月別アーカイブ:2014月06月
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■ 要約
テストステロンの欠乏は心血管疾患(CVD)を有する男性において高率に認められ、死亡率の上昇と関連している。低テストステロンはインスリン抵抗性、糖尿病、脂質異常、内臓肥満および内皮機能異常等の心血管リスク因子に対し悪影響をもたらす。男性という性は早期のCVDおよび死亡率に対するリスク因子としてよく知られている。 テストステロンの欠乏はアテローム形成の寄与因子か、あるいは単に病態のバイオマーカーに過ぎないか否かという疑問が挙がっている。
動物実験および in vitro での研究結果はアテローム形成に関する機序がテストステロンによって抑制的に調整されている事を示している。
疫学的研究は中等度~正常上限内の内因性テストステロン・レベルの男性は低テストステロンおよび高テストステロンの男性に比して心血管イベントが減少していた事を示した。
性腺機能低下男性に対する正常レベルのテストステロン補充は心臓虚血、機能的運動容量等の幾つかの心血管リスク因子に対し有用効果を示し、死亡率を改善した。
しかし、未治療あるいは高用量のテストステロンの研究では心血管関連イベントのリスク上昇と関連していた。
それゆえ、臨床的モニターおよびテストステロン用量の適正化が非常に重要である。
■ 原著
Front Horm Res. 2014;43:1-20. Epub 2014 Jun 10.
Testosterone and cardiovascular risk in men.
Kelly DM, Jones TH.続きを読む
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IVF/ICSI(体外受精・顕微授精)のプア・レスポンダーに対する経皮テストステロ前処置療法のメタ解析
■ 目的
IVF/ICSIにおける卵巣反応低下患者に対する経皮T前処置の有効性についてメタ解析を行った。■ 方法
MEDLINE, EMBASE, コクランライブラリーおよび中国の生化学データベースを用いて無作為化コントロール試験(RCT)の調査を行った。
IVF/ICSI(体外受精・顕微授精)の前に経皮T投与を行いコントロール群と転帰を比較した3つのRCTについてメタ解析を行った。■ 結果
- 3つのRCTの症例数は221例であった。
- メタ解析の結果、IVF/ICSIの前処置に経皮T投与を受けた患者は生存児誕生率[RR=2.01, 95% CI 1.03-3.91],および臨床的妊娠率(RR=2.09, 95% CI 1.14-3.81)が2倍高く、卵子回収率が有意に高かった[mean difference (MD)=1.36, 95% CI 0.82-1.90]。
■ 結論
現況の知見は、経皮Tの前投与がIVF/ICSIに対する卵巣反応低下患者の臨床的転帰を改善する可能性を示している。しかし、研究の対象数が少なく、一様でない事に注意しなければならない。正確な結論に達するためにはより質の高いRCTが必要である。■ 原著
Exp Ther Med. 2014 Jul;8(1):187-194. Epub 2014 Apr 14.(A-935)
Effect of pretreatment with transdermal testosterone on poor ovarian responders undergoing IVF/ICSI: A meta-analysis.
Luo S, Li S, Li X, Qin L, Jin S.続きを読む
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■ 要旨
テストステロン療法(TT)の開始と血栓(~4.5months)および心血管(CVD)イベント(~3months)の発症までの期間は類似しており、病態生理学的に同様の基盤があると推定される。
我々は男性38例および女性4例においてテストステロン療法開始5カ月後(中央値)に発症した血栓イベントを報告した。 このうち27例は深部静脈血栓-肺塞栓症、12例は骨壊死、1例は中心網脈血栓症、1例は一過性黒内障および1例は脊椎梗塞を呈した。
テストステロン療法を続行した8例の男性において、適正な抗凝固療法にも拘らず2回目の血栓イベントを発症し、うち3例では3回目の血栓イベントを発症した。
これら42例中40例は血栓形成素因-線溶系低下の測定がなされ、39例はテストステロン療法開始前に診断がなされていなかった。
テストステロン療法を開始する前、特に血栓イベントの病歴のある男性では最低限、第5因子ライデンおよびプロスロンビン変異、第8および11因子およびホモステインを測定する事を提案する。
血栓症の病歴あるいは遺伝性の血栓形成傾向の全患者に対してテストステロン療法のスクリーニングがなされるべきか否かに関して焦点を当てたプロスペクチブなデータが必要である。
テストステロン療法および全原因および心血管死亡および死亡率および血栓症についての疑問を解決するため、WHI研究のような長期的、前向きの無作為盲検化試験が必要とされる。
前向きのプラセボー比較のテストステロン療法の結果が出るまで、テストステロン療法は厳密にアンドロゲン欠乏症が確認された男性に制限されるべきである。■ 原著
Metabolism. 2014 May 15. pii: S0026-0495(14)00145-0.
Testosterone therapy, thrombosis, thrombophilia, cardiovascular events.
Glueck CJ, Wang P続きを読む