大東製薬工業公式BLOG

更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

Category

月別アーカイブ

Category:女性更年期・女性更年期障害

  • 閉経前健康女性のテストステロン値の正常範囲の設定

    2011年09月05日


    【 目的 】
    現在のところ、広く認められた女性の正常テストステロン値はない。そこで、正常な月経周期を有する閉経女性のテストステロンおよびSHBG値の正常範囲の測定を行った。

    【 方法 】
    健康で、正常な月経周期の女性(年齢18~49)、161例の総・遊離および生物学的テストステロンおよびSHBGを測定した。採血は月経周期の卵胞期、中期および黄体期のそれぞれ早朝に行った。
    30歳代の女性を代表として、パーセンタイルとともに月経周期相を通じた平均、中央値および加重平均ホルモン値を求めた。

    【 結果 】

    • テストステロンは加齢とともに低下していたが、SHBGには加齢による変化がなかった。
    •  総・遊離および生物学的テストステロンおよびSHBGの正常範囲を5th および
      95thパーセンタイルにより設定した。
    • 30歳代女性の5th および 95thパーセンタイルは総テストステロンが15~46ng/dL
      (520~1595 pmol/L)、遊離テストステロンが1.2~6.4pg/mL
      (4.16~22.2 pmol/L)、計算遊離テストステロンが1.3~5.6pg/mL (4.5~19.4pmol/L)、生物学的
      1.12~7.62ng/dL (38.8~264.21pmol/L)およびSHBG
      が18~86nmol/Lであった。
    • 月経周期間のホルモンおよびSHBGの変化はこれまでの報告と一致していた。

    【 結論 】
    月経中期におけるテストステロンの上昇は全体的な変動に比して小さく、それゆえ、この正常範囲が月経周期のいずれの日に関わらず適用できる。

    【 原著 】
    J Sex Med. 2011 Jul 19.
    Testosterone Reference Ranges
    in Normally Cycling Healthy Premenopausal Women.

    Braunstein GD, Reitz RE,
    Buch A, Schnell D, Caulfield MP.
    Cedars-Sinai Medical Center, Los Angeles,
    CA, USA

    【 弊社コメント 】
    これまでの報告と差異はありません。男性の約10分の1です。 月経周期による変化は少ないという事が明らかにされています。(野)

    男性の生理的範囲内のテストステロン補充に、グローミンを1回量0.3g(チューブから約2cm相当、テストステロンの投与量は約3mg)、朝晩2回の塗擦を推奨していますが、女性は男性が塗る場合の約10分の1、チューブから約2mm相当。グローミンを女性が使用する場合の1回量の目安は、概ね手芸に用いるビーズの大きさ程度と考えております。(福)

    続きを読む

  • 大豆イソフラボンは女性更年期の症状や骨量減少を予防できない

    2011年08月11日


    【 背 景 】
    エストロゲン補充のリスクに関する懸念は、大豆の有効性が証明されていないにもかかわらず、更年期のホルモン療法に代わるものとして、閉経後の女性に大豆製品の使用が大幅に増加していることである。
    今回、イソフラボン錠剤を用いて骨量低下や更年期症状などの有効性の検討を行った。

    【 方 法 】
    研究は単一施設で、無作為化、2004年7月1日から2009年3月31日まで実施されたプラセボ対照、二重盲検比較試験。
    閉経5年以内で腰椎や股関節の骨密度Tスコア-2.0以上の女性(45~60歳)を対象に、大豆イソフラボンの錠剤を 200mg/日、またはプラセボを投与した。
    主なアウトカム(評価項目)は、2年後のフォローアップ時における腰椎、股関節、大腿骨頸部の骨密度変化であり、副次的なアウトカムは、更年期症状、腟細胞、Ⅰ型骨コラーゲンN-テロペプチド、脂質、および甲状腺機能の変化である。

    【 結 果 】
    2年後、投与者群(n=122)とプラセボ群(n=126)の間に、脊椎の骨密度(投与者:-2.0%、プラセボ:-2.3%)、股関節(投与者:-1.2%、プラセボ:-1.4%)、大腿骨頸部(投与者:-2.2%、プラセボ:-2.1%)と有意差は認められなかった。
    イソフラボン投与者の大部分は、プラスミド群と比較して、ほてりや便秘を経験した。他の測定結果では両群間に有意差を認めなかった。

    【 結 論 】
    2年間・200mg/日の大豆イソフラボンを投与した女性において、骨量低下や更年期症状を予防できなかった。

    【 付 記 】

    骨密度 (bone mineral density: BMD)

    単位体積あたりの骨量。骨に含まれるミネラル(無機物: カルシウムやマグネシウム)の密度。

    Tスコア
    若年齢の平均BMD値(基準値)を0、標準偏差を1SDとして、指標を規定した値。WHO(世界保健機関)が定めた骨粗鬆症診断基準に用いられる。

    Ⅰ型骨コラーゲンN-テロペプチド
    骨基質の主要構成蛋白であるⅠ型コラーゲンの分解産物。骨吸収が起こると、分解生成されるⅠ型コラーゲンのペプチド断片は、N-末端側由来の産物であるN-テロペプチドも含まれている。これが骨組織から血中に放出されるため、骨粗鬆症、原発性副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍の骨転移など、骨吸収が亢進する疾患の経過観察に用いられる。

    【 原 著 】
    Archives of internal medicine. 2011 Aug 8;171(15):1363-9.
    Soy Isoflavones in the Prevention of Menopausal Bone Loss and Menopausal Symptoms: A Randomized, Double-blind Trial.
    Levis S, Strickman-Stein N

    続きを読む

  • 高齢婦人のQOLに対する estrogen含有クリーム製剤および testosterone含有クリーム製剤併用の効果

    2009年10月03日


    高齢婦人のQOLに対する estrogen含有クリーム製剤および testosterone含有クリーム製剤併用の効果

    御茶ノ水・浜田病院産婦人科
    合阪幸三, 宮本雄一郎, 生月弓子

    第24回 日本更年期医学会学術集会 (平成21年10月3日~10月4日) 一般演題12

    【目的】
    更年期婦人に対する estrogen製剤の投与は広く行われている。 Estrogen製剤のみで効果がみられない場合は、旧来より androgen製剤が併用されており、その有効性についてもよく知られている。 しかしながらわが国では、女性用の androgen製剤は注射製剤しか利用できないため、この点が女性に対する androgen療法が今ひとつ普及しない要因であると考えられる。 今回我々は、androgen含有クリーム製剤を高齢婦人に対して投与し、その効果を検討した。

    【方法】
    治験開始に先立ち、院内の倫理委員会にプロトコールをすべて公開し許可を得た。 患者には十分なインフォームドコンセントを行い、同意の得られたものを対象とした。 対象症例は6例(59.5±1.9歳)で、いずれも閉経後5年以上経過していた。 これらに対して estrogen含有クリーム製剤(バストミンTM、1g中に estradiol 0.6mg、 ethinylestradiol 0.2mg 含有)を 0.1g/day、および testosterone含有クリーム製剤(グローミンTM、1g中に testosterone 10mg含有)を 0.01g/day 外陰部に塗布させ、その効果を検討した。 外陰部の乾燥感、性交痛、嫌悪感、活力(やる気)のなさにつき、3(重症)~0(症状なし)の4段階にスコアリングして、投与前後で評価した。

    【結果】
    乾燥感:2.75±0.47→0.38±0.52、性交痛:3.00±0.00→1.00±0.63、嫌悪感:2.67±0.52→0.67±0.52、やる気のなさ:2.83±0.41→0.50±0.55 と、いずれも有意に改善した。 各種クリーム製剤投与による重篤な副作用は1例も認められなかった。

    【結論】
    高齢婦人に対する、女性ホルモンに併用する形での微量の男性ホルモン投与は、局所の改善のみならず、精神的にも前向きになることから、QOLの向上に有益であると考えられた。

    続きを読む

  • 女性のHRTにテストステロン(男性ホルモン)の併用

    2009年08月06日


    2009年(平成21年)8月6日の読売新聞「医療ルネッサンス」で、「女性へ男性ホルモン併用」として女性ホルモン補充療法に少量のテストステロンを併用する取り組みが紹介されました。

    グローミン」は、テストステロンを配合したクリームタイプの軟膏剤(第1類医薬品)で、経皮吸収により少量ずつ、天然型のテストステロンを補充できます。

    これは、OTCでありながら本邦で承認された現状の医療用テストステロン製剤にないメリットです。

    低用量で非侵襲的な経皮吸収ですから、高用量にともなうリスクや、肝臓に負担をかけるリスクが少ないうえ、短時間ながら着実に血中テストステロン値を上昇させるエビデンスがありますので、自ずと従前の男性ホルモン剤よりも安心感があります。

    マイルドな効果と高い安全性が期待されることから、幅広い領域の医師から臨床応用をいただいており、冒頭の記事にあるHRTの少量テストステロン併用にも、「グローミン」をご使用いただいております。

    ・泌尿器科 (LOH症候群、LOHと合併した下部尿路症状やED治療、女性の性欲障害)
    ・ 産婦人科 (女性更年期障害不妊治療におけるテストステロン併用療法)
    ・小児科 (内分泌系疾患・尿道下裂の治療における補充)
    ・ 一般内科・心療内科 (LOH症候群
    ・ アンチエイジング外来の各種クリニック
    ・ 内分泌内科 (糖尿病、メタボリックシンドローム
    ・ GID(FTM)のホルモン療法
    ・整形外科、リバリリテーション科、皮膚科、歯科、動物医

     

    続きを読む

  • 生殖期女性および更年期女性における、卵胞ホルモン含有軟膏剤の皮膚に及ぼす影響の検討

    2008年11月16日


    日本更年期医学会 第23回学術集会
    横浜・2008年(平成20年) 11月16日(日) 第2会場 やまゆり

    一般口演 演題番号58
    生殖期女性および更年期女性における、卵胞ホルモン含有軟膏剤の皮膚に及ぼす影響の検討

    ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック婦人科
    関根さおり, 江夏亜希子, 関根美香, 対馬ルリ子

    【目的】
    更年期女性の主訴の1つである皮膚症状(乾燥感,菲薄化,色素沈着など)を改善することは日常生活を楽にするだけでなく,アンチエイジングの観点からも重要である. 今回我々は卵胞ホルモン含有軟膏剤(以下,軟膏剤)が更年期女性の皮膚の状態をどの程度改善するか,またその効果が生殖器女性とどのように違うかにつき比較検討したので報告する.

    【方法】
    生殖器女性(25~40歳)および更年期女性(45~55歳)各20名を対象とした. 各年代において軟膏剤投与群と非投与群を各10名とし,投与期間は4週間連日とした. 投与前,投与開始後2週間,投与終了時で皮膚の状態(皮丘の数,毛穴の数,毛穴の総面積,肌色)を測定した. 血清エストラジオール値・エチニルエストラジオール値の変動測定,使用前後の主観的皮膚変化についての調査も実施した.

    【成績】
    各年代において,軟膏剤は皮膚のきめ細かさ,明度を有意に改善した.更年期女性における変化は数値に表れる以上に,本人の主観的変化や満足度が大きかった.

    【結論】
    皮膚症状を持つ更年期女性だけでなく,アンチエイジング効果を期待する全ての更年期女性において軟膏剤の適切な投与は症状の改善および満足度の上昇に繋がる可能性がある.

     

    (さらに…)

    続きを読む

  • 閉経後女性の静脈血栓症に影響する遺伝要因

    2007年02月15日


    【目的】
    フィブリン産生および溶解を活性化あるいは阻害する凝固蛋白および酵素の役割については明らかにされている。しかし、静脈血栓症(VT)のリスクに対するこれらの因子の遺伝子変異の影響については全く研究されていない。閉経後女性における静脈血栓症(VT)の発現と24の凝固・抗凝固・繊維素溶解・抗繊維素溶解候補遺伝子の変異の関連を調べた。

    【方法】
    デザイン:ワシントン州の総合ヘルスケアシステムにおける集団ベースの症例対照研究。

    対象:1995年1月から2002年12月に最初の静脈血栓症(VT)を発現した閉経期および閉経後の30-89歳の女性349例、および年齢、高血圧の状況、暦年がマッチしたコントロール1680例。

    測定項目:VTのリスクと関連する遺伝子の変異を一般的ハプロタイプ、個々のハプロタイプおよびSNPs分析により解析した。

    【結果】
    ・組織因子の阻害遺伝子のみ、リスクとの関連性が認められた。

    ・SNP解析では、3つの候補遺伝子(第5因子、第11因、タンパク質C)の5つのSNPがVTリスクと関連していた。

    ・15の遺伝子に他の22の変異のp値が0.05以下であった。このうち2つはすでに報告があり (fibrinogen genes および protein C)、2つは以前の報告と一致せず(thrombomodulin およびPAI1)、15は新しい発見であった。

    【結論】
    VTリスクとの関連が5つのSNPで認められ、このうち3つはこれまでに報告のないものであった。これらの事実を確認し、閉経女性におけるVTリスクにおよぼす遺伝要因を同定するため追試が必要である。

    【原著】
    Association of Genetic Variations With Nonfatal Venous Thrombosis in Postmenopausal Women.
    Nicholas L. Smith,JAMA. 2007;297(5):489-498.

    【弊社コメント】
    エストロゲンの副作用として静脈血栓症(VT)のリスクが一般的に知られていますが、そもそも静脈血栓症には遺伝要因が大きな影響を及ぼしているようです。そうであれば、将来的にはSNP解析ににより、事前に女性ホルモン補充療法を避けるべき人が確認できるようになる可能性があります。
    事前に遺伝子レベルの検査をして、リスクの少ない人にホルモン補充療法を行えば自ずと安心ですし、このような将来像が開ければ良いなと願っています。

    続きを読む

  • エストロゲンの抗炎症作用は加齢によって低下する

    2007年02月03日


    【目的】
    若い成熟雌においては、エストロゲン療法は脳血管の炎症反応を抑制する。これは炎症遺伝子の調節因子であるNF-kappaBに媒介されるものである。脳血管の炎症に対するエストロゲンの作用が年齢によって異なるか雌ラットにおいて検討した。

    【方法】
    3および12カ月齢の雌ラットを用い、卵巣摘出(OVX)後に半数に4週間のエストロゲン投与を行った(OE)。また、4および13カ月齢のラットから脳血管を摘出した。
    炎症は lipopolysaccharide (LPS),により誘発し、in vivo では注射を行い、ex vivoで血管とインキュベートした。

    【結果】
    ・細胞質のNF-kappaB の基礎値は若いラットの脳血管において有意に高かったが、細胞質に対する核の比は中年のラットにおいて高かった。
    ・LPSは脳血管の核のNF-kappaB DNA 結合活性、iNOSおよびCOX-2の蛋白レベル、NOおよびPGE2の産生を高めた。
    ・LPSの全ての反応は老齢動物の血管において著明に大きかった。
    ・エストロゲンは両方の年齢のラットの脳血管のLPSによるNF-kappaB DNA 結合活性の上昇を阻害した。
    ・4カ月齢のラットにおいて、エストロゲンはLPSによるiNOSおよびCOX-2の蛋白の誘導を抑制し、NOおよびPGE2の産生も同様に抑制した。
    ・反対に、13カ月齢のラットにおいて、エストロゲンはLPSによる炎症反応の抑制効果を示さなかった。

    【結論】
    脳血管に対するエストロゲンの防禦的抗炎症作用は若い動物では認められるが、高齢動物では減弱されるであろう。

    【原著】
    Age alters cerebrovascular inflammation and effects of estrogen.
    Sunday LN, Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2007 Jan 5
    Department of Pharmacology, University of California, Irvine, Irvine, California, United States.

    【弊社コメント】
    WHIの結果の評価の中で対象の年齢が高すぎたことが結果の一つの原因として上げられ、エストロゲンの効果が加齢によって変わってくる事が検証されています。このデータはその基礎的部分をなすものと考えられます。(野)

    続きを読む

  • 食物繊維の摂取と性ホルモンレベルの関係

    2006年10月10日


    【背景】
    乳癌とアルコールおよび繊維の摂取との関係は、乳癌リスクの予測因子である性ホルモンに仲介されたものである。

    【目的】
    閉経前の女性における性ホルモンレベルとアルコールおよび食物繊維摂取の関係を調査した。

    【方法】
    対象は閉経前の女性205例。調査開始時および2年後に摂取食物頻度調査表への回答を得た。同じ時期に、血清性ホルモン濃度の測定を行った。

    【結果】
    ・アルコールは中等度に血清エストロゲンレベルと関連していた。1日1杯以上飲む女性は飲まない女性よりE2が20%高かった(Ptrend=0.07)。

    ・反対に高食物繊維の摂取はアンドロステンジオンの低値と関連し、エストロゲンとの関連はなかった。

    ・同様に、フルーツ、野菜および穀物の摂取はアンドロステンジオン・レベルと逆の関連を示した。

    【結論】
    アルコールと食物繊維の摂取に伴う性ホルモンレベルの差異はこれらの栄養学的因子が性ホルモンレベルに影響を及ぼし、乳がんの原因と予防に一定の役割を果たしている事を示すものである。

    【原著】
    Alcohol and dietary fibre intakes affect circulating sex hormones among premenopausal women.
    Maskarinec G, Public Health Nutr. 2006 Oct;9(7):875-81.

    【参考記事】
    アルコール摂取とホルモン補充療法とが組み合わされば乳癌リスクが上昇する。
    2005-11-08 13:45:30-0400(ロイターヘルス)発

    ニューヨーク(ロイターヘルス)-

    アルコール飲料を摂取した場合、特に閉経後のホルモン補充療法(HRT)を受けている女性では、エストロゲン受容体(ER)陽性の乳癌のリスクが上昇することが、一般集団ベースのSwedish Mammography Cohort から得られたデータにより示されている。

    アルコールを摂取すれば、エストロゲン産生量の増加またはエストラジオールの代謝クリアランス低下のいずれかにより、内因性ホルモンへの女性の曝露が増大すると考えられる。

    ◎アルコールと乳癌に関する42件の研究をまとめたメタアナリシスでは、1日ワイン1 杯(アルコール12g)程度の少量飲酒でも10%のリスク上昇があり、飲酒量が増えればリスク も直線的に上昇するという結果です(Am J Epidemiol 154:740-747、2001)

    ◎野菜と果物で、乳がんリスクの低下なし。ヨーロッパ8カ国の女性28万人を平均5.4年間追跡したところ、野菜や果物を多く食べるグループでも、乳がんの発生率は低くなかった。オランダのグループによるこの研究は、米国医学雑誌2005年1月12日号に報告された。

    出典 van Gils CH, et al. Consumption of vegetables and fruits and risk ofbreast cancer. Journal of American Medical Association 2005;293:183-193

    【弊社コメント】
    一般的に、飲酒が乳がんの危険因子であると言われていますが、毎日飲酒を続けている女性は、エストロゲンのレベルが2割高くなっているようです。
    すなわち、女性が毎日飲酒を続けることが、高いエストロゲンレベルを維持させてしまうことになり、それが乳がんの危険につながっているのでは?という印象を受けます。

    一方、アンドロステンジオンは、高食物繊維をはじめ、フルーツ、野菜、穀物を良く摂取する女性の方が低いという結果だったようです。

    アンドロステンジオンは、エストロゲンの元になる物質ですから、アンドロステンジオンが低くなれば、エストロゲンも低くなるのかな…と思いたいところですが、今回の結果によると、エストロゲンとの関連が無かったようです。他の要因がエストロゲンの値に大きく影響していたのかも知れません。

    毎日お酒を飲んでも、食物繊維や菜食を良く摂取していれば乳がんのリスクを帳消しに出来る…、あるいは、お酒を飲まなくても食物繊維や菜食が乳がんの予防になる…、と言えれば良かったのですが、残念ながら、現状では言えないようです。

    お酒好きの女性の皆様、乳がん予防の観点からは、毎日の飲酒はなさらぬ方が良さそうです。(福)

    続きを読む

2 / 3123