

    【ISBN】
    ISBN978-4-8407-3664-0

     

     

    【弊社コメント】

    男性にも女性と同様に更年期があり、男性の中には様々な不定愁訴に襲われる人がいます。
    以前は医師の間で認識が広まっておらず、診断と治療のガイドラインも無い中で医療の受け皿が乏しく、ごく一部の有志の医師によって取り組まれて来ましたが、近年は様々なメディアが「男性更年期障害」という表現で取り上げた事により、一般的な認知が広がりました。

    しかしながら、診療マニュアルも無く対応が整う前に急に一般の認知が広まったものですから、男性更年期障害を主訴とする患者さんが続々と受診するなか、医療現場では様々な戸惑いがあったようです。

    例えば、うつ病のように直ちに精神科を受診すべき人をいかに見分けるべきか、男性ホルモンの補充を行うための判断基準をどうするか、患者様にメリットとリスクをいかに説明すべきか…と、直面する問題と課題は多岐に及びますし、それぞれに学術的な根拠をもって対処しようとすれば、自ずと研究・調査すべき仕事は膨大になります。

    定義や表現ひとつ取っても様々な議論があったようですが、「PADAM」という表現を経て、最終的に「LOH(late-onset hypogonadism:ロー/加齢男性性腺機能低下症候群)」と名づけられ、このほど根拠にもとづく最も合理的な「診療マニュアル」にまとめられました。それが本著になると思われます。

    なお、本著の中で弊社製品のテストステロン軟膏「グローミン」がART(男性ホルモン補充療法)の選択肢の一つに採用されました。

    loh_text.jpg

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