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更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

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  • テストステロンおよびSHBGとメタボリックシンドロームとの関連性に関する性差

    2012年11月29日


    【 目的 】
    テストステロンおよびSHBGとメタボリック・シンドローム(MS)の性依存性の関連性を検討した。

    【 方法 】
    年齢45~74歳(中央値63.7歳)の地域在住成人9424例を対象に横断的調査を行った。MSの判定はNCEP‐ATP IIIの最新版に従った。総テストステロン(TT)およびSHBGは化学発光微粒子免疫法により測定し、遊離テストステロン(FT)は計算により求めた。

    【 結果 】

    • 多変量解析において、TTは男性のMSと負に関連していたが(各標準偏差上昇毎のOR, 0.70; 95% CI, 0.65-0.76)、女性ではポジティブに関連していた (OR, 1.17; 95% CI, 1.10-1.24)。
    • FTは女性においてのみMSとポジティブに関連していた(OR, 1.39; 95% CI, 1.30-1.49)。
    • しかし、SHBGは男性および女性ともにMSとネガティブに関連していた(男性:OR, 0.57; 95% CI, 0.52-0.61、女性:OR, 0.61; 95% CI, 0.57-0.66)。

    【 結論 】
    高TTは男性ではMS発現率の低下と、女性ではMS発現率の上昇と関連していた。高SHBGは男女ともにMSの低下と関連していた。この結果は内因性テストステロンおよびSHBGとMSとの関連性に性差がある事を示している。

    【 原著 】
    Circ J. 2012 Nov 27.
    Sex Differences in the Associations of Testosterone and Sex Hormone-Binding Globulin With Metabolic Syndrome in Middle-Aged and Elderly Koreans.
    Kweon SS, Shin MH, Nam HS, Jeong SK, Park KS, Choi JS, Lee YH.
    Department of Preventive Medicine, Chonnam National University Medical School.

    【 弊社コメント 】
    性差に関してはこれまでも報告されています。男性でMSに対してFTよりもTTが関連するという結果も最近の日本性機能学会、日本メンズヘルス学会での報告と同じで、LOHの診断は別としてTT測定の意義が浮かんできます。男性で高SHBGがどうしてMSの低下と関連するかは分かりません。(野)

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  • アンドロゲン受容体GGC繰り返し多型と前立腺肥大症および前立腺癌リスク

    2012年11月29日


    【 目的 】
    アンドロゲン受容体(AR)のGGC繰り返し多型はアンドロゲン反応性遺伝子の転写活性に影響し、前立腺肥大症(BPH)および前立腺癌(PCa)のリスクを上げる。そこで、南ブラジルの男性集団におけるGGC繰り返し長、テストステロン・レベルおよびPCaおよびBPH発現リスクの間の関連性を検討した。

    【 方法 】
    PCa患者130例、BPH患者126例およびコントロール患者88例について検討した。DNAは白血球より抽出し、分画分析により解析した。ハザード比(HR)を測定した。

    【 結果 】

    • GGC平均長は3群間で差異がなかった。
    • GGC > 19の集団のPCa発現リスクはGGC ≤ 19群と比較したとき3.300 倍(95 %CI 1.385-7.874)高かった (p = 0.007)。
    • 総テストステロン<4 ng/mL群のPCaおよびBPH発現リスクは2.799倍 (95 % CI 1.362-5.754). (p = 0.005) および2.786倍 (95 % CI 1.470-5.280) (p = 0.002)高かった。
    • GGC > 19群の総テストステロンはGGC ≤ 19群より有意に低かった。

    【 結論 】
    アンドロゲン受容体のGGC繰り返し長の上昇はPCaおよびBPHリスクの上昇と関連し、低テストステロンもこれら疾患の発現リスクの上昇を示唆した。

    【 原著 】
    Mol Biol Rep. 2012 Nov 27.
    Androgen receptor GGC polymorphism and testosterone levels associated with high risk of prostate cancer and benign prostatic hyperplasia.
    Biolchi V, Neto BS, Pianta DB, Koff WJ, Berger M, Brum IS.
    Department of Physiology, Universidade Federal do Rio Grande do Sul, Porto Alegre/RS, Brazil

    【 弊社コメント 】
    疾病の有無の3群間で比較するとGGC繰り返し長に差がないが、GGC繰り返し長で分けてみるとPCaおよびBPHリスクに差があるという、一見しては理解しずらいところもあります。 テストステロン感受性の面からみれば理解できます。 これまでCGA多型について多数報告がありましたがGGC繰り返し長という切り口は初めてです。(野)

    低過ぎるテストステロン状態」が前立腺肥大症や前立腺癌のリスクを高める、という機序の一端が示されました。(福)

     

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  • 閉経女性の萎縮性腟炎に対する超低用量10μgエストラジオール腟錠

    2012年11月22日


    【 要 約 】
    閉経後のエストロゲン欠乏は泌尿器官の萎縮症状を招く。 症状としては腟の乾燥、腟および外陰部の刺激感、腟の痛み、排尿痛、腟の下垂、腟の臭い、腟の感染、再発性尿路感染、性交痛および性交にともなう出血がある。

    腟萎縮症状の頻度および影響にも関わらず、相談しないことが多く、従い治療されないケースが多い。 それゆえ閉経女性のケアには腟萎縮の診断および外陰・腟の健康度、セックスおよびQOLの問題にかかわる症状のを探る医師と患者との会話が必要である。

    超低用量 10μgエストラジオール腟錠の開発は、最少の有効なホルモン用量に関する監督機関および女性健康医学会の要望に沿ったものである。

    有効性および安全性、加えて極めて低い全身的吸収のため、年間のエストラジオール用量が 1.14㎎にすぎない 10μg腟錠は、ヘルスケア関係者および閉経女性に大きな安心感を与える事ができる。

    【 原 著 】
    Menopause Int. 2012 Mar;18(1):15-9.
    Treatment of postmenopausal vaginal atrophy with 10-μg estradiol vaginal tablets.
    Panay N, Maamari R.
    Queen Charlotte’s & Chelsea Hospital, & Westminster Hospitals, London, UK.

    【 弊社コメント 】
    年間 1.14㎎の算定は、使用回数が週2~3回にもとづいているようです(毎日なら3.65㎎)。(野)

    バストミンを臨床応用中の医師から、バストミンの塗布は週2~3回で良いというコメントをいただいています。 萎縮性腟炎に対する超低用量なエストロゲン補充は、バストミンでも塗布量を抑えながら塗布頻度を間引くことにより、本報のエストラジオール腟錠に近い考え方で出来ると考えております。(福)

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  • 腟内エストロゲン療法と血中濃度

    2012年11月22日


    【 背 景 】
    腟内エストラジオール(VE)は乳癌生存者における全身的エストロゲン療法の安全な代替療法として提案されている。

    【 方 法 】
    対象はエストロゲン受容体陽性乳癌あるいはハイリスク乳癌の閉経女性(n
    =
    24)で、アロマターゼ阻害剤(AI)あるいはSERMの投与を受け、萎縮性腟炎のため90日以上のVE(リングおよび錠)を使用していた。コントロールとしてAIの投与のみの24例。
    採血はVEリング患者では新しいリング装着前および装着30日および60日後に、VE錠患者では挿入前の朝および挿入12時間後に、コントロール患者では1回のみ行った。血清E2はエーテル抽出後高感度RIAにて測定した。

    【 結 果 】

    • 平均E2はコントロール群で 3.72pmol/L (range, < 3.0-7.7 pmol/L)、VEリング群の装着前および装着12週後のE2はコントロールより有意に高かった(各P
      < .001 )。
    • VE錠群の挿入前E2はコントロール群と差異がなく、挿入後は 76pmol/Lで挿入前より有意に高かった(P <
      .001)。

    【 結 論 】
    VE療法はE2レベルを上げる。VE錠使用患者の挿入前のE2はコントロールと比較して上昇がみられず、VE錠によるE2の上昇は持続的ではないことが示唆された。 VE療法は剤型に限らず血清E2を上昇する、したがい使用には注意が必要である。

    【 原 著 】
    J Oncol Pract. 2012 May;8(3):144-8. Epub 2012 Feb 7.
    Effects of vaginal
    estrogens on serum estradiol levels in postmenopausal breast cancer
    survivors and women at risk of breast cancer taking an aromatase inhibitor
    or a selective estrogen receptor modulator
    .

    Wills S, Ravipati A,
    Venuturumilli P, Kresge C, Folkerd E, Dowsett M, Hayes DF, Decker
    DA.
    William Beaumont Hospital, Royal Oak; University of Michigan
    Comprehensive Cancer Center, London, United Kingdom.

    【 コメント 】
    使用24時間後には有意な上昇が認められない点が、バストミンと同様です。(野)

    エストロゲン受容体陽性の乳癌の人に対するエストロゲンは絶対禁忌で、癌の進行や再発を防止する観点から抗エストロゲン剤の投与などで徹底的にエストロゲンを排除することになります。 しかしながら、エストロゲンの欠乏による萎縮性腟炎などQOLの低下が避けられません。 そこで、腟内に局所的なエストロゲン補充をする程度であれば、全身的なエストロゲン投与を避けながら萎縮性腟炎に対処できると考えたようですが、短時間とはいえ全身的なエストロゲンの上昇が見られたので、乳癌の進行や再発に対する注意が必要、という話と思われます。(福)

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  • 性機能障害に対するヨヒンビンを含む補完代替医療(CAM)の有効性に関するレビュー

    2012年11月21日


    【 目的・方法 】
    性機能障害(SD)あるいは勃起不全(ED)の高齢男性はしばしば補完代替医療(CAM)を用いる。このレビューはCAMの有効性に対するエビデンスの評価を厳密に行った。
    全ての関連性のあるシステマティック・レビュー(SR)を見出すため6つの電子データベースを調査した。方法論的質はOxman scoreを用いて独立した2人のレビュアーにより評価した。

    【 結 果 】

    • 4つのSRが基準に合致していた。鍼治療、チョウセン人参、マカおよびヨヒンビンである。
    • 全SRの方法論的質は “good” である。しかし、ベースの研究はバイアスのリスクが無視できない程度にある。
    • 結論としてEDの治療オプションにヨヒンビンおよび朝鮮人参が取り上げられている。
    • 鍼治療およびマカはEDおよびSDに対するエビデンスが不十分である。

    【 結 論 】
    若干の強いエビデンスはあるがSDおよびEDに対するCAMの価値を確立するため、多くの質の高い研究が必要である。

    【 原 著 】
    Maturitas. 2011 Sep;70(1):37-41. Epub 2011 Jul 22.
    Complementary and alternative medicine (CAM) for sexual dysfunction and erectile dysfunction in older men and women: an overview of systematic reviews.
    Ernst E, Posadzki P, Lee MS.
    Complementary Medicine, Peninsula Medical School, University of Exeter, Exeter, UK

    【 弊社コメント 】
    著者のErnst Eは、ヨヒンビンのシステマティック・レビューを行った人です。原著での確認が必要ですが、ヨヒンビンに関して新たなデータはないと思われます。 ヨヒンビンの位置づけが補完代替医療(CAM)になっています。(野)

    補完代替医療の社会的背景は、公的医療費の削減にあると思いますが、欧米でヨヒンビンが根拠のある補完代替医療の選択肢として認められることは、本邦におけるヨヒンビン製剤がOTC(市販薬)としてED治療の選択肢である現状を支持すると考えます。(福)

    (さらに…)

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  • ヨヒンビンは2型糖尿病モデルGKラットの膵島血流量を正常化する

    2012年11月21日


    【 目的・方法 】
    α2Aアドレノ受容体の過剰発現がGKラットの2型糖尿病の原因となっている。 α2受容体の阻害がランゲルハンス島の血流量に影響するか否かを検討した。
    麻酔GKおよびウィスターF(WF)ラットにα2Aアドレノ受容体拮抗剤ヨヒンビンを 2.5mg/kg 静脈内に投与し、膵島血流量および血糖レベルを測定した。

    【 結 果 】

    • GKラットはWFラットより血糖値およびインスリン濃度が高かった。 ヨヒンビンはWFラットにおいてはこれらに影響しなかったが、GKラットにおいては血糖値を下げインスリン濃度を上昇した。
    • 全膵臓および膵島血流量はGKラットにおいてWFラットに比して上昇していた。 ヨヒンビンはWFラットの血流量には影響しなかったが、GKラットの膵島血流量をWFラットのレベルに減少した。

    【 結 論 】
    α2アドレノ受容体の過剰発現がGKラットの血流量上昇の原因となっている可能性がある。 薬理学的に治療の標的となりうる。

    【 原 著 】
    Horm Metab Res. 2012 Sep 26.
    The α2-Adrenoceptor Antagonist Yohimbine Normalizes Increased Islet Blood  Flow in GK Rats: A Model of Type 2 Diabetes.
    Sandberg M, Pettersson U, Henriksnas J, Jansson L.
    Department of Medical cell Biology, Uppsala University, Uppsala, Sweden.

    【 弊社コメント 】
    ヨヒンビンに新たな可能性があるかもしれません。(野)

    GKラットは2型糖尿病モデルのラットですが、2型糖尿病の原因と言われるα2受容体の異常発現を、α2ブロッカーであるヨヒンビンで阻害することにより、2型糖尿病であるGKラットの血糖値を下げたとのことです。 2型糖尿病に合併したEDの男性には、ヨヒンビン製剤に血糖値低下の副効用があるかも知れません。
    ただし、本報の「2.5mg/kg 静脈内に投与」というのは、体重60kgの人であれば、実にヨヒンビン 150mg(弊社製品「ガラナポーン」30錠分相当)を血中に直接投与するわけで、人であれば極めて危険ですし、そもそもヨヒンビンは2相性の作用があり、低用量と高用量では作用が異なるという指摘もありますので、検証・確認すべき課題は多々あります。(福)

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