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Tag:糖尿病

  • 中高年男性の糖尿病治療に対するテストステロン軟膏の寄与

    2019年06月18日


    上芝 元 (東邦大学健康推進センター)

    【目的】

    テストステロンがインスリン抵抗性を改善するという報告や糖尿病症例において低テストステロン血症を伴う報告がある。 今回、中高年男性の肥満及び低テストステロン血症を伴う2型糖尿病症例において、テストステロン軟膏製剤による補充を行い、糖尿病状態の改善がみられた症例を2例経験したので報告する。

    【方法】

    症例1は54歳男性、推定罹病期間13年、BMI 31.3、8年前にインスリン導入となり、現在強化療法中である。 最近1年間の随時血糖150~259mg/dl、HbA1c 9.2~10.4%であり、血中遊離テストステロン1.9~3.2pg/mlと低値であった。

    症例2は67歳男性、糖尿病の推定罹病期間18年、BMI 37.2、3年前にインスリン導入となり、現在経口薬とインスリン療法(超即効型と持効型)の併用治療中である。最近1年間の随時血糖190~277mg/dl、HbA1c 8.5~9.0%であり、血中遊離テストステロン2.9~3.8pg/mlと低値であった。 両症例ともに倫理委員会の承認を得て、インフォームドコンセントを行い、テストステロン軟膏(グローミン)を使用して、補充を行い、糖尿病状態の改善を試みた。

    【結果】

    両症例ともグローミン0.6g/日(0.3g×2回、腹部塗布)を6か月継続したところ、症例1では随時血糖109~173mg/dl、Hba1c 7.9~8.2%と糖尿病における血糖コントロールの改善がみられた。 また症例2でも随時血糖121~175mg/dl、HbA1c 7.2~7.8%と糖尿病における血糖コントロールの改善がみられた。 両症例とも血中PSAの変化や他の副次反応については、臨床上大きな問題となるものはみられなかった。

    【結論】

    テストステロン軟膏(グローミン)は、中高年男性で肥満及び低テストステロン血症を伴う2型糖尿病症例において、血糖コントロール改善に寄与する可能性が示唆された。 2症例から考えるとテストステロン低値、肥満、インスリン抵抗性状態を呈している2型糖尿病男性の治療にテストステロン軟膏が補助的手段になる可能性が示唆された。


    2019(令和元)年6月14日(金)

    第19回日本抗加齢医学会総会(於:パシフィコ横浜)

    一般口演7 男性医療-1 (於:第6会場)

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  • 糖尿病のPSAレベルに及ぼす影響

    2017年02月01日


    <目的>
    最近の研究は糖尿病とPSAの間に負の関係を示している。そこで、糖尿病および正常(非糖尿病)モロッコ人男性におけるPSAレベルを調査した。

    <方法>
    モロッコのパスツール研究所において470名の糖尿病男性および869名の非糖尿病男性を検査し、断面調査を行った。
    HbA1cおよび空腹時血糖を高速液クロおよびドライケミストリーにより測定した。血清TおよびPSAは化学発光微粒子免疫法 により測定した。

    ドライケミストリー
    特定の化学反応を起こす試薬が乾燥状態で用意されていて、そこに液体状の検体が添加されると、検体中の水分を溶媒として、試薬が含まれているマトリックスの中で反応が進行するもの。

    <結果>
    ・全体で、PSAレベルは糖尿病および非糖尿病男性間で有意な差異がなかった (1.31 ± 0.04ng/mL vs.1.36 ± 0.03ng/mL, p = 0.380)。

    ・PSAレベルは両群ともに年齢とともに上昇したが、糖尿病男性では年齢に対する依存が非糖尿病男性より低かった (糖尿病男性;p =0.002、非糖尿病男性; p amplt; 0.0001)。

    ・層別分析の結果、50~59歳の男性ではPSAが糖尿病男性において非糖尿病男性より有意に低かった(p= 0.0004)。

    ・T(テストステロン)濃度には糖尿病の有無による差異が認められなかった (p= 0.904)。

    <結論>
    PSAレベルは糖尿病および非糖尿病男性において年齢依存的であったが、PSAレベルは年齢50~59歳の男性においてのみ糖尿病状態の影響を受けた。

    ■ 原著
    Curr Diabetes Rev. 2017 Jan 17.
    Prostate-Specific Antigen levels in Moroccan diabetic males: A cross-sectional study.
    Ainahi A, Barakat A, Wakrim L, Mohammadi H, Mdaghri NE, Ezzikouri S

    【弊社コメント】
    中高年男性は加齢と共に前立腺(肥大・腫瘍)のリスクが高まることが知られていて、これらの目安にPSA(前立腺特異抗原、prostate-specific antigenの略)値が用いられます。 本報では50歳代の糖尿病男性は、糖尿病でない人よりもPSAが有意に低かったとのことです。 とはいえ、糖尿病なら前立腺肥大や前立腺腫瘍のリスクが低くなると安易に考えるべきでないと思います。(福)

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  • ED合併2型糖尿病患者の糖-代謝プロファイル

    2012年05月21日


    【 目的・方法 】
    ED合併2型糖尿病患者の糖-代謝プロフィルを調査した。2型糖尿病男性88例、平均年齢 62.78±9.26歳について調査を行った。IIEFにて性機能症状を、SAS(self-rating anxiety scale)にて不安症状を、および SDS(self-rating depression
    scale)にてうつ症状を評価した。
    BMI、腹囲、HbA(1c)、空腹時血糖(FPG)、空腹時インスリン(FPI)、 HOMA
    指数、脂質、総テストステロン、遊離テストステロン、DHTおよびSHBGを測定した。

    【 結果 】

    • IIEF調査票にて、50例(56.8%)がEDであり、残る38 例(43.2%)はEDでなかった。
    • ED群の70.0%が喫煙者であり、非ED群の57.9%より有意に多かった(p<0.05)。
    • ED群の38.0%が慢性虚血性疾患の病歴があり、非ED群の23.7%より多かった(p<0.05 between the two
      groups)。
    • ED群はより高齢で、驚くべきことにHbA(1c)が低かった。さらに、ED群はFPIが高く、テストステロンおよびDHTが低かった。

    【 結論 】
    イタリアの2型糖尿病男性、平均年齢62歳のED発症率は56%で、高FPIであるがHbA(1c)は低く、テストステロンおよびDHTの低下とリンクしていた。

    【 原著 】
    Endocr J. 2012 Apr 26.
    Glyco-metabolic profile among
    type 2 diabetic patients with erectile dysfunction.

    Derosa G, Tinelli C,
    D’Angelo A, Ferrara G, Bonaventura A, Bianchi L, Romano D, Fogari E,
    Maffioli P.
    Department of Internal Medicine and Therapeutics, Fondazione
    IRCCS Policlinico S. Matteo, University of Pavia, Pavia , Italy

    【 弊社コメント 】
    対象の選択基準、方法は分かりませんが、ED合併群のHbA(1c)値が注目されます。一般的には糖尿病がより重度で高いのではないかと思いますが・・・。(野)

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  • 糖尿病男性における性腺機能低下症発現率

    2011年10月27日


    【 目的 ・ 方法 】
    2型糖尿病男性における性腺機能低下症は増加しているが、プライマリー・ケアにおけるデータは少ない。
    そこで糖尿病を有する年齢18~80歳の男性患者6457例の匿名記録について解析した。過去2年以内に391例(6%)が血清テストステロンの測定を行っていた。

    【 結 果 】

    • 調査された2型糖尿病男性の4.4%が総テストステロン8.0nmol/l以下の性腺機能低下症であった。
    • 境界型の性腺機能低下症(総テストステロン 8~11.99nmol/l)は32.1%であった。
    • 年齢平均テストステロンは2型糖尿病男性(13.6nmol/l
      95%CI: 13.1-14.2) で1型糖尿病男性(17.9nmol/l; 95%CI 15.2-21.0)より低かった(F=10.3;
      p=0.0014)。
    • 年齢調整BMIは2型糖尿病男性が30.7(30.1-31.3)で、1型糖尿病男性の28.4(26.1-30.6)kg/m(2)より高かった(F=4.3;
      p=0.04)。
    • 重回帰分析の結果、テストステロンとの関係においてBMIと糖尿病型の間に有意な相互作用が認められた。
    • 1型糖尿病では6%(P=0.002) および2型糖尿病では1%(P=0.002)のテストステロンの減少に伴い1単位のBMIの上昇が予測される。

    【 結 論 】
    テストステロン補充療法が有用な糖尿病とアンドロゲン欠乏症を合併する男性集団が明らかに存在する。BMIはアンドロゲン・レベルに独立した影響を持っている。

    【 原 著 】
    Prim Care Diabetes. 2011 Oct 5.
    Screening for
    hypogonadism in diabetes 2008/9: Results from the Cheshire Primary Care
    cohort.

    Anderson SG, Heald A, Younger N, Bujawansa S, Narayanan RP, McCulloch
    A, Jones H.
    SourceCardiovascular Sciences Research Group, Core Technology
    Facility (3rd Floor), University of Manchester, 46 Grafton Street,
    Manchester M13 9NT, UK.

    【 弊社コメント 】
    糖尿病の肥満男性で男性ホルモンの分泌が低い人は、テストステロンの補充が有用のようです。(福)

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  • 低テストステロン男性は耐糖能異常あるいは糖尿病のリスクが高い

    2011年01月13日


    【 背景・目的 】
    男性における研究は血清アンドロゲンおよびSHBG濃度と耐糖能障害、糖尿病およびメタボリック・シンドローム(MS)の存在との相関性を明らかにした。
    この研究はAsturias
    Studyのコホートにおける総テストステロン、SHBGおよび生物学的テストステロンの血清レベル、耐糖能の程度およびMSとの関連性を調査した。

    【 方 法 】
    対象は正常な総テストステロン・レベルにある年齢36-85歳の男性282例である。耐糖能の程度およびMSの有無を調査した。

    【 結 果 】

    • 血清テストステロンおよび生物学的テストステロンはネガティブに年齢、BMI、ウェスト周囲径、血糖、糖化ヘモグロビンおよびインスリンと相関していた。
    • 耐糖能異常あるいは糖尿病の男性の総テストステロン、生物学的テストステロンおよびSHBGは正常な耐糖能の男性より低かった。
    • 多変量解析の結果、年齢および総テストステロンは糖尿病および耐糖能異常の独立した予測因子であった。
    • 総テストステロン最下位四分位群の耐糖能および糖尿病のリスクは最上位四分位群より2.5倍高かった。

    【 結 論 】
    Asturiasの一般的母集団において、総テストステロンが低い男性は、正常範囲内でも、年齢およびBMIに関わらず耐糖能異常あるいは糖尿病のリスクが上昇していた。

    【 原 著 】
    Endocrinol Nutr. 2011 Jan 5.
    Glucose tolerance and
    plasma testosterone concentrations in men. Results of the Asturias
    Study.

    Menendez E, Valdes S, Botas P, Delgado E, Abello N.
    Servicio de
    Endocrinologia y Nutricion, Hospital Universitario Central de Asturias,
    Oviedo, Espana.

    【 弊社コメント 】
    肥満やメタボリックシンドロームにならないように、飲食の節制と適度な運動を続けてテストステロンの十分な分泌を維持することが、自ずと糖尿病の予防につながるものと思われます。 ただし、筆者のように肥満やメタボリックシンドロームに陥り易い人にしてみれば、たとえ飲食の節制と適度な運動の必要性が理解できていても、なかなか実行困難なテーマでもあります。 (福)

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  • 低テストステロンは最終糖化反応生成物であるAGEと関連している

    2010年10月27日


    【 目的 】
    Advanced glycation end products
    (AGEs)は心血管疾患と関わっている。低テストステロンも同様に心・代謝異常のリスクの上昇と関連している。
    しかし、身体計測値およびAGEを含むメタボリックな因子のどちらが、独立してテストステロンと関わっているかは良く知られていない。
    非糖尿病男性において高AGEが低テストステロンの独立した決定因子であるか否かを検討した。

    【 方法 】
    対象は高血圧および脂質異常の治療薬の投与を受けていない非糖尿病男性113例。病歴の聴取および身体計測を行い、AGEおよびテストステロンを含む血液生化学的検査を行った。

    【 結果 】
    単変量解析の結果テストステロン・レベルはウェスト周囲径、拡張期血圧、平均血圧、HDL-C、空腹時血糖、HOMAによるインスリン抵抗性、AGEおよび尿酸値といずれも逆向きに関連していた。

    【 原著 】
    Oxid Med Cell Longev. 2010 Jul 1;3(4):262-265.

    Insulin
    resistance is an independent correlate of high serum levels of advanced
    glycation end products (AGEs) and low testosterone in non-diabetic
    men:

    Tahara N, Imaizumi T, Takeuchi M, Yamagishi SI.
    Kurume University
    School of Medicine; Kurume, Japan.

    【 弊社コメント・注釈 】
    テストステロンの不足がAGEという悪玉物質を産生し、AGEが心血管疾患や糖尿病の悪化につながる、という機序が示唆されたと思われます。いずれにせよ、テストステロンが低くなり過ぎないようにすることが心血管疾患の予防につながるものと期待されます。(福)

    AGE (advanced glycation
    endproducts)

    糖尿病における高血糖状態は生体内の種々の蛋白の非酵素的な糖化(グリケーション)を引き起こします。その結果生じた糖化蛋白は、さらに一連の複雑な反応を経て最終糖化反応生成物であるAGE(advanced
    glycation endproducts)を産生します。糖尿病の血糖のコントロールの指標となるHbA1c(ヘモグロビン
    エーワンシー、グリコヘモグロビン)も糖化蛋白の一種です。血糖が高い状態が続くとHbA1cは高くなります。
    高血糖状態では、このようなAGEを産生する過程で悪玉のフリーラジカルである活性酸素が産生され酸化ストレスも増加します。
    AGEは生体内の大切な蛋白の機能を障害するだけでなく、生体内のさまざまな生理活性物質に影響を与え、糖尿病性合併症の発症や進展に深く関わっています。(野)

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