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2型糖尿病男性の性機能およびQOLに対するテストステロン補充療法

2013年04月25日


【 目 的 】
2型糖尿病男性では性機能障害、特に勃起不全(ED)が多く認められる。性腺機能低下症の発現率も糖尿病男性では高く、低テストステロンが性機能障害と関連し、EDに対する経口療法の反応性を減じている。
長時間作用型テストステロンアンデカノエイト(TU)によるテストステロン補充療法の性機能、ムードおよびQOLに対する効果をプラセボと比較検討した。試験は30週間にわたって行い、さらに52週オープンラベルにてフォローした。

【 方 法 】
対象として一般診療所の総テストステロン12nmol/L以下または遊離テストステロン250pmol/L以下の男性糖尿病患者211例をスリーニングした。 2型糖尿病および性腺機能低下男性199例にてニ重盲検プラセボ比較試験を行い、TU1000mgまたはプラセボを30週間投与し、さらに52週オープンラベルにてフォローした。
一次評価項目としてIIEFによる性機能の調査を行い、二次評価項目としてAMS、Hospital
Anxiety and Depression Scale、 および Global Efficacy Questionを用い、ムードおよび自己報告QOLの調査を行った。

【 結 果 】

  • テストステロン補充療法は6週後より有用性が認められ、30週後の評価で性機能の全ドメインを改善した(勃起機能, P=0.005; 性交満足度, P=0.015; 性欲, P=0.001; 全体的満足度, P=0.05; およびオーガズム, P=0.04)。
  • AMSスコアの改善は抑うつのない男性有意であり(P=0.02)、ベースラインでの抑うつの存在は性機能および精神的スコアの反応の著明な減少と関連していた。
  • 性機能の全反応は18カ月まで有意にな改善が続き勃起機能スコアがベースラインより4.31改善した。
  • PDE5阻害剤使用の35例の小集団においてはニ重盲検フェースでは変化が認められなかったが、52週のオープンフェーズで勃起機能の改善が認められた。
  • 治療が健康を改善したと感じたのは30週後TU群48%に対してプラセボ群17%で、オープンラベルによる治療後は70%に達した。
  • 肥満が少ないおよび高齢の患者はテストステロン療法に対する反応が良好であった。
  • 有意な有害事象はなかった。

【 結 論 】
TUはIIEFの全ドメインおよび患者報告QOLを改善し、52週のオープンラベルでの延長後さらに有意に改善した。 改善は肥満の無い患者および抑うつのない患者で顕著であった。

【 原 著 】
J Sex Med. 2013 Apr 3. doi: 10.1111/jsm.12146.
Testosterone Replacement Therapy with Long-Acting Testosterone Undecanoate Improves Sexual Function and Quality-of-Life Parameters vs. Placebo in a Population of Men with Type 2 Diabetes.
Hackett G, Cole N, Bhartia M, Kennedy D, Raju J, Wilkinson P.
Good Hope Hospital, Sutton Coldfield, UK.

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