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■ 要旨
テストステロン療法(TT)の開始と血栓(~4.5months)および心血管(CVD)イベント(~3months)の発症までの期間は類似しており、病態生理学的に同様の基盤があると推定される。
我々は男性38例および女性4例においてテストステロン療法開始5カ月後(中央値)に発症した血栓イベントを報告した。 このうち27例は深部静脈血栓-肺塞栓症、12例は骨壊死、1例は中心網脈血栓症、1例は一過性黒内障および1例は脊椎梗塞を呈した。
テストステロン療法を続行した8例の男性において、適正な抗凝固療法にも拘らず2回目の血栓イベントを発症し、うち3例では3回目の血栓イベントを発症した。
これら42例中40例は血栓形成素因-線溶系低下の測定がなされ、39例はテストステロン療法開始前に診断がなされていなかった。
テストステロン療法を開始する前、特に血栓イベントの病歴のある男性では最低限、第5因子ライデンおよびプロスロンビン変異、第8および11因子およびホモステインを測定する事を提案する。
血栓症の病歴あるいは遺伝性の血栓形成傾向の全患者に対してテストステロン療法のスクリーニングがなされるべきか否かに関して焦点を当てたプロスペクチブなデータが必要である。
テストステロン療法および全原因および心血管死亡および死亡率および血栓症についての疑問を解決するため、WHI研究のような長期的、前向きの無作為盲検化試験が必要とされる。
前向きのプラセボー比較のテストステロン療法の結果が出るまで、テストステロン療法は厳密にアンドロゲン欠乏症が確認された男性に制限されるべきである。■ 原著
Metabolism. 2014 May 15. pii: S0026-0495(14)00145-0.
Testosterone therapy, thrombosis, thrombophilia, cardiovascular events.
Glueck CJ, Wang P続きを読む
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2月14日(金)午後~15(土)の記録的な降雪にともない、弊社甲府工場(画像参照・2/17撮影)は操業困難な状況が続いておりましたが、2月21日(金)より平常の操業に戻っております。また、物流が滞っていたことから、21日(金)までの間は工場からの出荷を都内の本社経由で対応しておりましたが、25日(火)までに復旧する見通しです。
そのため、次週・2月24日(月)より通常対応とさせていただきますが、平時に対する1~2日の遅配をお含み置き戴きたく、何卒お願い申し上げます。
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このたび辻村 晃先生(大阪大学医学部 泌尿器科 准教授)にご監修いただき、LOH症候群へのご理解と啓蒙をめざして表題の小冊子を作成いたしました。
入手ご希望の方は、「LOH小冊子希望」と記載のうえ、お名前・ご住所・年齢を明記して、弊社宛にメールでお申込み下さいませ。ご示しいただきましたお名前・ご住所宛に郵送させていただきます。
お葉書でのお申込みをご希望の際も、弊社・甲府工場宛に下記をご記入のうえ、お送りくださいませ。
- お名前
- ご住所
- 年齢
- 件名: LOH小冊子希望
- その他 (ご質問・ご要望など)
〒400-0811 山梨県甲府市川田町アリア207
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ビタミンD補充後のテストステロンの上昇およびテストステロンの補充後に血清25(OH)Dの上昇は認められななかった
【 目的・方法 】
断面調査研究では血清ビタミンD [25(OH)D] とテストスロンの間に正の関連性が認められている。ここに因果関係があるか否かは分かっていない。体重減少、インスリン感受性およびうつスコアをエンドポイントとしたTromsoにおいて行われた3つのビタミンDの無作為化臨床試験(RCT)および体組成をエンドポイントとした低テストステロン(11.0nmol/l以下)患者における1つのテストステロンのRCTをプールし、検討した。
血清25(OH)Dおよびアンドロゲンを断面調査部分では893例の男性で測定し、ビタミンDのRCT(n=282)ではビタミンD20,000IU~40,000IU投与の開始時および6~12週後に、テストステロンのRCT(n=37)でテストステロン・アンデカノエイト1000㎎あるいはプラセボ投与(開始時、6、16、28および40週後に注射)の開始時および1年後に測定した。【 結果 】
- 断面調査において、25(OH)Dはテストステロンの有意かつポジチブな予測因子であった。
- ビタミンDのRCTにおいて、総および遊離テストステロンに対する有意な影響は見られなかった。またテストステロンのRCTにおいて25(OH)Dに対する有意な影響はみられなかった。この結果は低25(OH)D(あるいはテストステロン)を対象としたサブ解析でも変わらなかった。
【 結論 】
ビタミンD欠乏症のない男性において高用量のビタミンD補充後にテストステロンの上昇は認められなかった。同様に中等度の低テストステロン男性においてテストステロンの補充は血清25(OH)Dを上げなかった。【 原著 】
Metab Res. 2013 May 17.
Supplementation with Vitamin D Does not Increase Serum Testosterone Levels in Healthy Males.
Jorde R, Grimnes G, Hutchinson MS, Kjærgaard M, Kamycheva E, Svartberg J.
Department of Clinical Medicine, Tromsø Endocrine Research Group, University of Tromsø, Tromsø, Norway.【 弊社コメント 】
ビタミンDとテストステロンの関係については、これまで下記の論文から、両者の併用効果を期待していましたが、今回の報告では残念な結果となりました(野)。- 男性においてビタミンDとアンドロゲンは関連する
- ビタミンDはテストステロン・レベルを上げる
- ビタミンDとテストステロンはポジティブに関連する
- ビタミンDと生殖能に関するレビュー
- 遊離テストステロンおよびビタミンD両者の低下が致死的なイベントと関連する
- ビタミンDと性ホルモンおよび男性生殖能の関係
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【 目的 】
前立腺癌を発症した男性のテストステロン補充療法の使用状況およびその影響を調査した。【 方法 】
Surveillance, Epidemiology, and End Results-Medicareデータにリンクし、1992~2007年に前立腺癌と診断された149,354例の男性を同定した。このうち 2,237例(1.5%) が前立腺癌の診断前にテストステロン補充療法を行っていた。傾向スコア法を用いテストステロン補充療法 vs 非補充療法の癌の転帰を評価した。【 結果 】
- テストステロン補充は癌診断時の高齢、非白人および多数の合併症の存在と関連していた(P <.001)。
- 前立腺癌診断前の非テストステロンvsテストステロンは腫瘍のグレード(34% vs 30%, P <.0001) および T4(6.5% vs 4.3%, P <.0001)に有意差が認められた。
- 死亡率は前立腺癌診断前年の≧2 PSAの男性で低かった。
- 全体の生存率、癌患者の生存率、あるいはアンドロゲン枯渇療法の使用は群間で有意差がなかった。
【 結論 】
この観察研究期間にけるテストステロンの使用頻度は低かった。テストステロンは悪性前立腺癌とは関連がなく、全体あるいは疾患特異的死亡率に影響していなかった。この結果はテストステロン補充が前立腺癌に関して安全である事を示すが、確定するための前向きの研究が必要である。【 原著 】
Urology. 2013 May 24.
Use of Testosterone Replacement Therapy in the United States and Its Effect on Subsequent Prostate Cancer Outcomes.
Kaplan AL, Hu JC.
Department of Urology, David Geffen School of Medicine, University of California, Los Angeles, Los Angeles, CA.【 弊社コメント 】
「傾向スコア」は、実験ができない場合(調査観察データなど)における交絡の調整方法です。潜在的な交絡要因となる様々な共変量を傾向スコアという一つの合成変数に縮約(一次元化)して、その傾向スコアを基準としてマッチングや層別化を行います。近年医療分野を中心にとても使われてきています(野)。続きを読む
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ラット前立腺は血清テストステロンの低下に対して組織濃度を機能的レベルに維持するように働く
【 目的 】
前立腺癌(PC)は加齢およびアンドロゲン依存性疾患である。加齢に伴うアンドロゲンレベルの低下とは逆説的に、PCのリスクは上昇する。全身性のアンドロゲンレベルとPCリスクの間に相関性はないが、全身性のアンドロゲンレベルは前立腺組織のアンドロゲンレベルを反映していない。転移性PCにおいて、ホルモン療法中のアンドロゲン生合成経路の変化は癌組織のアンドロゲンレベルを高め、アンドロゲン受容体(AR)シグナリングの持続の原因となっている。加齢に伴うアンドロゲンの低下と共に正常前立腺組織において同様の変化がおき腫瘍発生の原因となっている可能性がある。
ラット前立腺が血清テストステロン(T)の低下にも関わらず組織濃度を機能的レベルに維持するか否かを検討した。【 方法 】
ラットを去勢し、Tを去勢レベル、正常レベル、正常下限レベルおよび非生理的レベルに維持するカプセルを移植した。6週後にLC-MS/MSにて血清および前立腺のTおよびDHTを測定した。QRT-PCRにてアンドロゲン/ARシグナリングに関連する遺伝子の発現を測定した。【 結果 】
- 有意に差異がある血清TおよびDHTレベルいにも関わらず、各群の前立腺のTおよびDHT濃度は同様であった。
- 前立腺のアンドロゲン調整遺伝子の発現は全群で同様であり、ラット前立腺は、血清Tの低下にも拘らず機能的レベルのアンドロゲンを維持していた。
【 結論 】
テストステロンの低下はアンドロゲン生合成遺伝子の発現を有意に変えた。【 原著 】
J Mol Endocrinol. 2013 May 24.
Low systemic testosterone levels induce androgen maintenance in benign rat prostate tissue.
Zhou Y, Otto-Duessel M, He M, Markel S, Synold T, Jones JO.
Y Zhou, Molecular Pharmacology, City of Hope Beckman Research Institute, Duarte, United States.【 弊社コメント 】
以前から言われていたと思いますが、アンドロゲン(男性ホルモン)のレベルは血清と前立腺組織では異なる事に加え、血清レベルが低下すれば前立腺組織だけはそれを維持しようと反応するという現象です。生殖能を維持しようとする仕組みかもしれません(野)。古来より前立腺癌に対するテストステロン悪玉説が指摘されて来ましたが、皮肉なことに、研究が進むほど「テストステロンの欠乏が前立腺癌の発症リスクにつながる」という機序が示唆されつつあります。
テストステロンが多過ぎても、少な過ぎても、様々な健康リスクになることが判りつつあります。 そして、加齢で少な過ぎる分は、健康的な生活習慣(適度な食事と運動、睡眠)をベースに、それでも不足し過ぎない程度のテストステロンを少しずつ補充するのが最善と思うのです(福)。続きを読む
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不妊男性において、血清亜鉛、セレニウムおよびテストステロンの間に関係が認められる
【 目的・方法 】
近年、男性の不妊が増加しているが、原因は多くの因子が関与している。亜鉛およびセレニウム等のいくつかの微量元素が生殖に関与している事が観察されている。
Nnewiの不妊クリニックを受診している男性不妊患者における血清亜鉛、セレニウムおよびテストステロンを測定した。対象は年齢25歳から55歳の男性不妊患者50例および対照として正常な健康男性20例である。亜鉛およびセレニウムは原子吸光法にて、テストステロンは酵素免疫法にて測定した。【 結果 】
- 2群間で平均亜鉛、セレニウムおよびテストステロンに有意な差異が認められた。
- 不妊男性患者において、亜鉛とセレニウムの間に強い正相関が、テストステロンと亜鉛の間に強い負の相関が、およびテストステロンとセレニウムの間に強い正相関が認められた。
【 結論 】
不妊男性において、血清亜鉛、セレニウムおよびテストステロンの間に関係が認められる。不妊男性の治療にあたってはこれらのパラメータの検討が必要である。【 原著 】
Afr J Med Med Sci. 2012 Dec;41 Suppl:51-4.
Relationship between serum levels of testosterone, zinc and selenium in infertile males attending fertility clinic in Nnewi, south east Nigeria.
Oluboyo AO, Adijeh RU, Onyenekwe CC, Oluboyo BO, Mbaeri TC, Odiegwu CN, Chukwuma GO, Onwuasoanya UF.
Department of Medical Laboratory Science, Faculty of Health Sciences and Technology, College of Medicine, Nnamdi Azikiwe University, Nnewi Campus, Anambra State, Nigeria.続きを読む
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勃起不全強度に対するエストラジオールの上昇と低テストステロンの関連
【 目的 】
勃起不全(ED)強度に対するエストラジオール(E2)の上昇と低テストステロン(T)の間の関連の影響を調査した。【 方法 】
EDおよび正常、あるいはE2が上昇あるいは正常で低Tの男性614例を対象とした。 通常の検査に加え、総T、総E2、FSH、LHおよびプロラクチンの検査を行った。 正常Tかつ正常E2、低T、低TかつE2上昇およびE2上昇の4群間でIIEFスコアのQ3(勃起の到達)およびQ4(勃起の維持)ドメインを比較した。【 結果 】
- 449(73.1%)例が正常Tかつ正常E2、110(17.9%)例が低T、36(5.9%)例が低TかつE2上昇および19(3.1%)例がE2上昇であった。
- ED強度の上昇は低T、E2の上昇、低TかつE2上昇と有意に関連していた。
- Q3およびQ4ドメインの平均は低TかつE2上昇群で、全ての単独群に比して有意に低かった。
【 結論 】
低Tが勃起不全に対して基本的に影響しているが、E2上昇の併発が付加的障害作用を有している。【 原著 】
Asian J Androl. 2013 May 6.
Impact of the association between elevated oestradiol and low testosterone levels on erectile dysfunction severity.
El-Sakka AI.【 弊社コメント 】
EDとE2(エストラジオール)の関連性については、これまであまり論じられていないと思います (野)。続きを読む