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生殖期女性および更年期女性における、卵胞ホルモン含有軟膏剤の皮膚に及ぼす影響の検討

2008年11月16日


日本更年期医学会 第23回学術集会
横浜・2008年(平成20年) 11月16日(日) 第2会場 やまゆり

一般口演 演題番号58
生殖期女性および更年期女性における、卵胞ホルモン含有軟膏剤の皮膚に及ぼす影響の検討

ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック婦人科
関根さおり, 江夏亜希子, 関根美香, 対馬ルリ子

【目的】
更年期女性の主訴の1つである皮膚症状(乾燥感,菲薄化,色素沈着など)を改善することは日常生活を楽にするだけでなく,アンチエイジングの観点からも重要である. 今回我々は卵胞ホルモン含有軟膏剤(以下,軟膏剤)が更年期女性の皮膚の状態をどの程度改善するか,またその効果が生殖器女性とどのように違うかにつき比較検討したので報告する.

【方法】
生殖器女性(25~40歳)および更年期女性(45~55歳)各20名を対象とした. 各年代において軟膏剤投与群と非投与群を各10名とし,投与期間は4週間連日とした. 投与前,投与開始後2週間,投与終了時で皮膚の状態(皮丘の数,毛穴の数,毛穴の総面積,肌色)を測定した. 血清エストラジオール値・エチニルエストラジオール値の変動測定,使用前後の主観的皮膚変化についての調査も実施した.

【成績】
各年代において,軟膏剤は皮膚のきめ細かさ,明度を有意に改善した.更年期女性における変化は数値に表れる以上に,本人の主観的変化や満足度が大きかった.

【結論】
皮膚症状を持つ更年期女性だけでなく,アンチエイジング効果を期待する全ての更年期女性において軟膏剤の適切な投与は症状の改善および満足度の上昇に繋がる可能性がある.

 

【弊社コメント】
ホルモン補充療法ガイドライン(2012年度版)」は、「HRTに期待される作用・効果は何か?」「皮膚萎縮予防」の項で、次のように記しています。

  • HRTにより皮膚のコラーゲン量が増加し,皮膚の厚みが増すことが小規模臨床試験で報告されている
  • HRTを行うことにより皮膚組織の性状の改善が期待されるが,その効果のみを目的としてのHRTを推奨すべきデータは不十分である

そして、「これまでの種々の報告を総合すると,HRTを行うことにより皮膚組織の性状の改善が見込まれることは明らかであるが,その効果のみを期待してHRTを行うべきか否かについては,必ずしも積極的に推奨するだけの特に日本人のデータが不十分である.」と記されています。

皮膚が生殖器を除けばエストロゲンの最大の標的臓器で、エストロゲン受容体を介した作用であることが証明されており、皮膚の厚み・コラーゲン量の保持・保水効果・創傷治癒過程の関与などが実際的な効果として挙げられるとのことですが、何ぶん日本人での臨床データが不十分なので、歯切れの良い表現が出来ないのが現状のようです。

なお、同ガイドラインにおける性器萎縮症状については、「低用量E2の膣内投与が最も効果的」で、「膣内投与は血中エストロゲンレベルの影響が少なく即効性が期待できることより性器萎縮に対してはエストロゲンの局所投与が基本であると考えられる.」とあります。 ただし、弊社製品で膣内に塗布できるものは「ヒメロス」で、「バストミン」は外陰部への塗布をお願いしています。

バストミンを用いたエストロゲンの皮膚に対する効果は今のところ本報のみですが、ガイドラインの内容を総合しますと、1年未満の短期間だけ、なるべく少量ずつバストミンでエストロゲンを局所的に補充することにより、リスクを最小に抑えながら、女性の肌に対する永遠のテーマにお応えできるのかも知れません。(福)

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