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2014年07月18日
■ 目的
テストステロン療法が前立腺癌(PC)のリスクを上げるというエビデンスはないが、長期的データは欠如している。 そこで長期間テストステロン療法を受けている性腺機能低下男性においてPCの頻度が増加するか否か調査した。■ 方法
3つの平行、前向き、継続、蓄積登録研究において1,023例の性腺機能低下男性がテストステロン療法を受けていた。 2つの研究は泌尿器専門医により行われ(2004年以降)、1つはアカデミックなアンドロロジー・センターにより行われた(1996年以降)。 治療は総テストステロン≤12.1 nmol/L (350 ng/dL)および性腺機能低下症が存在するときに行われた。
調査期間の最高は17年(1996~2013)、中央値は5年である。 開始時の平均年齢は泌尿器科では58歳、アンドロロジーでは41歳であった。
テストステロン療法はテストステロン・アンデカノエイト注射を12週間隔で行われた。 前立腺の治療前の検査および治療中のモニターが行われた。 前立腺生検はEAUガイドラインに沿って行われた。
生検の陽性および陰性者の数を調査した。 PCの頻度および前立腺切除後の転帰を検討した。■ 結果
- 泌尿器科で行われた2つの研究で計11例のPCが診断され、発現率はそれぞれ2.3%および1.5%であった。10,000例あたりの年間の頻度はそれぞれ54.4および 30.7例である。
- アンドロロジー・センターではPCは報告されなかった。
- コントロール群がない登録デザインであるという限界性が存在する。
■ 結論
テストステロン療法はPCのリスクを上げなかった。 テストステロン療法のガイドラインにそって適正に行われれば、テストステロン療法は性腺機能低下男性において安全である。■ 原著
J Urol. 2014 Jun 26. pii: S0022-5347(14)03885-3.
Incidence of Prostate Cancer in Hypogonadal Men Receiving Testosterone Therapy: Observations from Five Year-median Follow-up of Three Registries.
Haider A, Zitzmann M, Doros G, Isbarn H, Hammerer P, Yassin A続きを読む
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2型糖尿病男性の性機能およびQOLに対するテストステロン補充療法
2013年04月25日
【 目 的 】
2型糖尿病男性では性機能障害、特に勃起不全(ED)が多く認められる。性腺機能低下症の発現率も糖尿病男性では高く、低テストステロンが性機能障害と関連し、EDに対する経口療法の反応性を減じている。
長時間作用型テストステロンアンデカノエイト(TU)によるテストステロン補充療法の性機能、ムードおよびQOLに対する効果をプラセボと比較検討した。試験は30週間にわたって行い、さらに52週オープンラベルにてフォローした。【 方 法 】
対象として一般診療所の総テストステロン12nmol/L以下または遊離テストステロン250pmol/L以下の男性糖尿病患者211例をスリーニングした。 2型糖尿病および性腺機能低下男性199例にてニ重盲検プラセボ比較試験を行い、TU1000mgまたはプラセボを30週間投与し、さらに52週オープンラベルにてフォローした。
一次評価項目としてIIEFによる性機能の調査を行い、二次評価項目としてAMS、Hospital
Anxiety and Depression Scale、 および Global Efficacy Questionを用い、ムードおよび自己報告QOLの調査を行った。【 結 果 】
- テストステロン補充療法は6週後より有用性が認められ、30週後の評価で性機能の全ドメインを改善した(勃起機能, P=0.005; 性交満足度, P=0.015; 性欲, P=0.001; 全体的満足度, P=0.05; およびオーガズム, P=0.04)。
- AMSスコアの改善は抑うつのない男性有意であり(P=0.02)、ベースラインでの抑うつの存在は性機能および精神的スコアの反応の著明な減少と関連していた。
- 性機能の全反応は18カ月まで有意にな改善が続き勃起機能スコアがベースラインより4.31改善した。
- PDE5阻害剤使用の35例の小集団においてはニ重盲検フェースでは変化が認められなかったが、52週のオープンフェーズで勃起機能の改善が認められた。
- 治療が健康を改善したと感じたのは30週後TU群48%に対してプラセボ群17%で、オープンラベルによる治療後は70%に達した。
- 肥満が少ないおよび高齢の患者はテストステロン療法に対する反応が良好であった。
- 有意な有害事象はなかった。
【 結 論 】
TUはIIEFの全ドメインおよび患者報告QOLを改善し、52週のオープンラベルでの延長後さらに有意に改善した。 改善は肥満の無い患者および抑うつのない患者で顕著であった。【 原 著 】
J Sex Med. 2013 Apr 3. doi: 10.1111/jsm.12146.
Testosterone Replacement Therapy with Long-Acting Testosterone Undecanoate Improves Sexual Function and Quality-of-Life Parameters vs. Placebo in a Population of Men with Type 2 Diabetes.
Hackett G, Cole N, Bhartia M, Kennedy D, Raju J, Wilkinson P.
Good Hope Hospital, Sutton Coldfield, UK.続きを読む
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2011年10月27日
【 目的 ・ 方法 】
2型糖尿病男性における性腺機能低下症は増加しているが、プライマリー・ケアにおけるデータは少ない。
そこで糖尿病を有する年齢18~80歳の男性患者6457例の匿名記録について解析した。過去2年以内に391例(6%)が血清テストステロンの測定を行っていた。【 結 果 】
- 調査された2型糖尿病男性の4.4%が総テストステロン8.0nmol/l以下の性腺機能低下症であった。
- 境界型の性腺機能低下症(総テストステロン 8~11.99nmol/l)は32.1%であった。
- 年齢平均テストステロンは2型糖尿病男性(13.6nmol/l
95%CI: 13.1-14.2) で1型糖尿病男性(17.9nmol/l; 95%CI 15.2-21.0)より低かった(F=10.3;
p=0.0014)。 - 年齢調整BMIは2型糖尿病男性が30.7(30.1-31.3)で、1型糖尿病男性の28.4(26.1-30.6)kg/m(2)より高かった(F=4.3;
p=0.04)。 - 重回帰分析の結果、テストステロンとの関係においてBMIと糖尿病型の間に有意な相互作用が認められた。
- 1型糖尿病では6%(P=0.002) および2型糖尿病では1%(P=0.002)のテストステロンの減少に伴い1単位のBMIの上昇が予測される。
【 結 論 】
テストステロン補充療法が有用な糖尿病とアンドロゲン欠乏症を合併する男性集団が明らかに存在する。BMIはアンドロゲン・レベルに独立した影響を持っている。【 原 著 】
Prim Care Diabetes. 2011 Oct 5.
Screening for
hypogonadism in diabetes 2008/9: Results from the Cheshire Primary Care
cohort.
Anderson SG, Heald A, Younger N, Bujawansa S, Narayanan RP, McCulloch
A, Jones H.
SourceCardiovascular Sciences Research Group, Core Technology
Facility (3rd Floor), University of Manchester, 46 Grafton Street,
Manchester M13 9NT, UK.【 弊社コメント 】
糖尿病の肥満男性で男性ホルモンの分泌が低い人は、テストステロンの補充が有用のようです。(福)続きを読む
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低テストステロンがもたらす心血管疾患などのリスク、テストステロン補充のメリットに関する報告
2010年02月15日
心血管疾患とアンドロゲンの関係に関するレビュー
Int J Cardiol. 2009 Nov 16.
Cardiovascular disease and
androgens: A review.
Kaushik M, Sontineni SP, Hunter C.
Department of
Medicine, Creighton University Medical Center, Omaha, NE,
USA.世界的に心血管疾患は単一の最大の死因である。男女間の心血管疾患のパターンの差異は正しくは理解されていない。エストロゲンに対して大きなスポットライトがあてられているが、心血管疾患の減少に関するその役割は結論が出ていない。
そこで、心血管疾患の性差の説明に対してアンドロゲンに関心が集まっている。過去20年間の研究により心血管疾患の進展に対するアンドロゲンの影響についての知識が増大した。
男性におけるテストステロンレベルの加齢による低下および加齢に伴う心血管イベントの増加はアンドロポウズあるいはメノポウスという概念を導いた。
不幸な事に、過去数十年間アンドロゲンは世界中のアスリート達の不正薬剤として注目されてきた。乱用にと突然の心血管死および重篤な心血管疾患の関連性に関する多数の報告がある。
対照的にアンドロゲン低下に関連した各種の症状および適応外の目的でのテストステロン補充は増加している。
ヒトでの観察研究は、テストステロンレベルの低下は冠動脈疾患の頻度を高めると、殆ど結論されている。
新たなエビデンスは低アンドロゲンは不幸な心血管リスクを予測することを示している。心血管疾患に対するテストステロン補充の役割が一次的および二次的防禦段階の両者で研究され、その安全性が評価されている。
心血管の観点からアンドロゲンの役割をレビューする事はしかるべき時期である。
PMID:
19923015低テストステロンは致死的心血管イベントと関連している
J Sex Med. 2010 Jan 25.
Low Testosterone is Associated
with an Increased Risk of MACE Lethality in Subjects with Erectile
Dysfunction.
Corona G, Monami M, Boddi V, Cameron-Smith M, Fisher AD, de Vita
G, Melani C, Balzi D, Sforza A, Forti G, Mannucci E, Maggi M.
Andrology
Unit, Department of Clinical Physiopathology, University of Florence,
Florence,
Italy.【 背景 】
テストステロンは動脈硬化の発現に防禦的役割を果たしている事が示唆されているが、低テストステロンと主要な心血管障害(MACE)との関係を示す一般住民を対象とした研究は僅かであり、勃起不全(ED)患者での研究はない。
【 目的 】
EDを有する低テストステロン男性では致死性あるいは非致死性MACEが予測されるか否かを検討する。
【 方法 】
我々のED外来を受診した1687例の連続症例を対象とした前向きの観察研究を行った。EDに関する質問票調査(SIEDYおよびANDROTEST)および性腺機能低下関連症状の調査を行った。
総テストステロン(TT)をベースラインにて測定した。MACEに関する情報はフローレンス市の登録データより得た。
【 結果 】
・性腺機能低下症はTTの閾値230
ng/dLで5.2%, 300 ng/dL1で3.8%および350 ng/dLで22.4%であった。
・平均フォローアップ期間4.3 +/-
2.6年中に139例のMACEがあり、うち15例が致死的であった。
・MACEの非調整発生頻度はTTと関連がなかった。
・反対に致死的MACEの割合は性腺機能低下男性(TT閾値300
ng/dLあるいは230
ng/dL)で有意に高かった。
・しかし、年齢および慢性疾患スコアの調整後のコックス回帰モデルでは致死的MACEの頻度とTT閾値230
ng/dLの間にのみ有意な関連が確認された(HR = 7.1 [1.8-28.6]; P <
0.001)。
・性腺機能低下症状に関しては、致死的MACEがANDROTESTの高スコアと有意に関連していた(HR = 1.2
[1.0-1.5])。
【 結論 】
テストステロン・レベルは心血管障害(MACE)の高死亡率と関連している。臨床医は低テストステロンに注意すべきである。
PMID:
20102478日本人男性において低テストステロンは冠血管イベントの予測因子である
Atherosclerosis. 2009 Nov 13.
Low testosterone level as
a predictor of cardiovascular events in Japanese men with coronary risk
factors.
Akishita M, Hashimoto M, Ohike Y, Ogawa S, Iijima K, Eto M, Ouchi
Y.
Department of Geriatric Medicine, Graduate School of Medicine, University
of
Tokyo【 目的 】
近年の疫学的研究によれば、地域住民高齢男性においてテストステロン低下は主に心血管(CV)疾患による死亡率の上昇と関連している。冠血管リスク因子を有する日本人中年男性において、低テストステロンが心血管イベントを予測出来るか否かを検討した。
【 方法 】
CV疾患の来歴がなく、冠動脈リスク因子(高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙および肥満)を有する171例の男性外来患者(年齢30-69歳,
mean+/-SD=48+/-13
years)のフォローアップ調査を行った。
ベースラインにおいて、血管内皮機能として冠動脈リスク因子の調査、上腕動脈のFMDの測定および血清総テストステロン、DHEA-S、エストラジオールおよびコーチゾールの測定を行った。
【 結果 】
・平均フォローアップ期間77カ月中に、20例のCVイベントが発生した。
・血清ホルモンの4分位によるかプラン-マイヤー分析の結果、テストステロンの最下位4分位群は最上位4分位群に比してCVイベントの発生率が高かった
(P<0.01 by log-rank
test)。
・Cox比例ハザードモデルはテストステロンの最下位4分位群(<14.2nmol/L)は上位群に比して、冠動脈リスク因子およびFMDで調整呉のCVイベントリスクが約4倍高かった
(unadjusted hazard ratio, 3.61; 95% CI, 1.47-8.86: multivariate-adjusted
hazard ratio, 4.61; 95% CI,
1.02-21.04)。
・多変量解析の結果、DHEA-S、エストラジオールおよびコーチゾールとCVイベントとの間に有意な関連は認められなかった。
【 結論 】
中年日本人男性おいては冠動脈リスク因子および内皮機能と独立して血清テストステロン・レベルがCVイベントと関連していた。これはアジアの母集団における内因性テストステロンとCVイベントとの関係を明らかにした最初の報告である。
PMID:
19963216低テストステロン高齢男性におけるリポ蛋白(a) の上昇
Aging Male. 2010 Jan 11.
Increased occurrence of marked
elevations of lipoprotein(a) in ageing, hypercholesterolaemic men with low
testosterone.
Kaplan SA, Lin J, Johnson-Levonas AO, Shah AK, Meehan
AG.
Weill Cornell Medical College, Institute for Bladder and Prostate Health,
New York,
USA.【 目的 】
先に2つの脂質治療研究のベースライン・データを用い高齢男性における、血清テストステロン(T)とメタボリック・シンドローム(MS)発現との逆相関関係を調査した。
さらに、Tと心血管リスク因子脂質、リポ蛋白(a)
[Lp(a)].との関係を調査するため、これら2つの試験の一つに参加している米国男性の小集団のベースラインデータの調査を行った。
【 方法 】
107例の男性(平均年齢55歳)からベースラインのT、脂質、血糖値および身体計測値に関するデータを得た。対象の基準はLDL-C
>/=3.4-4.9 mmol/l 及びトリグリセリド </=4.0 mmol/lである。
ベース・ラインのLp(a)をT<15
nmol/lの低-正常T群および>/=15
nmol/lの正常群による差異を分析した。
【 結果 】
・低Tの男性は有意なLp(a)上昇の発生頻度が高かった。
・Lp(a)レベルが正常上限の3倍以上であったのは、低-正常T群では17.1%であったのに対し、正常T群では8.1%であった。
【 結論 】
低テストステロンの高齢男性はLp(a)が著明に上昇している可能性がある。これは心血管リスクの上昇と関連している事が予期される。
PMID:
20059436【 注釈 】
リポ蛋白(a)(LP(a))
Lp(a)は、LDLのアポ蛋白であるアポB-100に、アポ蛋白であるアポ(a)が結合して構成されるリポ蛋白。Lp(a)に含まれるアポ(a)は、線溶系でフィブリン網を溶解するプラスミノゲンと構造的相同性がある。血液中のLp(a)濃度と、冠動脈疾患や脳梗塞の発症に正相関がある。アンドロゲン・レベルと医療費の関係
Int J Androl. 2010 Jan 4.
Prospective association of
low serum total testosterone levels with health care utilization and costs
in a population-based cohort of men.
Haring R, Baumeister SE, Volzke H,
Kohlmann T, Marschall P, Flessa S, Nauck M, Wallaschofski H.
Institute of
Clinical Chemistry and Laboratory Medicine, Ernst Moritz Arndt University Greifswald, Greifswald,
Germany.【 目的 】
アンドロロジーの分野に対する関心は急速に高まっているが、ヘルスケアの利用とコストに対する血清テストステロン・レベルの影響に関しては特に取り組まれていない。
地域住民コホート研究Study
of Health in Pomerania
(SHIP)のデータを分析し、血清テストステロンと自己報告のヘルスケアの利用およびコストとの関連を5年間フォローし、評価した。
【 方法 】
ベースラインでの対象は2023例の男性、このうち1530例が再調査が行われた。低および高テストステロンは年齢別の10および90パーセンタイルに従い、10-90パーセンタイルの対照者と比較した
【 結果 】
・断面調査モデルでは、低テストステロンおよび高テストステロンの男性は共に外来訪問頻度およびコストが高かった(低:+19.1
および+19.9%、高:+25.3 および+30.2%)。ところが入院日数およびコストはテストステロン・レベルと関連がなかった。
・年齢、教育レベル、所得、ウェスト周囲径、喫煙状況、身体活動度および飲酒量による調整は結果に影響しなかった。
・長期的モデルでは低テストステロンのみがフォローアップの外来受診頻度(年齢調整+28.6%)およびコスト(+38.0%)の上昇と関連していた。
【 結論 】
低および高テストステロンは短期の外来ヘルスケア・コストの上昇と関連していた、ところが低テストステロンは長期的な外来ヘルスケア・コストの上昇とも関連していた。
利用できる治療に関する経費効率研究が医師、患者およびヘルスケアアスステムのために必要である。
PMID:
20059581低テストステロンおよびSHBGおよび高エストラジオールは糖尿病リスクを高める
Eur J Endocrinol. 2010 Jan 8.
Low testosterone levels
and SHBG levels and high estradiol levels are independent predictors of type
2 diabetes in men.
Vikan T, Schirmer H, Njolstad I, Svartberg J.
T Vikan,
Department of Endocrinology, Division of medicine, Tromso, 9038,Norway.
【 目的 】
地域住民男性において、内因性性ホルモンレベルのその後の2型糖尿病リスクに及ぼす影響を調査する。
【 方法 】
デザイン:地域住民をベースにした前向きのコホート研究。
対象:第四次Tromso
study
(1994-1995)に参加した1454例の男性。
調査:糖尿病症例を調査し、プロトコールに従って31.12.05まで立証した。
分析:性ホルモンと糖尿病との前向きの関連性をコックス比例ハザード回帰を用い解析した。
【 結果 】
・高い正常域総テストステロン群では後期の糖尿病リスクが有意に低下していた。総テストステロン四分位最高位群は最高位群に比してHR
0.53, CI 0.33-0.84であった。
・糖尿病発生リスクの減少は高SHBG群でもみられ、四分位最低位群に比して第三位群でHR 0.38, CI
0.18-0.81、第4位群でHR 0.37,
0.17-0.82であった。
・総テストステロンとSHBGとの関連性は多変量モデルにウェスト周囲径を加えると有意ではなくなった。
・エスラジオールはポジチブに糖尿病発生と関連し、四分位最高位群に比して第二位群HR
0.49, CI 0.26-0.93、第三位群HR 0.51, CI
0.27-0.96であった。
【 結論 】
高エスラジオールの男性は肥満とは独立して後期糖尿病リスクが上昇していた。一方総テストステロンおよびSHBGの低下は糖尿病リスクを上昇し、これは肥満とは独立していた。
PMID:
20061333男性ホルモンと腹部大動脈瘤との関連性
J Clin Endocrinol Metab. 2010 Jan 8.
Associations of
Total Testosterone, Sex Hormone-Binding Globulin, Calculated Free Testosterone, and Luteinizing Hormone with Prevalence of Abdominal Aortic
Aneurysm in Older Men.
Yeap BB, Hyde Z, Norman PE, Chubb SA, Golledge
J.
School of Medicine and Pharmacology, University of Western Australia,
Australia【 背景 】
腹部大動脈瘤(AAA)は高齢者の死亡と関連しており、大動脈径の上昇は冠血管イベントの予測因子である。AAAは主に男性に発生しているが男性ホルモンとの関連は不明である。
【 目的 】
男性ホルモンが独立してAAAあるいは腹部大動脈径の上昇と関連しているかを調査する。
【 方法 】
デザイン:断面調査分析。
対象:年齢70-88歳の地域住民男性3620例。
調査項目:腹部大動脈径を超音波により計測した。早朝血清により総テストステロン、SHBGおよびLHを測定した。遊離テストステロンは計算により求めた。
【 結果 】
・AAA(大動脈径>/=30
mm)は262例(7.2%に認められた。
・AAAを有する男性は有しない男性に比して総および遊離テストステロンが低くく
(mean +/- SD
14.5 +/- 6.0 vs. 15.5 +/- 5.6 nmol/liter, P = 0.005 and 256 +/-
87 vs. 280
+/- 97 pmol/liter, P < 0.001, respectively)、LHが高かった
(median,
interquartile range: 4.9, 3.1-7.9 vs. 4.3, 3.0-6.4 IU/liter, P =0.013)。
・交絡因子で調整した多変量解析において、遊離テストステロンはネガチブにAAAと関連し (odds ratio per 1 SD
increase: 0.84, 95% confidence interval 0.72-0.98,
P =
0.026).、LHはポジチブに関連していた(odds ratio 1.14, 95% confidence
interval 1.03-1.25, P
=
0.008)。
【 結論 】
高齢男性において、低遊離テストステロンおよび高LHは独立してAAAと関連していた。性腺機能障害は高齢男性における閉塞性血管疾患のような動脈拡張症と関連している可能性がある。
PMID:
20061425
テストステロンは虚弱高齢男性の筋肉強度、身体機能、体組成およびQOLを改善するJ Clin Endocrinol Metab. 2010 Jan 8.
Effects of
Testosterone on Muscle Strength, Physical Function, Body Composition, and
Quality of Life in Intermediate-Frail and Frail Elderly Men: A Randomized,
Double-Blind, Placebo-Controlled Study.
Srinivas-Shankar U, Roberts SA,
Connolly MJ, O’ Connell MD, Adams JE, Oldham
JA, Wu FC.
Department of
Medicine and Endocrinology, University of Manchester Manchester Royal
Infirmary; Health Methodology Research Group , New
Zealand.【 背景 】
身体的虚弱は筋肉の減阿呆、身体機能の障害およびQOLと関連している。テストステロン(T)は性腺機能低下患者において筋肉量および強度を増加する。低~境界域低値Tの虚弱高齢者においてTが同様の作用を示すかは明らかではない。
【 目的 】
中程度虚弱および虚弱高齢男性おける6カ月のT療法の筋肉量および強度、身体機能およびQOLに及ぼす影響を検討する。
【 方法 】
デザイン:単一施設、無作為、二重盲検、プラセボー比較、平行群間試験。
対象:年齢65歳以上、総T12
nmol/L(346ng/dL)あるいは遊離T250 pmol/L(72.1pg/L)以上の地域住民男性。
投与方法:274例の男性を経皮T(50
mg/d)またはプラセボー・ゲル6カ月間投与に無作に割り付けた。
評価項目:筋肉強度、非脂肪および脂肪容量、身体機能および自己報告のQOL。
【 結果 】
・等尺性膝伸展力はT群で改善し(6カ月後の対P群)、調整差異は8.6
(95% CI, 1.3-16.0; P = 0.02)であった。
・T群において非脂肪容量は増加し(1.08 +/- 1.8
k)、脂肪容量は減少した(0.9 +/- 1.6
k)。
・身体機能はより高齢およびより虚弱な男性において改善した。
・身体および性症状スコアはT群で減少し、調整後の差異は各々-1.2 (-2.4
to -0.04) および-1.3 (-2.5 to
-0.2)であった。
【 結論 】
低~境界域低値Tの中程度虚弱および虚弱高齢男性おける6カ月のT療法は老化による筋肉の喪失、強度の低下を防止し、体組成、QOLおよび身体機能を改善した。
PMID:
20061435テストステロン・レベルは長期的なLUTSのリスクと逆相関する
BJU Int..
Serum sex hormones and the 20-year risk of
lower urinary tract symptoms in community-dwelling older men.
Trifiro MD,
Parsons JK, Palazzi-Churas K, Bergstrom J, Lakin C, Barrett-Connor
E.
Division of Urologic Oncology, Moores UCSD Cancer Center, San Diego, CA,
USA.【 目的 】
高齢の地域住民男性集団において、性ホルモン濃度とその後の長期的下部尿路症状(LUTS)リスクの関連を調査した。
【 方法 】
1984から1987の間にRancho
Bernardo
Study(前向きの地域住民調査)の参加者の血清性ホルモン濃度を測定した。2006年に生存者に米国泌尿器学会症状スコア質問票(AUA-SI)を送付した。
AUA-SIとベースラインの性ホルモン濃度の関連性をロジスティック回帰分析した。米国泌尿器科学会の良性前立腺肥大症の症状スコア
最近約1カ月間にわたり下記の症状がありましたか
Q.排尿後に尿が残っている感じが何回ありましたか。
Q.排尿後2時間以内にもう1度排尿しなくてはならないことが何回ありましたか。
Q.排尿中,数回にわたって尿が止まり,再び出ることが何回ありましたか。
Q.排尿を我慢することが難しいことが何回ありましたか。
Q.尿の勢いが弱いことが何回ありましたか。
Q.排尿開始時にいきんだり,努力しなくてはならないことは何回ありましたか。
以上の項目下記のように評価
全くなし
:0、 5回に1回未満 :1、 全回数の50%未満 :2、 全回数の約50%
:3、 全回数の50%超 :4、 ほとんど常に
:5
Q.夜就寝してから朝起床するまでの間に普通何回トイレに起きますか。
なし(0)、 1回(1)、 2回(2)、
3回(3)、4回(4)、5回以上(5)
米国泌尿器科学会の症状スコア=合計【 結果 】
・完全な回答得たのは158例、ベースラインの性ホルモン測定時の平均年齢(sd)は58(6.6)歳、平均フォローアップ期間(sd)は20.3
(0.6)年である。
・年齢調整ロジスティック回帰分析において、テストステロンおよびDHTとLUTSの間に逆向きの関連性が認められた(P =
0.05)。.
・生物学テストステロンの高い男性は性腺機能低下レベルの男性に比してLUTSのリスクが56%減少していた、しかしこの関連性は有意ではなかった(オッズ比
0.44, 95% CI
0.14-1.40)。
【 結論 】
この集団において、中年期のテストステロン、DHTおよび生物学的テストステロンが高い男性はLUTSの20年間のリスクが減少している。
このデータはテストステロンとLUTSとの逆相関を報告している他の研究を支持するものである。
テストステロン療法の臨床試験にLUTSおよびBPHの改善が含まれるべきである。
PMID:
20002438勃起不全におけるテストステロンの役割
Nat Rev Urol. 2009 Dec 8.
The role of testosterone in
erectile dysfunction.
Corona G, Maggi M.
Sexual Medicine & Andrology
Unit, Department of Clinical Physiopathology, University of Florence,
Italy.勃起不全(ED)は勃起に関連した身体的疾患、ストレスへの反応および関係性の困難さを含む臨床的因子の連続的スペクトルの結果として起きる臨床的異常である。
テストステロンはEDのこれらの原因に関連しているが、EDの治療におけるテストステロンの有用性は完全には明らかではない。
男性の性的反応におけるテストステロンの主な生理学的な作用は性欲に関連した勃起過程のタイミングを調整する事であり、それゆえセックスにともなう陰茎勃起を調整している。
ED、性腺機能低下症およびメタボリックシンドロームおよび2型糖尿病のような潜在する疾患との関連性は今日よく実証されている。
潜在疾患の認識は健康に関連したライフスタイルの改善のための、EDを有する男性の動機付けに有用である。
それゆえ、EDを有する男性は「ラッキー」と考えられる。なぜなら、潜在疾患を検出すための医学的検査機会が得られるからである。
EDおよび性腺機能低下症は治療可能な疾患である。テストステロン製剤の範囲はサプリメントとして利用可能であり、ある場合にはPDE5阻害剤との併用が有用である。
PMID:
19997070続きを読む
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2009年07月30日
■ 目的
多くの研究が抑うつ患者におけるテストステロン補充療法(TRT)の抗うつ効果を示唆している。 論文のシステマティック・レビューおよびメタ解析により抑うつに対するTRTの効果を探索した。■ 方法
MEDLINE, Clinical Trials Registry, および Cochrane Central (英語版)にて抑うつ患者の無作為、プラセボ比較試験の調査を行った。 調査において見出された総説の個々の論文リストより付加的調査を行った。
DSMの基準に従って抑うつ異常と診断された患者におけるTRTおよびプラセボの比較試験のオリジナルなデータが報告されていればこのレビューおよびメタ解析の選択されるものと判断した。 治療に対する反応は抑うつに対するハミルトン評価スケール(HAM-D)の変化にしたげって評価した。
同定された研究のソースから総および各群の患者数、年齢、性腺機能低下症あるいはHIV/AIDSと診断された患者数、研究期間、介入のタイプ、およびHAM-Dスコアの変化に関するデータを抽出した。
メタ解析は用いたプラセボ比較のRCTにおけるHAM-Dスコアの変化によって測定された抑うつ患者に対するTRTの効果を評価した。■ 結果
・ 7つの試験(N=364) が二重盲検によるプラセボ比較試験であった。 選択基準は全ての試験で明確にされている。・ プラセボに比した場合、これら7つの試験から抽出したデータのメタ解析は抑うつ患者のHAM-D反応に対するTRTの有意な正の効果を示した(z=4.04, P<0.0001)。
・ サブ群解析は性腺機能低下症(z=3.84, P=0.0001)およびHIV/AIDS(z=3.33, P=0.0009)のサブ集団においても有意な効果を示した。
■ 結論
TRTは抑うつ患者において抗うつ効果を示すと思われる。 特に高齢の性腺機能低下あるいはHIV/AIDS患者において有効である。 TRTの投与経路は治療に対する反応において重要である。■ 原著
J Psychiatr Pract. 2009 Jul;15(4):289-305.
Testosterone and depression: systematic review and meta-analysis.
Zarrouf FA, Artz S, Griffith J, Sirbu C, Kommor M.続きを読む
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アンドロテスト: 性機能障害をともなう男性における性腺機能低下症の問診票の検討
2009年04月16日
【目的】
性機能障害患者における低テストステロン症(総テストステロン< 300 ng/dL)として定義される性腺機能低下症の検出に有用なスコア化された簡便で体系的な質問表の作成を行った。【方法】
最低限の項目が多項目の体系的質問表から、215例のサンプル集団における、性腺機能低下症に対する感度と特異性のROC分析により確認された。【測定項目】
感度と特異性は664例の患者で検証された。PSA、睾丸容積、およびその他の臨床的および心理的パラメーターとテスト・スコアの相関性が妥当性の指標として検討された。【結果】
- 最終的な12項目版( ANDROTEST)のROC分析
閾値をスコア8とした時、低TT(<10.4 nmol/L)に対して感度は76%、特異性は66%、低FT (<37 pmol/L)に対しては感度71%、特異度65%であった。 - アンドロテストスコアとテスステロン値の関係
スコアと総および遊離テスステロン値との間に有意な相関が認められた。 (a)総テストステロン r=-0.336, p<0.0001 (b)遊離テストステロン r=-0.402, p<0.0001
- 病的な患者(例、スコア>8)は性腺機能低下関連徴候(低睾丸容積、高いうつ症状)の頻度が高かった。
- 病的なスコア>8とは性腺機能低下関連徴候の関係
スコア>8では低睾丸容積、高いうつ症状の頻度が高かった。
アンドロテスト (ANDROTEST) とは
性腺機能低下症(性機能障害患者で総テストステロン 300ng/dL以下)のスクリーニングのための質問表。3カ月に1回以上の性交のある患者に適用できる。
質問表は12項目からなる。質問者は正確な言葉を用い、太字で書かれた質問表で尋ねるべきである。もし必要ならば、患者の回答をはっきりさせるため、通常の字体で書かれた質問表を使用する。患者は各項目ごとに彼自身が用いる言葉で自由に回答できるようにする。
各項目ごとに、詳細な説明に続き、患者の回答を質問者が0-3のスケールでコード化する。項目のいくつかはイエス/ノーの形式である。
質問の順序の変更は患者の回答を変化させる可能性があり、示された質問の順序は守らなければならない。- ①年齢
「何歳ですか?」と尋ねた後、訪問時の患者の年齢を累進スコアでランクする。
- 0点: 40歳未満 1点: 40-49歳 2点: 50-59歳 3点: 60歳以上
- ②性的成熟(思春期)に達したのはいつか?
何歳であなたは性的成熟に達しましたか?
スクールメイトと同じ時期に思春期を経験しましたか?
スクールメイトと同じように陰毛や性器の成熟に気付きましたか?- スクールメイトと同時期、あるいはそれ以前に性的成熟があれば、ランク0で、
思春期が遅れていれば、同3となる。 - 0点: 9-14歳(正常) 3点: 14歳以降(遅延)
- ③下垂体疾患の病歴があるか?
下垂体疾患の手術を受けた事がありますか?
下垂体疾患の薬物療法を行った事がありますか?
- 下垂体疾患の病歴がなければ0、
- 病歴があれば30点
- ④睾丸停留テストの診断の有無
睾丸停留の手術を受けた事がありますか?
睾丸停留の薬物療法を行った事がありますか?
- 睾丸停留(片側でも)の病歴がなければスコアは0、病歴があれば3。
- 0点: いいえ 3点: はい
- ⑤性交中の出来事について
過去3カ月間の問題点について。勃起しなかった事はどの位の頻度ですか?
(時々は25%未満、かなり頻繁には25-49%、度々は50-74%、何時もは75%以上。)
- 0点: ときどき 1点: かなり頻繁に 2点: たびたび 3点: いつも
- ⑥勃起で目覚めた事はあるか?
過去3カ月間にどれくらいの頻度でありますか?以前と同様の頻度で自発的夜間/早朝勃起があればランク0、
夜間/早朝勃起はあるが以前に比べると、過去3カ月はいくらか少ない場合は1、
少なくとも50%は少ない場合は2、
夜間/早朝勃起がない場合は3。0点: はい、規則的にある。
1点: 過去に比べると少ない。
2点: 時々あるだけ。
3点: ない。
- ⑦過去3カ月間の自慰(マスターベーション)の頻度は?
- 0点: 8回/月以上 1点: 3-7回/月 2点: 1-2回/月 3点: なし
- 「なし」と回答した場合に質問8.は適用せず、質問8.に対するランクを1として、質問9.へ続く。
- ⑧自慰中、どのように感じるか?
上記の質問の後、以下のスコアでランクする。0点: 良い感じ(well)。
1点: 少し罪悪感を感じる。
2点: 大きな罪悪感を感じる。
3点: 非常に大きな罪悪感を感じる。
- ⑨過去3カ月間、セックスに対する欲求が大きくなったか、小さくなったか?
過去に比して欲求が増加したか、減少したか? - 欲求が変わらなかったか増加した場合はランク0、
- 減少した場合は1。0点欲求が不変または増加した。
- 1点: 欲求が減少した。
- ⑩射精量の減少に気づいたか?
射精量の変化に気付かなかった場合はランク0、
僅かに減少したと感じた場合は1、
著明に減少した場合は2、
射精が起きなかった場合は3。 - 0点: 不変 1点: わずかに減少した
- 2点: 著明に減少した 3点: 射精が生じない
- ⑪●過去3カ月間において、性交中に射精あるいはクライマックスに達するのが困難であったか?
射精に困難さがなかった、あるいはまれなケースとしてパートナーなしで自慰によってのみ射精およびクライマックスが得られる場合は0、
射精あるいはクライマックスは可能であるが、大きな努力および長時間の性交が必要、あるいは性交中ではなくパートナーの存在下で自慰によってのみ可能な場合は1。 - ●挿入あるいはパートナーの手あるいは口での刺激による性交中に射精することが出来ましたか?
- 0点: いいえ 1点: はい
- ⑫体重と身長は?
体重と身長を質問後、次の計算式によってBMIを算出し、スコアをつける。BMI=体重[kg]/身長の二乗[m2]0点: 25 kg/㎡未満
1点: 25-29.9 kg/㎡
2点: 30-34.9 kg/㎡
3点: 35 kg/㎡以上
【原著】
Corona G,etal:J Sex Med. 2006 Jul;3(4):706-15.
Andrology Unit, Department of Clinical Physiopathology, University of Florence, Florence, Italy.
ANDROTEST: a structured interview for the screening of hypogonadism in patients with sexual dysfunction.【弊社コメント】
性腺機能低下症であることを確認するためには、採血して血中のテストステロン(男性ホルモン)レベルを測定しなくてはなりませんが、採血検査の要否を問診であらかじめ判断するのに有用と思われます。泌
尿器科の専門医であれば、テストステロン値の採血検査をためらう事はないと思われますが、むしろ専門医でない医師が患者様の主訴から性腺機能低下症を疑う
場合や、自分自身の症状から性腺機能低下症を心配している患者様が自己判断する目安として、この問診票が利用できるかも知れません。(福)続きを読む
- 最終的な12項目版( ANDROTEST)のROC分析