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更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

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月別アーカイブ:2016月10月

  • 低カロリー食事療法実施肥満男性の脂肪および非脂肪量に対するテストステロン補充療法の影響

    2016年10月20日


    <目的>
    T(テストステロン)療法がカロリー制限以上に体組成に対して有用であるか否かは不明である。そこで、T療法はダイエットによる脂肪の減少を増強し、筋肉喪失を防御するかを検討した。

    <方法>
    三次医療センターにおいて無作為、二重盲検、平行、プラセボ比較試験を行った。対象はTTが12 nmol/L以下の肥満男性 (BMI  ≥ 30 kg/m2) 100例で、年齢の中央値は 53 歳 (四分位範囲 47-60)である。10週間の高度低エネルギーダイエット(VLED)に続き46週間の体重維持を行った。開始時から56週の間、無作為にT群(10週に1回Tアンデカノエイト筋注、n = 49, cases))またはプラセボ群(n = 51, controls)に割り付けた。
    主要評価項目はDEXAによる脂肪および非脂肪量、およびCTによる内臓脂肪面積の群間差異である。

    <結果>
    ・計82例が試験を完了した。
    ・試験終了時、P群に比してT群の脂肪量の減少は大きく、平均群間差異(MAD)は -2.9 kg (-5.7 to -0.2; P = 0.04), であり、また内臓脂肪面積のMADは-2678 mm2(-5180 to -176; P = 0.04)であった。
    ・両群ともにVLED後に非脂肪量が同様に減少したが(T群 -3.9 kg (-5.3 to -2.6); P群 -4.8 kg (-6.2 to -3.5), P = 0.36)、T群は体重維持期間に非脂肪量が回復した(3.3 kg (1.9 to 4.7), P < 0.001)。一方P群では非脂肪量の回復は有意ではなかった(0.8 kg (-0.7 to 2.3), P = 0.29) 。それゆえ、試験終了時のT群の非脂肪量の減少はP群に比して緩和され、MAD は3.4 kg (1.3 to 5.5), P = 0.002)であった。

    <結論>
    プラセボの投与を受けダイエットを行った男性は脂肪および非脂肪量の両者が減少したが、T投与を受けた男性の体重減少は殆どが体脂肪の減少によるものであった。

    <原著>
    BMC Med. 2016 Oct 7;14(1):153.
    Effects of testosterone treatment on body fat and lean mass in obese men on a hypocaloric diet: a randomised controlled trial.
    Ng Tang Fui M, Prendergast LA, Dupuis P, Raval M, Strauss BJ, Zajac JD, Grossmann M

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  • 肥満手術によるテストステロンおよびSHBGの変化

    2016年10月20日


    <目的>
    肥満は男性の性腺機能低下症のリスク因子であり、体重減少は肥満男性の性腺機能低下症を改善する。そこで、肥満手術後の性ホルモンの早期の変化を調査した。

    <方法>
    29例の病的肥満男性を対象に前向きの研究を行った。主要評価項目は術後1およぼ6ヶ月後のTT(総テストステロン)、FT(フリー・テストステロン)、SHBG、E2、アディポネクチンおよびレプチンの変化である。

    <結果>
    ・対象の平均年齢は31 ± 8 歳、および平均BMIは56.8 ± 11.7 kg/㎡であった。
    ・15例が.ルーワイ胃バイパス術を、14 例がスリーブ状胃切除術を行った。.
    ・術前、22例(75.9%)が低 TT  (<10.4 nmol/L) 、あるいは低FT (<225 pmol/L)のいずれかであった。
    ・手術1ヶ月後TTおよびSHBGは有意に上昇した(p ≤ 0.001)。
    ・6カ月後、TT およびFT は有意に上昇し(p ≤ 0.001)、 22 例 (75.9%)は TT およびFTが正常化した。
    ・E2レベルは1および6ヶ月後ともに変化がなかった。

    <結論>
    肥満手術1ヶ月後にTTおよびSHBGは上昇した。一方、FTは6ヶ月後に改善が見られた。

    <原著>
    Int J Endocrinol. 2016;2016:1416503. Epub 2016 Sep 20.

    Changes in Testosterone Levels and Sex Hormone-Binding Globulin Levels in Extremely Obese Men after Bariatric Surgery.

    Boonchaya-Anant P, Laichuthai N, Suwannasrisuk P, Houngngam N, Udomsawaengsup S, Snabboon T

     

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    カテゴリマーク加齢とQOLの低下・
    生活習慣病

    加齢とQOLの低下・生活習慣病

    射精頻度と前立腺癌リスクの関連性-2004年以降の追跡調査研究

    2016年10月03日


    <目的>

    エビデンスは射精回数が前立腺がん(PC)リスクと逆向きに比例する事を示し、PCに対するいくつかの修飾リスク因子が明らかになっている。

    これまでに報告した射精回数とPCの関連性に関する分析に、その後10年間の追跡調査結果を加え、さらに臨床的に関連する疾患群および他の原因による死亡の影響を加え、総合的に分析した。

    <方法>

    平均月間射精回数に関する自己報告データが活用できるHealth Professionals Follow-up Studyの参加者にて前向きのコホート研究を行った。

    対象は1992年の質問票調査にて射精回数を回答し、その後2010年まで調査した31,925例の男性である。月間射精回数を20~29歳、40~49歳および質問票配布前年の3時点にて算定した。

    一次評価項目は総PCの発症および臨床的に関連のある疾患である。ハザード比(HR)および95%CIをコックスモデルにて求めた。

    <結果>

    ・480831 person-yearsのおいて3,839例がPCと診断された。

    ・40~49歳の射精頻度は年齢標準化BMI、身体活動、離婚、性感染症の病歴、および総カロリーおよびアルコール摂取量とポジティブに関連していた。

    ・2008年のPSAテストの実施、PSAテスト回数および前立腺生検頻度はいずれの射精頻度においても差異がなかった。

    ・多変量分析において、射精頻度21回以上のPC発症HRは4~7回の射精頻度に比して20~29歳で0.81 (95% CI 0.72-0.92; p<0.0001 for trend)および40~49歳で0.78 (95% CI 0.69-0.89; p<0.0001 for trend)であった。

    <結論>

    この結果はPCの病因において成人世代を通じて高頻度の射精は有益な役割をはたしているというエビデンスを加えるものである。

     

    Eur Urol. 2016 Mar 28. pii: S0302-2838(16)00377-8. doi: 10.1016/j.eururo.2016.03.027.

    Ejaculation Frequency and Risk of Prostate Cancer: Updated Results with an Additional Decade of Follow-up.

    Rider JR, Wilson KM, Sinnott JA, Kelly RS, Mucci LA, Giovannucci EL

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