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Tag:心血管疾患

  • 2D:4Dおよびメタボリック・シンドローム指標および心血管疾患因子との関係

    2014年07月09日


    ■ 目的
    2D:4Dはアスリートの能力、生殖の成功、癌および心血管疾患(CVD)のリスクといった幾つかの特質とリンクしている。 メタボリック・シンドロームは幾つかの心血管疾患リスク因子に含まれる。
    ウェスト周囲径(WC)、 頸部周囲径(NC)、 BMIおよびウェスト-身長比(WHtR)はMSの評価に重要な要素である。 ナイジェリアのイリオンに居住する成人における2D:4DおよびMS指標およびCVD因子との関係を調査した。

    ■ 方法
    多段階の層別サンプリングによる断面調査を行った。 異なった地域に住む住民の家庭を訪問し、指の長さおよび身体的パラメータを計測した。対象となったのは年齢18~44歳の801例の健康成人(男性56%)で、現在のエリアに3年以上居住している。

    ■ 結果

    • 男性は女性よりも有意に低い2D:4Dを示した(unpaired t-test; t [699] = 11.49, P = 0.001)。
    • メタボリック・シンドロームのマーカーと2D:4Dに有意な正相関が認められた。
    • HtR は男性および女性において高い相関性(r = 0.461, P ≤ 0.001およびr = 0.408, P ≤ 0.001)がBMI、NCおよびWCよりも認められた。
    • この研究で認められた全ての正相関は男性および右手で高かった。

    ■ 結論
    2D:4Dは性的2形性(雌雄二形)を示し、右手の2D:4Dはメタボリック・シンドロームの良好な予測因子であった。 イリオン(ナイジェリア)において、2D:4Dはメタボリック・シンドロームおよび心血管疾患リスク因子の代理マーカーとなる。

    ■ 原著
    J Res Med Sci. 2014 Mar;19(3):234-9.
    Sexual dimorphism in ratio of second and fourth digits and its relationship with metabolic syndrome indices and cardiovascular risk factors.
    Oyeyemi BF, Iyiola OA, Oyeyemi AW, Oricha KA, Anifowoshe AT, Alamukii NA

    (さらに…)

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  • 動脈硬化形成に対するアンドロゲンの影響

    2012年12月03日


    【 目的 】
    男性の低テストステロンは心血管疾患と関連している。臨床試験はテストステロン補充(TRT)が心血管疾患の症状を改善し、動脈硬化形成の原因となる炎症を低下することを示している。 動物モデルにおいて、動脈硬化形成に対する有用な効果の一部である血管性炎症メディエイターに対するテストステロンの影響を検討した。

    【 方法 】
    低内因性テストステロンおよび非機能アンドロゲン受容体(AR)を呈する睾丸性女性化マウス(TFM)を用いアンドロゲン状況の動脈硬化形成、血清脂質、および炎症メディエイターに体する影響を検討した。TMFは高コレステロール食で飼育し、生理学的TRTまたは生食水の投与を行い、生殖投与XY同胞マウスと比較した。

    【 結果 】

    • 高コレステロール食28週飼育はXY同胞およびTMFマウスの大動脈起始部における脂肪線条形成を起こし、この効果はTMFマウスにおいて有意に増強されていた。
    • 正常食のTFMマウスはXY同胞に比してTFN-αおよびIL-6の上昇を示した。
    • 高コレステロール食はTFMマウスのMCP-1およびXY同胞のTFN-αおよびMCP-1の上昇を誘発した。
    • TRTはTFMマウスの脂肪線条形成および血清IL-6を減少したが、血清脂質には影響しなかった。
    • 単球/マクロファージ染色の結果、全マウスにおいて大動脈起始部脂肪線条部分に局所性炎症を認め、TRTはTFMマウスにおいてプラークの減少とともに局所性炎症を低下した。
    • Fractalkine (CX(3)CL1) およびその受容体(CX(3)CR1)はアンドロゲン状態とは独立して高コレステロール食の全マウスの脂肪線条に存在した。

    【 結論 】
    この結果は粥腫防御におけるテストステロンのアンドロゲン受容体依存性および非依存性の抗炎症作用を示している。 しかし局所性炎症に関わるテストステロンの機序は不明である。

    【 原著 】
    Endocr Res. 2012 Nov 20.
    Effect of Testosterone on Inflammatory Markers in the Development of Early Atherogenesis in the Testicular-Feminized Mouse Model.
    Kelly DM, Sellers DJ, Woodroofe MN, Jones TH, Channer KS.
    Biomedical Research Centre, Sheffield Hallam University , Sheffield , UK.

     

    (さらに…)

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  • 心血管疾患の性差は男性の低テストステロンが影響している

    2012年11月30日


    【 背景 】
    世界の先進国において、男性は女性よりも早期に心血管疾患(CVD)を発症し、寿命が5~10年短い。 男性において低総テストステロン(TT)が新たなCVDリスク因子として提示されているが、その影響の性差については研究が非常に少ない。

    【 方法 】
    縦断的研究 Study of Health in Pomerania, Germany. のコホートから年齢20~79歳の4152例(男性2113例および女性2039例)のデータを用いた。
    多変量ポアソンおよびCox比例ハザードモデルを用い、心血管疾患(フォローアップ期間5年間)、全原因死亡およびCVD死亡(フォローアップ期間10年間)リスクを解析した。加えて、男性において低TT(<10th percentile)に起因するリスクを評価した。

    【 結果 】

    • 男性は女性に比して、過体重、高血圧、脂質異常、メタボリック・シンドロームおよび2型糖尿病を含め血管疾患のリスクが一様に高かった。
    • 男性は女性に比して全原因死亡(hazard ratio = 2.05; 95% CI, 1.61-2.60)および10年CVDリスクが上昇していた。
    • サブグループ解析において、低TTの男性は残りの高TTの男性および女性に比して10年CVDおよび死亡リスクが高かった。
    • TTはフラミンガム・リスク・スコアによる心血管リスクとネガティブに関連していた(P < 0.001)。

    【 結論 】
    大規模集団の解析において、男性は全般的に心血管疾患罹患および死亡のリスクが高かった。さらに低TTの男性は10年CVDおよび死亡リスクが高かった。

    【 原著 】
    Gend Med. 2012 Nov 19. pii: S1550-8579(12)00189-1.
    Low Testosterone Concentrations in Men Contribute to the Gender Gap in Cardiovascular Morbidity and Mortality.
    Haring R, John U, Völzke H, Nauck M, Dörr M, Felix SB, Wallaschofski H.
    Institute of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine, University Medicine Greifswald, Greifswald, Germany

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  • 低テストステロンは最終糖化反応生成物であるAGEと関連している

    2010年10月27日


    【 目的 】
    Advanced glycation end products
    (AGEs)は心血管疾患と関わっている。低テストステロンも同様に心・代謝異常のリスクの上昇と関連している。
    しかし、身体計測値およびAGEを含むメタボリックな因子のどちらが、独立してテストステロンと関わっているかは良く知られていない。
    非糖尿病男性において高AGEが低テストステロンの独立した決定因子であるか否かを検討した。

    【 方法 】
    対象は高血圧および脂質異常の治療薬の投与を受けていない非糖尿病男性113例。病歴の聴取および身体計測を行い、AGEおよびテストステロンを含む血液生化学的検査を行った。

    【 結果 】
    単変量解析の結果テストステロン・レベルはウェスト周囲径、拡張期血圧、平均血圧、HDL-C、空腹時血糖、HOMAによるインスリン抵抗性、AGEおよび尿酸値といずれも逆向きに関連していた。

    【 原著 】
    Oxid Med Cell Longev. 2010 Jul 1;3(4):262-265.

    Insulin
    resistance is an independent correlate of high serum levels of advanced
    glycation end products (AGEs) and low testosterone in non-diabetic
    men:

    Tahara N, Imaizumi T, Takeuchi M, Yamagishi SI.
    Kurume University
    School of Medicine; Kurume, Japan.

    【 弊社コメント・注釈 】
    テストステロンの不足がAGEという悪玉物質を産生し、AGEが心血管疾患や糖尿病の悪化につながる、という機序が示唆されたと思われます。いずれにせよ、テストステロンが低くなり過ぎないようにすることが心血管疾患の予防につながるものと期待されます。(福)

    AGE (advanced glycation
    endproducts)

    糖尿病における高血糖状態は生体内の種々の蛋白の非酵素的な糖化(グリケーション)を引き起こします。その結果生じた糖化蛋白は、さらに一連の複雑な反応を経て最終糖化反応生成物であるAGE(advanced
    glycation endproducts)を産生します。糖尿病の血糖のコントロールの指標となるHbA1c(ヘモグロビン
    エーワンシー、グリコヘモグロビン)も糖化蛋白の一種です。血糖が高い状態が続くとHbA1cは高くなります。
    高血糖状態では、このようなAGEを産生する過程で悪玉のフリーラジカルである活性酸素が産生され酸化ストレスも増加します。
    AGEは生体内の大切な蛋白の機能を障害するだけでなく、生体内のさまざまな生理活性物質に影響を与え、糖尿病性合併症の発症や進展に深く関わっています。(野)

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  • テストステロンの不足は心血管疾患のリスク要因か?

    2010年05月02日


    【 要旨 】
    男性という性は冠動脈血管死の主なリスク因子であるが、関連性は未だ説明しきれていない。

    男性の低テストステロンはメタボリック・シンドロームおよび2型糖尿病のリスク因子であり、個々のメタボリック・シンドローム成分、内臓肥満、インスリン抵抗性、高血糖、高血圧および脂質異常と独立して関連している。

    疫学的研究は低テストステロン男性の死亡率の上昇を報告している。

    短期間のテストステロン補充療法はウェスト周囲径、コレステロールおよび炎症性サイトカインを下げ、糖尿病患者のインスリン抵抗性および血糖コントロールを改善する。

    テストステロンはまた、心筋虚血、狭心症および慢性心不全に有用である。

    この論文は低テストステロンと心血管疾患の関連を支持する現在のエビデンスをレビューしたものであり、大規模、長期的研究の必要性が明らかにされている。

    【 原著 】
    Trends Endocrinol Metab. 2010 Apr 6.

    Testosterone deficiency: a risk factor for cardiovascular disease?

    Jones TH.
    Robert Hague Centre for Diabetes and Endocrinology, Barnsley Hospital NHS Foundation Trust, Barnsley, UK; Academic Unit of Diabetes, Endocrinology and Metabolism, University of Sheffield, Sheffield, UK.

    【 弊社コメント 】
    全容は未だ解明されていませんが、男性のテストステロン不足が死亡率を上昇させていることは明らかになっています。
    具体的には、メタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病、2型糖尿病・高血圧、そして心不全に関係していて、短期間のテストステロン補充については有用であることが報告されています。
    ただし、長期的にテストステロンの補充を続けた場合や、大規模で広範囲な人での検証結果は未だありません。(福)

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  • 低テストステロンは20-79歳の男性の死亡リスクを上げる

    2010年03月05日


    【 目的 】
    低テストステロンと死亡率の関連性は近年の研究で明らかになったが、これらは少数の住民調査研究である。
    低テストステロンが全原因あるいは原因の特定できる死亡のリスク因子であるか否かを20-79歳の男性の地域住民標本にて調査を行った。

    【 方法 】
    前向きの住民調査研究”Study
    of Health in
    Pomerania”の1954例のデータを用いた。ベースラインでのテストステロン測定が行われ、平均フォローアップ期間7.2年間に195例の死亡がある。総テストステロン8.7
    nmol/L (250 ng/dL)

    以下を低値と分類した。低テストステロンと全原因あるいは原因の特定できる死亡との関連性をコックス比例ハザード回帰モデルにて解析した。

    【 結果 】
    ・低テストステロンの男性は高いテストステロンの男性より全原因死亡率が有意に高かった(HR
    2.24; 95% CI
    1.41-3.57)。
    ・ウェスト周囲径、喫煙週間、ハイリスクな飲酒、身体活動、腎不全およびDHEAsで調整後も低テストステロンと死亡率の上昇の関連性は有意であった(HR
    2.32; 95% CI 1.38-3.89)。
    ・原因特定解析において、低テストステロンは心血管疾患(HR 2.56; 95% CI

    1.15-6.52)および癌(HR 3.46; 95% CI
    1.68-6.68)による死亡リスクの上昇を予測したが、呼吸器疾患あるいは他の原因については関連がなかった。

    【 結論 】
    低テストステロンは多数のリスク因子と独立して全原因死亡のリスク上昇と関連していた。テストステロン・レベルは心血管疾患および癌による死亡率と逆相関し、予測マーカーとして使用可能である。

    【 原著 】
    Eur Heart J. 2010 Feb 17.

    Low serum testosterone levels
    are associated with increased risk of  mortality in a population-based cohort
    of men aged 20-79.

    Haring R, Volzke H, Steveling A, Krebs A, Felix SB, Schofl
    C, Dorr M, Nauck M, Wallaschofski H.
    Institute of Clinical Chemistry and
    Laboratory Medicine, Ernst Moritz Arndt University Greifswald,
    Germany.

    【 弊社コメント 】

    テストステロンのレベルが低いほど、心血管疾患や癌の死亡率が高くなる事を示唆する報告です。テストステロンが低くならないようにテストステロンを補充すれば、これらの疾患を予防できるかも知れません。
    ・・・
    ですが、先ずは健康的な生活習慣(バランスの良い食生活、適度な運動、昼型の規則正しい生活、ストレスの発散、過度な飲酒や喫煙などのリスク要因を避け
    る・・・等)によって、テストステロンが低くなり過ぎないようにする事こそ最も無難で低コストなアンチエイジングの極意で、男性にとって長寿の秘訣と思わ
    れます。 ただし、その実践が困難・・・というのが個人的実感です。(福)

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  • 低テストステロンがもたらす心血管疾患などのリスク、テストステロン補充のメリットに関する報告

    2010年02月15日


    心血管疾患とアンドロゲンの関係に関するレビュー

    Int J Cardiol. 2009 Nov 16.
    Cardiovascular disease and
    androgens: A review.

    Kaushik M, Sontineni SP, Hunter C.
    Department of
    Medicine, Creighton University Medical Center, Omaha, NE,
    USA.

    世界的に心血管疾患は単一の最大の死因である。男女間の心血管疾患のパターンの差異は正しくは理解されていない。エストロゲンに対して大きなスポットライトがあてられているが、心血管疾患の減少に関するその役割は結論が出ていない。
    そこで、心血管疾患の性差の説明に対してアンドロゲンに関心が集まっている。過去20年間の研究により心血管疾患の進展に対するアンドロゲンの影響についての知識が増大した。
    男性におけるテストステロンレベルの加齢による低下および加齢に伴う心血管イベントの増加はアンドロポウズあるいはメノポウスという概念を導いた。
    不幸な事に、過去数十年間アンドロゲンは世界中のアスリート達の不正薬剤として注目されてきた。乱用にと突然の心血管死および重篤な心血管疾患の関連性に関する多数の報告がある。
    対照的にアンドロゲン低下に関連した各種の症状および適応外の目的でのテストステロン補充は増加している。
    ヒトでの観察研究は、テストステロンレベルの低下は冠動脈疾患の頻度を高めると、殆ど結論されている。
    新たなエビデンスは低アンドロゲンは不幸な心血管リスクを予測することを示している。

    心血管疾患に対するテストステロン補充の役割が一次的および二次的防禦段階の両者で研究され、その安全性が評価されている。
    心血管の観点からアンドロゲンの役割をレビューする事はしかるべき時期である。
    PMID:
    19923015

    低テストステロンは致死的心血管イベントと関連している

    J Sex Med. 2010 Jan 25.
    Low Testosterone is Associated
    with an Increased Risk of MACE Lethality in Subjects with Erectile
    Dysfunction.

    Corona G, Monami M, Boddi V, Cameron-Smith M, Fisher AD, de Vita
    G, Melani C, Balzi D, Sforza A, Forti G, Mannucci E, Maggi M.
    Andrology
    Unit, Department of Clinical Physiopathology, University of Florence,
    Florence,
    Italy.

    【 背景 】
    テストステロンは動脈硬化の発現に防禦的役割を果たしている事が示唆されているが、低テストステロンと主要な心血管障害(MACE)との関係を示す一般住民を対象とした研究は僅かであり、勃起不全(ED)患者での研究はない。
    【 目的 】
    EDを有する低テストステロン男性では致死性あるいは非致死性MACEが予測されるか否かを検討する。
    【 方法 】
    我々のED外来を受診した1687例の連続症例を対象とした前向きの観察研究を行った。EDに関する質問票調査(SIEDYおよびANDROTEST)および性腺機能低下関連症状の調査を行った。
    総テストステロン(TT)をベースラインにて測定した。MACEに関する情報はフローレンス市の登録データより得た。
    【 結果 】
    ・性腺機能低下症はTTの閾値230
    ng/dLで5.2%, 300 ng/dL1で3.8%および350 ng/dLで22.4%であった。
    ・平均フォローアップ期間4.3 +/-
    2.6年中に139例のMACEがあり、うち15例が致死的であった。
    ・MACEの非調整発生頻度はTTと関連がなかった。
    ・反対に致死的MACEの割合は性腺機能低下男性(TT閾値300
    ng/dLあるいは230
    ng/dL)で有意に高かった。
    ・しかし、年齢および慢性疾患スコアの調整後のコックス回帰モデルでは致死的MACEの頻度とTT閾値230
    ng/dLの間にのみ有意な関連が確認された(HR = 7.1 [1.8-28.6]; P <
    0.001)。
    ・性腺機能低下症状に関しては、致死的MACEがANDROTESTの高スコアと有意に関連していた(HR = 1.2
    [1.0-1.5])。
    【 結論 】
    テストステロン・レベルは心血管障害(MACE)の高死亡率と関連している。臨床医は低テストステロンに注意すべきである。
    PMID:
    20102478

    日本人男性において低テストステロンは冠血管イベントの予測因子である

    Atherosclerosis. 2009 Nov 13.
    Low testosterone level as
    a predictor of cardiovascular events in Japanese men with coronary risk
    factors.

    Akishita M, Hashimoto M, Ohike Y, Ogawa S, Iijima K, Eto M, Ouchi
    Y.
    Department of Geriatric Medicine, Graduate School of Medicine, University
    of
    Tokyo

    【 目的 】
    近年の疫学的研究によれば、地域住民高齢男性においてテストステロン低下は主に心血管(CV)疾患による死亡率の上昇と関連している。冠血管リスク因子を有する日本人中年男性において、低テストステロンが心血管イベントを予測出来るか否かを検討した。
    【 方法 】
    CV疾患の来歴がなく、冠動脈リスク因子(高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙および肥満)を有する171例の男性外来患者(年齢30-69歳,
    mean+/-SD=48+/-13
    years)のフォローアップ調査を行った。
    ベースラインにおいて、血管内皮機能として冠動脈リスク因子の調査、上腕動脈のFMDの測定および血清総テストステロン、DHEA-S、エストラジオールおよびコーチゾールの測定を行った。
    【 結果 】
    ・平均フォローアップ期間77カ月中に、20例のCVイベントが発生した。
    ・血清ホルモンの4分位によるかプラン-マイヤー分析の結果、テストステロンの最下位4分位群は最上位4分位群に比してCVイベントの発生率が高かった
    (P<0.01 by log-rank
    test)。
    ・Cox比例ハザードモデルはテストステロンの最下位4分位群(<14.2nmol/L)は上位群に比して、冠動脈リスク因子およびFMDで調整呉のCVイベントリスクが約4倍高かった
    (unadjusted hazard ratio, 3.61; 95% CI, 1.47-8.86: multivariate-adjusted
    hazard ratio, 4.61; 95% CI,
    1.02-21.04)。
    ・多変量解析の結果、DHEA-S、エストラジオールおよびコーチゾールとCVイベントとの間に有意な関連は認められなかった。
    【 結論 】
    中年日本人男性おいては冠動脈リスク因子および内皮機能と独立して血清テストステロン・レベルがCVイベントと関連していた。これはアジアの母集団における内因性テストステロンとCVイベントとの関係を明らかにした最初の報告である。
    PMID:
    19963216

    低テストステロン高齢男性におけるリポ蛋白(a) の上昇

    Aging Male. 2010 Jan 11.
    Increased occurrence of marked
    elevations of lipoprotein(a) in ageing, hypercholesterolaemic men with low
    testosterone.

    Kaplan SA, Lin J, Johnson-Levonas AO, Shah AK, Meehan
    AG.
    Weill Cornell Medical College, Institute for Bladder and Prostate Health,
    New York,
    USA.

    【 目的 】
    先に2つの脂質治療研究のベースライン・データを用い高齢男性における、血清テストステロン(T)とメタボリック・シンドローム(MS)発現との逆相関関係を調査した。
    さらに、Tと心血管リスク因子脂質、リポ蛋白(a)
    [Lp(a)].との関係を調査するため、これら2つの試験の一つに参加している米国男性の小集団のベースラインデータの調査を行った。
    【 方法 】
    107例の男性(平均年齢55歳)からベースラインのT、脂質、血糖値および身体計測値に関するデータを得た。対象の基準はLDL-C
    >/=3.4-4.9 mmol/l 及びトリグリセリド </=4.0 mmol/lである。
    ベース・ラインのLp(a)をT<15
    nmol/lの低-正常T群および>/=15
    nmol/lの正常群による差異を分析した。
    【 結果 】
    ・低Tの男性は有意なLp(a)上昇の発生頻度が高かった。
    ・Lp(a)レベルが正常上限の3倍以上であったのは、低-正常T群では17.1%であったのに対し、正常T群では8.1%であった。
    【 結論 】
    低テストステロンの高齢男性はLp(a)が著明に上昇している可能性がある。これは心血管リスクの上昇と関連している事が予期される。
    PMID:
    20059436

    【 注釈 】
    リポ蛋白(a)(LP(a))
    Lp(a)は、LDLのアポ蛋白であるアポB-100に、アポ蛋白であるアポ(a)が結合して構成されるリポ蛋白。Lp(a)に含まれるアポ(a)は、線溶系でフィブリン網を溶解するプラスミノゲンと構造的相同性がある。血液中のLp(a)濃度と、冠動脈疾患や脳梗塞の発症に正相関がある。

    アンドロゲン・レベルと医療費の関係

    Int J Androl. 2010 Jan 4.
    Prospective association of
    low serum total testosterone levels with health care utilization and costs
    in a population-based cohort of men.

    Haring R, Baumeister SE, Volzke H,
    Kohlmann T, Marschall P, Flessa S, Nauck  M, Wallaschofski H.
    Institute of
    Clinical Chemistry and Laboratory Medicine, Ernst Moritz Arndt University Greifswald, Greifswald,
    Germany.

    【 目的 】
    アンドロロジーの分野に対する関心は急速に高まっているが、ヘルスケアの利用とコストに対する血清テストステロン・レベルの影響に関しては特に取り組まれていない。
    地域住民コホート研究Study
    of Health in Pomerania
    (SHIP)のデータを分析し、血清テストステロンと自己報告のヘルスケアの利用およびコストとの関連を5年間フォローし、評価した。
    【 方法 】
    ベースラインでの対象は2023例の男性、このうち1530例が再調査が行われた。低および高テストステロンは年齢別の10および90パーセンタイルに従い、10-90パーセンタイルの対照者と比較した
    【 結果 】
    ・断面調査モデルでは、低テストステロンおよび高テストステロンの男性は共に外来訪問頻度およびコストが高かった(低:+19.1
    および+19.9%、高:+25.3 および+30.2%)。ところが入院日数お

    よびコストはテストステロン・レベルと関連がなかった。
    ・年齢、教育レベル、所得、ウェスト周囲径、喫煙状況、身体活動度および飲酒量による調整は結果に影響しなかった。
    ・長期的モデルでは低テストステロンのみがフォローアップの外来受診頻度(年齢調整

    +28.6%)およびコスト(+38.0%)の上昇と関連していた。
    【 結論 】
    低および高テストステロンは短期の外来ヘルスケア・コストの上昇と関連していた、ところが低テストステロンは長期的な外来ヘルスケア・コストの上昇とも関連していた。
    利用できる治療に関する経費効率研究が医師、患者およびヘルスケアアスステムのために必要である。
    PMID:
    20059581

    低テストステロンおよびSHBGおよび高エストラジオールは糖尿病リスクを高める

    Eur J Endocrinol. 2010 Jan 8.
    Low testosterone levels
    and SHBG levels and high estradiol levels are independent predictors of type
    2 diabetes in men.

    Vikan T, Schirmer H, Njolstad I, Svartberg J.
    T Vikan,
    Department of Endocrinology, Division of medicine, Tromso, 9038,

    Norway.

    【 目的 】
    地域住民男性において、内因性性ホルモンレベルのその後の2型糖尿病リスクに及ぼす影響を調査する。
    【 方法 】
    デザイン:地域住民をベースにした前向きのコホート研究。
    対象:第四次Tromso
    study
    (1994-1995)に参加した1454例の男性。
    調査:糖尿病症例を調査し、プロトコールに従って31.12.05まで立証した。
    分析:性ホルモンと糖尿病との前向きの関連性をコックス比例ハザード回帰を用い解析した。
    【 結果 】
    ・高い正常域総テストステロン群では後期の糖尿病リスクが有意に低下していた。総テストステロン四分位最高位群は最高位群に比してHR
    0.53, CI 0.33-0.84であった。
    ・糖尿病発生リスクの減少は高SHBG群でもみられ、四分位最低位群に比して第三位群でHR 0.38, CI
    0.18-0.81、第4位群でHR 0.37,
    0.17-0.82であった。
    ・総テストステロンとSHBGとの関連性は多変量モデルにウェスト周囲径を加えると有意ではなくなった。
    ・エスラジオールはポジチブに糖尿病発生と関連し、四分位最高位群に比して第二位群HR
    0.49, CI 0.26-0.93、第三位群HR 0.51, CI
    0.27-0.96であった。
    【 結論 】
    高エスラジオールの男性は肥満とは独立して後期糖尿病リスクが上昇していた。一方総テストステロンおよびSHBGの低下は糖尿病リスクを上昇し、これは肥満とは独立していた。
    PMID:
    20061333

    男性ホルモンと腹部大動脈瘤との関連性

    J Clin Endocrinol Metab. 2010 Jan 8.
    Associations of
    Total Testosterone, Sex Hormone-Binding Globulin, Calculated Free Testosterone, and Luteinizing Hormone with Prevalence of Abdominal Aortic
    Aneurysm in Older Men.

    Yeap BB, Hyde Z, Norman PE, Chubb SA, Golledge
    J.
    School of Medicine and Pharmacology, University of Western Australia,
    Australia

    【 背景 】
    腹部大動脈瘤(AAA)は高齢者の死亡と関連しており、大動脈径の上昇は冠血管イベントの予測因子である。AAAは主に男性に発生しているが男性ホルモンとの関連は不明である。
    【 目的 】
    男性ホルモンが独立してAAAあるいは腹部大動脈径の上昇と関連しているかを調査する。
    【 方法 】
    デザイン:断面調査分析。
    対象:年齢70-88歳の地域住民男性3620例。
    調査項目:腹部大動脈径を超音波により計測した。早朝血清により総テストステロン、SHBGおよびLHを測定した。遊離テストステロンは計算により求めた。
    【 結果 】
    ・AAA(大動脈径>/=30
    mm)は262例(7.2%に認められた。
    ・AAAを有する男性は有しない男性に比して総および遊離テストステロンが低くく
    (mean +/- SD
    14.5 +/- 6.0 vs. 15.5 +/- 5.6 nmol/liter, P = 0.005 and 256 +/-
    87 vs. 280
    +/- 97 pmol/liter, P < 0.001, respectively)、LHが高かった
    (median,
    interquartile range: 4.9, 3.1-7.9 vs. 4.3, 3.0-6.4 IU/liter, P =

    0.013)。
    ・交絡因子で調整した多変量解析において、遊離テストステロンはネガチブにAAAと関連し (odds ratio per 1 SD
    increase: 0.84, 95% confidence interval 0.72-0.98,
    P =
    0.026).、LHはポジチブに関連していた(odds ratio 1.14, 95% confidence
    interval 1.03-1.25, P
    =
    0.008)。
    【 結論 】
    高齢男性において、低遊離テストステロンおよび高LHは独立してAAAと関連していた。性腺機能障害は高齢男性における閉塞性血管疾患のような動脈拡張症と関連している可能性がある。
    PMID:
    20061425


    テストステロンは虚弱高齢男性の筋肉強度、身体機能、体組成およびQOLを改善する

    J Clin Endocrinol Metab. 2010 Jan 8.
    Effects of
    Testosterone on Muscle Strength, Physical Function, Body Composition, and
    Quality of Life in Intermediate-Frail and Frail Elderly Men: A Randomized,
    Double-Blind, Placebo-Controlled Study.

    Srinivas-Shankar U, Roberts SA,
    Connolly MJ, O’ Connell MD, Adams JE, Oldham
    JA, Wu FC.
    Department of
    Medicine and Endocrinology, University of Manchester Manchester Royal
    Infirmary; Health Methodology Research Group , New
    Zealand.

    【 背景 】
    身体的虚弱は筋肉の減阿呆、身体機能の障害およびQOLと関連している。テストステロン(T)は性腺機能低下患者において筋肉量および強度を増加する。低~境界域低値Tの虚弱高齢者においてTが同様の作用を示すかは明らかではない。
    【 目的 】
    中程度虚弱および虚弱高齢男性おける6カ月のT療法の筋肉量および強度、身体機能およびQOLに及ぼす影響を検討する。
    【 方法 】
    デザイン:単一施設、無作為、二重盲検、プラセボー比較、平行群間試験。
    対象:年齢65歳以上、総T12
    nmol/L(346ng/dL)あるいは遊離T250 pmol/L(72.1pg/L)以上の地域住民男性。
    投与方法:274例の男性を経皮T(50
    mg/d)またはプラセボー・ゲル6カ月間投与に無作に割り付けた。
    評価項目:筋肉強度、非脂肪および脂肪容量、身体機能および自己報告のQOL。
    【 結果 】
    ・等尺性膝伸展力はT群で改善し(6カ月後の対P群)、調整差異は8.6
    (95% CI, 1.3-16.0; P = 0.02)であった。
    ・T群において非脂肪容量は増加し(1.08 +/- 1.8
    k)、脂肪容量は減少した(0.9 +/- 1.6
    k)。
    ・身体機能はより高齢およびより虚弱な男性において改善した。
    ・身体および性症状スコアはT群で減少し、調整後の差異は各々-1.2 (-2.4
    to -0.04) および-1.3 (-2.5 to
    -0.2)であった。
    【 結論 】
    低~境界域低値Tの中程度虚弱および虚弱高齢男性おける6カ月のT療法は老化による筋肉の喪失、強度の低下を防止し、体組成、QOLおよび身体機能を改善した。
    PMID:
    20061435

    テストステロン・レベルは長期的なLUTSのリスクと逆相関する

    BJU Int..
    Serum sex hormones and the 20-year risk of
    lower urinary tract symptoms in community-dwelling older men.

    Trifiro MD,
    Parsons JK, Palazzi-Churas K, Bergstrom J, Lakin C, Barrett-Connor
    E.
    Division of Urologic Oncology, Moores UCSD Cancer Center, San Diego, CA,
    USA.

    【 目的 】
    高齢の地域住民男性集団において、性ホルモン濃度とその後の長期的下部尿路症状(LUTS)リスクの関連を調査した。
    【 方法 】
    1984から1987の間にRancho
    Bernardo
    Study(前向きの地域住民調査)の参加者の血清性ホルモン濃度を測定した。2006年に生存者に米国泌尿器学会症状スコア質問票(AUA-SI)を送付した。
    AUA-SIとベースラインの性ホルモン濃度の関連性をロジスティック回帰分析した。

    米国泌尿器科学会の良性前立腺肥大症の症状スコア
    最近約1カ月間にわたり下記の症状がありましたか
    Q.排尿後に尿が残っている感じが何回ありましたか。
    Q.排尿後2時間以内にもう1度排尿しなくてはならないことが何回ありましたか。
    Q.排尿中,数回にわたって尿が止まり,再び出ることが何回ありましたか。
    Q.排尿を我慢することが難しいことが何回ありましたか。
    Q.尿の勢いが弱いことが何回ありましたか。
    Q.排尿開始時にいきんだり,努力しなくてはならないことは何回ありましたか。
    以上の項目下記のように評価
    全くなし
    :0、 5回に1回未満 :1、 全回数の50%未満 :2、 全回数の約50%
    :3、 全回数の50%超 :4、 ほとんど常に
    :5
    Q.夜就寝してから朝起床するまでの間に普通何回トイレに起きますか。
    なし(0)、 1回(1)、 2回(2)、
    3回(3)、4回(4)、5回以上(5)
    米国泌尿器科学会の症状スコア=合計

    【 結果 】
    ・完全な回答得たのは158例、ベースラインの性ホルモン測定時の平均年齢(sd)は58

    (6.6)歳、平均フォローアップ期間(sd)は20.3
    (0.6)年である。
    ・年齢調整ロジスティック回帰分析において、テストステロンおよびDHTとLUTSの間に逆向きの関連性が認められた(P =
    0.05)。.
    ・生物学テストステロンの高い男性は性腺機能低下レベルの男性に比してLUTSのリスクが56%減少していた、しかしこの関連性は有意ではなかった(オッズ比
    0.44, 95% CI
    0.14-1.40)。
    【 結論 】
    この集団において、中年期のテストステロン、DHTおよび生物学的テストステロンが高い男性はLUTSの20年間のリスクが減少している。
    このデータはテストステロンとLUTSとの逆相関を報告している他の研究を支持するものである。
    テストステロン療法の臨床試験にLUTSおよびBPHの改善が含まれるべきである。
    PMID:
    20002438

    勃起不全におけるテストステロンの役割

    Nat Rev Urol. 2009 Dec 8.
    The role of testosterone in
    erectile dysfunction.

    Corona G, Maggi M.
    Sexual Medicine & Andrology
    Unit, Department of Clinical Physiopathology, University of Florence,
    Italy.

    勃起不全(ED)は勃起に関連した身体的疾患、ストレスへの反応および関係性の困難さを含む臨床的因子の連続的スペクトルの結果として起きる臨床的異常である。
    テストステロンはEDのこれらの原因に関連しているが、EDの治療におけるテストステロンの有用性は完全には明らかではない。
    男性の性的反応におけるテストステロンの主な生理学的な作用は性欲に関連した勃起過程のタイミングを調整する事であり、それゆえセックスにともなう陰茎勃起を調整している。
    ED、性腺機能低下症およびメタボリックシンドロームおよび2型糖尿病のような潜在する疾患との関連性は今日よく実証されている。
    潜在疾患の認識は健康に関連したライフスタイルの改善のための、EDを有する男性の動機付けに有用である。
    それゆえ、EDを有する男性は「ラッキー」と考えられる。なぜなら、潜在疾患を検出すための医学的検査機会が得られるからである。
    EDおよび性腺機能低下症は治療可能な疾患である。テストステロン製剤の範囲はサプリメントとして利用可能であり、ある場合にはPDE5阻害剤との併用が有用である。
    PMID:
    19997070

     

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