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男性におけるテストステロン合成に対するアルコールの影響~レビュー
<目的>
アルコールの視床下部-下垂体-性腺軸の各レベルへの影響を調べることで、男性のテストステロン(T)合成に対するアルコールの影響を検討した。
<結果>
・低~中程度量のアルコールの急性摂取はテストステロン濃度を上昇する一方、大量のアルコール摂取は血清テストステロン濃度の低下と関連する。
・テストステロン濃度の上昇は、肝臓の解毒酵素の活性上昇に起因している。
・逆に、テストステロン減少に関わる主な作用機序は、視床下部-下垂体-副腎軸の活性亢進、炎症および酸化ストレスである。
・アルコールが過剰に、特に慢性的に摂取されると、男性のテストステロン産生に悪影響を及ぼす。
<専門家の意見>
テストステロンは男性の健康とウェルビーイングに対する重要な要素であるため、世界の多くの国々における現在のアルコール消費量には緊急の注意が必要である。アルコール摂取とテストステロンの関係を明らかにすることは、過度および慢性的なアルコール摂取によるテストステロン減少の影響を軽減するための戦略を特定する上で有用である。
【原著】
Expert Rev Endocrinol Metab. 2023 Mar 7:1-12.
The effects of alcohol on testosterone synthesis in men: a review.
Smith SJ, Lopresti AL, Fairchild TJ.
Clinical Research Australia, Perth, Australia.
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IVF施行女性における血清テストステロンレベルと卵巣反応性および累積生存児率
<目的>
体外受精(IVF)を受けた不妊症女性の卵巣反応および累積生存児率に及ぼす基礎血清テストステロン(T)値の影響を調査した。
<方法>
香港の大学付属生殖補助医療センターにおけるレトロスペクティブ研究である。2012年12月から2016年11月の間に同センターで最初のIVFサイクルを受けた不妊女性で、血清サンプルが保存され、累積生存児数に関する情報が入手可能な患者を解析対象とした。
<結果>
・ 計1122名の女性が解析の対象となり、基礎血清Tの中央値は0.53(25-75パーセンタイル:0.40-0.67)nmol/Lであった。
・ テストステロン値が高い女性ほど、ゴナドトロピン総投与量が少なく、刺激期間が短く、回収卵子数が多かった。
・ 累積生存児誕生率は、血清テストステロンの四分位群間で差はなかった。
・ 血清テストステロン値は、二値ロジスティック回帰において年齢および正常受精卵数で調整後、累積生存児誕生数の有意な独立した予測因子ではなかった。
・ 卵巣反応の高低と累積出生数の予測におけるROC曲線下面積は、すべて0.6以下であった。
<結論>
高い血清テストステロン値は卵巣反応の良好性に関連するが、体外受精を受けた不妊症女性の累積生児率には影響を及ぼさなかった。
【原著】
J Assist Reprod Genet. 2023 Mar 1
Wan RSF, Ko JKY, Yung SSF, Ng EHY, Li RHW.
Department of Obstetrics and Gynaecology, The University of Hong Kong, Pokfulam Road, Hong Kong, China.
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お客様各位
平素より弊社製品のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
射精を遅らせる塗り薬としてご好評いただき、おかげ様で発売59年目を迎える弊社製品の男性ホルモン軟膏剤「トノス」(第1類医薬品)は、精力剤専門店「あかひげ薬局」で長年にわたりお取り扱いいただいておりますが、このほど2023年2月より新パッケージ(3g入)にリニューアルさせていただきました。
トノス3g入・新パッケージ(2022年10月~) 「トノス」は品質保持のため冷所(1~15℃)保存をお願いしておりますが、あかひげ薬局様のご尽力により、トノスを通販購入いただいたお客様に保冷配送をいただけることになりました。
これを機に「あかひげ薬局」様の「トノス」通販サイト(←クリック)を弊社の「トノス」公式通販サイトとさせていただき、品質保持と信頼性の観点から推奨させていただくことに致しました。
あかひげ薬局「トノス」通販ページ 今後も変わらぬお引き立てのほど謹んでお願い申し上げます。
製造販売元: 大東製薬工業株式会社
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【目的】
早朝勃起は勃起機能を自覚できる指標であり、早朝勃起に着目することでメタボリック症候群の早期発見や心血管疾患発症の予防に貢献し得ると考える。早朝勃起とメタボリック因子の関連を研究した報告はなく、本研究を行った。
【対象・方法】
2020年1月1日から12月31日まで横浜新緑総合病院の人間ドックを受診し、本臨床研究に同意を得られた31~80歳の男性が対象である。評価項目は早朝勃起頻度、年齢、高血圧、高血糖、脂質異常、睡眠障害の有無である。
早朝勃起頻度が1週間に1回以上と1回未満の2群間で各メタボリック因子または睡眠障害の有無に関して解析する。また、早朝勃起頻度とメタボリック因子数の関連も解析する。
【結果】
対象者は911人であった。早朝勃起とメタボリック因子・睡眠障害の検討では、睡眠障害を除き有意差を認めたが、年齢補正下では脂質異常のみ有意差を認めた。早朝勃起頻度とメタボリック因子数の検討では、メタボリック因子の有無のみで有意差を認めた。
【結論】
早朝勃起頻度と脂質異常に相関を認めた。
メタボリック因子の有無と早朝勃起頻度に相関を認めた。
【原著】
日本性機能学会雑誌:37 (3) 167~173, 2022
Dyslipidemia and existence of metabolic syndrome risk factors affect morning erection.
Yuichiro IMAMURA, Haruaki SASAKI, Kota KIKUNA, Nagomi KIDA, Yuta OGUSHI, Ayana NIIKURA, Tomoka OTA, Yuki ICHIMURA, Yu HASHIMOTO, Ippei KUROKAWA, Hiroo SHIMOYAMA and Michiya OTA
Department of Urology, Showa University Fujigaoka Hospital
Kimiyasu ISHIKAWA
Department of Urology, Yokohama Shin-midori General Hospital
Kazuhiko OSHINOMI, Takeshi SHICHIJO and Takashi FUKAGAI
Department of Urology, Showa University Hospital
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弊社への就職をご希望の皆さまへ
弊社HPをご高覧いただき誠にありがとうございます。
現在、弊社は求人募集や求人内容を公開できない状況にあります。これは、募集すると各種業者による様々な売り込みが激増して煩わされ、他の業務に支障を来すためです。
つきましては、万がいち弊社への就職をお考えいただける方がいらっしゃいましたら、恐れ入りますが『こちらのお問い合わせフォーム(個人のお客様)』の各欄へご記入いただき、お問い合わせ内容欄には次の事項をご記入のうえ、お問い合わせいただけますでしょうか。
1.ご希望の仕事(ご希望の業務や職種の内容)
2.ご希望の勤務地(豊島区の本社営業所、もしくは甲府工場)
3.ご希望の処遇・条件
4.自己PR・弊社への期待など
ご記入いただきましたご連絡先・ご返信先をはじめ、ご記入内容に問題がなければ、受信後から数日内を目安に御礼のご返信をさせていただきます。
その上で、お送りいただいた内容と弊社とのマッチングを社内で検討させていただき、ご希望にお応えしたいと判断させていただいた際は、ご記入いただいた連絡先に何らかの形(第1選択肢はメール。必要に応じ電話・郵送のいずれか)で1次面接に向けた日程調整のご連絡をさせていただきます。
以上、ご了承のほど何卒お願い申しあげます。
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平素より弊社製品「トノス」(第1類医薬品・男性ホルモン軟膏剤)をご愛顧いただき厚く御礼もうし上げます。
2022年9月下旬より、トノス3g入を新発売いたします。
トノス 3g入
税別・希望小売価格:4,546円
(税込・希望小売価格:5,000円)
トノス 3g入 製剤の成分・配合量・製造方法は従前の通りで、変更はありません。
なお、現在販売中のトノス5g入は在庫分の完売をもって終売とさせていただきます。
今後とも変わらぬお引き立てのほど何卒お願い申し上げます。
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テストステロンは男性の女性に対する魅力性判断に早期に影響する
男性からみた女性の魅力性判断は、恋愛関係の開始と維持の欲求に影響を与える。テストステロンもまた、恋愛関係の開始と維持を予測する。このような効果は、ホルモンによる魅力性判断の調整によってもたらされると考えられるが、ホルモンがこれらの判断に及ぼす因果的(かつ状況依存的)効果については、これまで研究されていない。
プラセボ対照クロスオーバーデザインを用いた事前登録分析により、順序および関係依存的な効果が明らかになった:
独身男性(ヘテロセクシャル)は、テストステロンが先に(そしてプラセボが後に)投与された場合、女性をより魅力的と判断したが、プラセボが先に(そしてテストステロンが後に)投与された場合は、余り魅力的ではないと判断した。
しかし、女性の魅力(独立した観察者による評価)を組み込んだより複雑なモデルでは、テストステロンが女性の魅力を高める効果は男性の交際状況と女性の魅力に依存する事を示した。
パートナーを持つ男性(n = 53)では、魅力的な対象を軽視する(魅力が低いと評価する)傾向があり、テストステロンはこの効果に対抗して、これらの魅力的な対象の魅力を高めた。
独身男性(n = 53)では、逆に、テストステロンは、魅力の低い女性の魅力を増加させた。
このような効果の違いは、テストステロンが、パートナーがいるときはグレーディングを下げるよりも高め、独身のときは対象の選択性を低下させるという、関係性の状態によって異なるルートで男性の生殖能を促進するという、新たなメカニズムの可能性を明らかにしている。
さらに、このような作用は比較的早く(85(±5)分以内)発現し、非ゲノム的な作用機序の可能性が示唆された。
Geniole SN, Proietti V, Robinson BA, Bird BM, Watson NV, Bonin PL, Goldfarb B, Carré JM.
Department of Psychology, Nipissing University, 100 College Drive, North Bay, Ontario P1B8L7, Canada; Department of Basic Psychological Research and Research Methods, Faculty of Psychology, University of Vienna, Liebiggasse 5, 1160 Vienna, Austria; Department of Psychology, University of the Fraser Valley, 33844 King Road, Abbotsford, British Columbia V2S 7M8, Canada.
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腸内細菌叢(そう)と前立腺がん及びアンドロゲンとの関連性~レビュー
腸内細菌は、アルツハイマー病、関節リウマチ、大腸がんなど、いくつかの病気と関連している。また、腸内細菌は免疫機能の調節にも関連しており、その結果、免疫チェックポイント療法に対する反応が異なることが分かっている。腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)は、ライフスタイル、食事、性別、人種、遺伝的背景、国によって異なる。生活習慣、特に食事は、前立腺がんの発症と進行に重要な役割を果たしている。
最近の研究により、腸内細菌と前立腺がんの関係が明らかになっている。高脂肪食は腸内細菌の異常を引き起こし、短鎖脂肪酸やリン脂質などの腸内細菌代謝産物が全身循環に入り、結果として前立腺がんの増殖を促進する。
さらに、腸内細菌叢は、前立腺がんの進行に影響を与えるテストステロンの供給源として機能可能である。去勢抵抗性前立腺がんの男性では、アンドロゲン機能を持つ腸内細菌が増加している。高リスクの前立腺がんの男性は、特定の腸内細菌プロファイルを共有しており、腸内細菌叢のプロファイリングは、高リスクの前立腺がんの男性をスクリーニングするための有効なツールとなる可能性がある。
生活習慣の修正により、腸内細菌叢を改善することができる。さらに、プレバイオティックやプロバイオティックの介入により腸内細菌叢を変化させることで、前立腺がんの発生を予防または遅延させることができるかもしれない。「腸-前立腺軸」に関する研究の進展は、前立腺がんの予防、スクリーニング、治療に関する新たな戦略の発見につながるであろう。
Gut microbiome and prostate cancer.
Fujita K, Matsushita M, Banno E, De Velasco MA, Hatano K, Nonomura N, Uemura H.
Department of Urology, Kindai University Faculty of Medicine, Osakasayama, Japan.
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