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更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

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Category:加齢とQOLの低下・生活習慣病

  • アンドロゲンレベルは自律神経活性と相関する

    2011年01月13日


    【 目 的 】
    性ステロイド・レベルと心拍数変動(HRV)の関係を調査した。

    【 方 法 】
    対象は心機能検査のため受診した男性114例(平均年齢(46.6±11.3)。 LH、総テストステロン(TT)、遊離テストステロン、エストラジオール(E2)およびDHEA-Sの測定を行った。 HRVは24時間ホルター心電計により測定した。 性ステロイド・レベルとHRVの関連性を3段階の年齢群別(20-39
    ; 40-59 ; >60 )に解析した。

    【 結 果 】

    • 被験者全員が正常な生化学的検査値あであり、3年齢群は同様な身体計測値であった。
    • 性ステロイドは、DHEA-Sのみが年齢群間で有意な差があり(p=0.026)、
      加齢とともに低下していた。
    • HRVの解析において、全副交感神経活性は年齢とともに低下したが ( HFn, pNN50, および rMSDD:
      p=0.001, p=0.000, and p=0.000 )、交感神経活性の中でLF/HFのみは年齢と共に上昇した(p=0.000)。
    • 年齢およびウェスト周囲径をコントロールした部分相関分析において、TTおよびDHEA-SはHFn(副交感神経因子)とポジティブに相関し、交感神経パラメータであるLF/HF24時間および総交感神経指数(GSI)とネガティブに相関した。
    • 血清E2は副交感神経パラメータrMSSDとネガティブに相関し、LF/HF24時間および総交感神経指数とポジティブに相関した。
    • 性ステロイドの中でDHEA-Sが最も自律神経機能パラメータと相関していた。

    【 結 論 】
    男性において、身体計測値とは独立して、アンドロゲンと副交感神経活性およびエストラジオールと交感神経活性はポジティブに相関していた。

    【 原 著 】
    Turk Kardiyol Dern Ars. 2010 Oct;38(7):459-65.
    The relationship between serum sex steroid levels and heart rate variability parameters in males and the effect of age.
    Doğru MT, Başar MM, Yuvanç E, Simşek V, Sahin O.
    Department of Cardiology, Medicine Faculty of Kırıkkale University, Kırıkkale, Turkey.

    【 弊社注釈 】
    心拍数変動
    糖尿病では自律神経の障害がよくみられることが知られており、下痢や便秘を繰り返す、立ちくらみが起きる、といったことが見られます。
    心臓は規則正しく脈を打っていますが、この心拍には健康な方でもゆらぎがあり、心拍数変動と呼びます。
    心拍数変動は自律神経の障害があると少なくなるため、心電図の検査を利用してこの心拍数変動を測定し自律神経の機能の障害を調べることが出来ます。 この検査がR-R間隔検査(心拍数変動検査)です。

    • MeanNN (NN間隔平均)

    テスト期間中の全拍動間隔値を平均したもの。 NN平均値は、1/1000秒単位で測定される。

    • SDNN (NN間隔標準偏差値)

    NN間の標準偏差であり、NN間隔の分散の平方根である。

    • RMS-SD (隣接NN間隔標準偏差)

    連続して隣接するNN間隔の標準偏差で、隣接NN間隔の分散の平均の平方根である。
    これは、短時間NN間隔記録における心拍の高周波帯における変動、つまり副交感神経系による心臓の調節機能を判断するものである。

    • pNN50 (隣接するNN間隔の差が50msを超える比率)
    • LF(低周波)

    0.004~0.15Hzの周波数帯のパワースペクトル。 この値は、交感神経と副交感神経の両方の活動を反映する。 これは、一般的に長時間記録における交感神経活動を示す強力な指標である。
    この周波数帯に対する副交感神経の影響は、呼吸数が1分間に9回(周波数0.15Hz)以下の深呼吸をしている間LFに現れる。

    • HF(高周波)

    0.15~0.4Hzの周波帯のパワースペクトル。 この値は、副交感神経(迷走神経)の活動を反映する。

    • LF/HF比

    LF(低周波)とHF(高周波)のパワーの比率。 この値は、交感神経と副交感神経の全体のバランスを表す。 数値が高いと交感神経優位を、低い場合は副交感神経優位を示す。

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  • 低テストステロン男性は耐糖能異常あるいは糖尿病のリスクが高い

    2011年01月13日


    【 背景・目的 】
    男性における研究は血清アンドロゲンおよびSHBG濃度と耐糖能障害、糖尿病およびメタボリック・シンドローム(MS)の存在との相関性を明らかにした。
    この研究はAsturias
    Studyのコホートにおける総テストステロン、SHBGおよび生物学的テストステロンの血清レベル、耐糖能の程度およびMSとの関連性を調査した。

    【 方 法 】
    対象は正常な総テストステロン・レベルにある年齢36-85歳の男性282例である。耐糖能の程度およびMSの有無を調査した。

    【 結 果 】

    • 血清テストステロンおよび生物学的テストステロンはネガティブに年齢、BMI、ウェスト周囲径、血糖、糖化ヘモグロビンおよびインスリンと相関していた。
    • 耐糖能異常あるいは糖尿病の男性の総テストステロン、生物学的テストステロンおよびSHBGは正常な耐糖能の男性より低かった。
    • 多変量解析の結果、年齢および総テストステロンは糖尿病および耐糖能異常の独立した予測因子であった。
    • 総テストステロン最下位四分位群の耐糖能および糖尿病のリスクは最上位四分位群より2.5倍高かった。

    【 結 論 】
    Asturiasの一般的母集団において、総テストステロンが低い男性は、正常範囲内でも、年齢およびBMIに関わらず耐糖能異常あるいは糖尿病のリスクが上昇していた。

    【 原 著 】
    Endocrinol Nutr. 2011 Jan 5.
    Glucose tolerance and
    plasma testosterone concentrations in men. Results of the Asturias
    Study.

    Menendez E, Valdes S, Botas P, Delgado E, Abello N.
    Servicio de
    Endocrinologia y Nutricion, Hospital Universitario Central de Asturias,
    Oviedo, Espana.

    【 弊社コメント 】
    肥満やメタボリックシンドロームにならないように、飲食の節制と適度な運動を続けてテストステロンの十分な分泌を維持することが、自ずと糖尿病の予防につながるものと思われます。 ただし、筆者のように肥満やメタボリックシンドロームに陥り易い人にしてみれば、たとえ飲食の節制と適度な運動の必要性が理解できていても、なかなか実行困難なテーマでもあります。 (福)

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  • アンドロゲン補充療法は軽度のBPH(前立腺肥大症)を合併する性腺機能低下男性の下部尿路症状を改善する

    2011年01月12日


    【 目 的 】
    前立腺肥大症(BPH)を合併する性腺機能低下男性の下部尿路症状(LUTS)に対するアンドロゲン補充療法(ART)の効果に関する無作為コンロール試験を行った。

    【 方 法 】
    性腺機能低下症およびBPHを合併する52例をエナント酸テストステロン250mg/4週、筋注によるART群または未治療のコントロール群に無作為に割り付けた。
    開始前および治療12カ月後のIPSS(国際前立腺症状スコア)、尿流量測定データ、排尿後の残尿量(PVR)および全身の筋肉量を比較した。

    【 結 果 】

    • 解析対象となったのはART群23例、コントロール群23例の計46例である。
    • 12カ月後、IPSSはART群では開始時に比して有意に低下した( 15.7 ± 8.7 vs. 12.5 ± 9.5; p < 0.05 )が、コントロール群では有意な変化はみられなかった。
    • ART群は最大尿流率および排尿量の有意な改善を示したが、コントロール群では有意な改善は見られなかった。
    • PVRは両群で有意な変化がみられなかった。
    • ART群は平均筋肉量の有意な増加を示したが(p < 0.05)、コントロール群では有意な変化が見られなかった。

    【 結 論 】
    アンドロゲン補充療法は軽度の前立腺肥大症を合併する性腺機能低下男性の下部尿路症状を改善した。

    【 原 著 】
    Aging Male. 2010 Dec 21.
    Androgen replacement therapy
    contributes to improving lower urinary tract symptoms in patients with
    hypogonadism and benign prostate hypertrophy: a randomised controlled
    study.

    Shigehara K, Sugimoto K, Konaka H, Iijima M, Fukushima M, Maeda Y,
    Mizokami A, Koh E, Origasa H, Iwamoto T, Namiki M.
    Department of
    Integrative Cancer Therapy and Urology, Kanazawa University Graduate School
    of Medical Science, Kanazawa, Ishikawa, Japan.

    【 弊社注釈 】 (リンク先: 参照資料)

    「下部尿路症状 (Lower Urinary Tract Symptoms: LUTS)」
    下部尿路機能障害による排尿障害からの排尿症状と蓄尿障害からの蓄尿症状を併せたものです。

    下記の「排尿障害」と「蓄尿障害」は、下部尿路症状(LUTS)の一部分となります。

    「排尿障害」
    排尿症状は尿をスムースに出せない症状で、排尿困難・排尿開始遅延・腹圧性排尿など。

    「蓄尿障害」
    蓄尿症状は、尿をうまく溜められない症状で、頻尿・尿意切迫感・尿失禁など。

    【 弊社コメント 】
    一般に、前立腺肥大症に対して男性ホルモンは症状を促進させると言われていることから、特に重症の前立腺肥大症の男性には男性ホルモンの補充をお勧めしておりませんが、軽症の人であれば、本報によると1年のテストステロン補充で有意に下部尿路症状が改善したことから、安心して男性ホルモンの補充が出来るものと期待されます。
    なお、グローミンによる男性ホルモンの補充でも、下部尿路症状を改善することが報告されています。
    男性ホルモンの分泌不足が排尿や蓄尿をコントロールする筋肉量の低下を招き、下部尿路症状を起こしていたとすれば、テストステロンの補充でこれらの筋肉を取り戻すことにより、症状が改善したのかも知れません。 (福)

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  • 男性の低テストステロンは高血圧の予測因子である

    2010年12月06日


    【 背景 】
    テストステロン濃度と血圧の関係については一致した研究結果が得られていない。
    そこで、年齢20-79歳の男性1484例を対象に高血圧の発症リスクおよび血圧変化と総テストステロン(TT)濃度との前向きの関連性を調査した。

    【 方法 】
    ドイツ、ポメラニアの地域住民を対象とした健康調査研究のデータを用いた。TT濃度を蛍光酵素免疫法により測定し、年齢により4分位群に分けた。
    年齢、ウェスト周囲径、身体活動度、喫煙およびアルコール摂取量で調整したGEEモデルにより関係を明らかにした。

    一般化推定方程式(Generalised Estimating Equation: GEE)モデル
    経時データを扱うときに,様々なしがらみから離れて平均構造の推測に特化させた方法。

    【 結果 】

    • 平均フォローアップ期間5.0年の間に高血圧の頻度は50.6%から57.1%に増加した。
    • TT濃度は高血圧を発症した男性のベースラインで有意に低かった。
    • ベースラインのTTが最下位4分位群の男性はより高い男性に比して高血圧発症リスクが上昇していた
      (OR= 1.19 95% CI
      1.10-1.28))。
    • TT濃度と血圧の間には逆相関がみられた。

    【 結論 】
    男性の低総テストステロン濃度は高血圧の予測因子であり、心血管リスク上昇のバイオマーカーとなりうるであろう。

    【 原著 】
    Aging Male. 2010 Nov 19.
    Inverse association between
    total testosterone concentrations, incident hypertension and blood
    pressure.

    Torkler S, Wallaschofski H, Baumeister SE, Volzke H, Dorr M, Felix
    S, Rettig R, Nauck M, Haring R.
    Institute of Clinical Chemistry and
    Laboratory Medicine, University of Greifswald, Germany.

     

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  • NHKためしてガッテン「600万人を襲う!謎の不元気症候群」

    2010年11月17日


    平成22年11月17日にNHKで放送予定の「ためしてガッテン」で、LOH症候群(ロー症候群)が取り上げられます。

    これまで男性更年期障害が様々なメディアで取り上げられ、話題にされて来ましたが、専門医の間では不定愁訴の中にある「うつ症状」が「うつ病」と混同され、切り分けが難しいという問題があったことから、男性ホルモンテストステロン)の分泌低下にともなう症状として「ロー症候群」が定義されました。

    ロー症候群の診療については、「LOH症候群・診療の手引き」が発行されています。

    なお、上記ガイドライン(手引き)にグローミンが収載されていますが、泌尿器科医を中心とするLOH症候群の治療に対応している専門医の間では、グローミンによる低用量な男性ホルモンの補充療法が臨床応用されており、生理的範囲内の補充による高い安全性とマイルドな補充効果について、高いご評価をいただいております

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  • 筋肉強度および身体機能を改善するに必要なテストステロンレベル

    2010年11月17日


    【 背景 】
    HORMA試験 (Hormonal Regulators of Muscle and Metabolism in
    Aging)において、テストステロンおよび遺伝子組み換えヒト成長ホルモン(rhGH)の補充は非脂肪体マス、体肢骨格筋マス、筋肉能力および身体機能を増強した。しかしアウトカムにはかなりの個人間のバラツキがあった。

    【 方法 】
    年齢65~90歳の男性120例にテストステロン・ゲル(5
    g/d vs 10 g/d via Leydig cell clamp)およびrhGH (0 vs 3 vs 5
    μg/kg/d)を16週間、二重盲検の2 × 3要因デザインにて投与した。アウトカムはDEXAによる非脂肪マス、one-repetition maximum
    strength, Margaria stair powerおよび活動度質問票調査である。ホルモンレベル、筋肉量、強度および機能の変化の関連性を分析した。

    【 結果 】

    • 非脂肪マス1.5kgを増やすために総テストステロン(TT)
      1046 ng/dL (95% CI = 1040-1051)、体肢骨格筋マス0.8kgを増やすTT898 ng/dL (95% CI =
      892-904)の各上昇が必要であった。
    • rhGHの併用は、非脂肪を増やすために必要なテストステロンレベルを下げた。
    • one-repetition
      maximum strengthの変化は階段登坂力の上昇と関連していた (r =.26, p =
      .01)。
    • 経路解析の結果は、テストステロンおよびインスリン様成長因子1の変化が筋肉能力および身体機能の増強に必要な非脂肪マスの変化と関連している事を示した。
    • 身体活動度に対するテストステロンの影響は、Physical
      Activity Score of the Elderly (PACE)に対する直接的影響が見られる事から、様々な経路を介するものである。

    【 結論 】
    身体強度および身体機能を増強するためには一定の非脂肪体および筋肉量の増加が必要であり、そのためにはテストステロンレベルの目的値まで上げる事が必要である。RhGHは、テストステロンの作用を増強する。

    【 原著 】
    J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2010 Nov 8.

    Testosterone
    Threshold Levels and Lean Tissue Mass Targets Needed to Enhance
    Skeletal
    Muscle Strength and Function: The HORMA Trial.

    Sattler F, Bhasin S, He J,
    Chou CP, Castaneda-Sceppa C, Yarasheski K, Binder E, Schroeder ET, Kawakubo
    M, Zhang A, Roubenoff R, Azen S.
    Department of Medicine, University of
    Southern California, Los Angeles

    【 弊社コメント 】
    短期間(16週)で筋肉強度、身体機能を増強するためには、非常に高いテストステロンレベルが必要です。一方、長期間をかければ、低用量のテストステロン補充と運動療法により筋肉強度、身体機能の改善が可能ではないかと期待しています。
    (野)

    アンチエイジングとしてのテストステロン補充は、アスリートで問題となるドーピングとは一線を画すものです。高齢になっても自立した生活と良好なQOLを維持するだけの身体機能を維持・向上させることは重要な意義があると考えますが、あくまで青年・壮年健常者の生理的レベルの範囲内で低用量のテストステロンを補充することが、日常的な運動療法を安全かつ効果的に補完するものと考えます。(福)

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  • イタリア大都会の男性交通警察官の遊離テストステロンは低い

    2010年11月15日


    【 目的 】
    環境汚染物質は男性の生殖能力に影響すると考えられる。交通警察官は毎日交通機関による汚染物質にさらされている。都会のストレスへの職業的暴露が遊離テストステロンレベルに影響するか否か、イタリアの大都会の市警察の男性交通警察官と行政職員を比較した。

    【 方法 】
    交通警察官とコントロールの遊離テストステロンに対する年齢の影響を排除するため、両群ともに2つのサブグループに分けた(1群:年齢30~40歳、2群:41~50歳)。
    交通警察官への汚染物質の暴露は一定の駅における汚染物質の濃度をモニターする事によって評価した。
    重要な交絡因子をもったものを除いた後、対象となったのは交通警察官110例およびコントロール110例である。

    【 結果 】

    • 平均遊離テストステロンは交通警察官がコントロール群より有意に低かった(P
      < 0.001)。
    • この低下は年齢で層別化しても有意であった(30-40 :P < 0.001、41-50:P <
      0.001)。

    【 結論 】
    遊離テストステロンは生殖障害の発現の職業上の測定すべきマーカーと考えることができる。

    【 原著 】
    Int Arch Occup Environ Health. 2010 Nov 11.

    Exposure to
    urban stressors and free testosterone plasma values.

    Sancini A, Tomei F,
    Tomei G, Ciarrocca M, Palermo P, Gioffre PA, Tasciotti Z, Fiaschetti M,
    Cetica C, Caciari T.
    Department of Occuptional Medicine, Universita’ di Roma
    “Sapienza”, Viale Regina Elena ,Rome, Italy.

    【 弊社コメント 】
    ストレス要因が汚染物質だけなのか、議論は尽きないと思いますが、いずれにせよストレスがテストステロンの低下をもたらすようです。ストレスが多い職場で働く男性ほど、テストステロンの分泌低下が起きているのかも知れません。興味深い結果を話題としてご案内致します。(福)

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  • 低い総テストステロンは男性の2型糖尿病の発症リスクと関連している

    2010年11月11日


    【 目的 】
    低総テストステロンが男性の2型糖尿病(T2DM)の発症と関連しているというエビデンスが増加している。大規模地域住民集団におけるT2DMt総テストステロンの関連性について調査を行った。

    【 方法 】
    開始時2117例の男性のうち1589例について5年以上のフォローを行った。開始時、10パーセンタイル以下の低総テストステロンをT2DMのリスク因子として用いた

    【 結果 】

    • 解析に適格な1339例中68例(5.1%)がT2DMを発症した。
    • 低テストステロン男性はT2DM発症リスクが上昇していた(odds ratio [OR] 3.4, 95% CI 1.9-6.1)。 年齢、ウェスト周囲径および喫煙で調整後もORは3.0; (95% CI
      1.6-5.7)であった。

    【 考察 】
    この結果は低総テストステロンが男性のT2DMの発症と関連し、T2DMのリスクに原因的に関与するバイオマーカーであると推定される事を示している。

    【 原著 】
    Aging Male. 2010 Nov 2.

    Low total testosterone is
    associated with increased risk of incident type 2 diabetes mellitus in men:
    results from the Study of Health in Pomerania (SHIP).

    Schipf S, Haring R,
    Friedrich N, Nauck M, Lau K, Alte D, Stang A, Volzke H, Wallaschofski
    H.
    Institute of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine.

    【 弊社コメント 】
    多くの男性は加齢にともなうテストステロンの分泌減少が避けられず、自ずと2型糖尿病になりやすくなる中で、少なくとも健康的な生活習慣(バランスの取れた食生活・適度な運動・規則正しい生活リズム・ストレスの適切な解消等)によってメタボリックシンドロームを予防・解消し、テストステロンの分泌が低くなり過ぎないようにすれば、2型糖尿病の予防につながるものと期待されます。
    さらには、テストステロンの分泌が減少し始めたら、その不足分を補充することにより、男性の2型糖尿病を予防できるのかも知れません。(福)

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