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低テストステロンは20-79歳の男性の死亡リスクを上げる

2010年03月05日


【 目的 】
低テストステロンと死亡率の関連性は近年の研究で明らかになったが、これらは少数の住民調査研究である。
低テストステロンが全原因あるいは原因の特定できる死亡のリスク因子であるか否かを20-79歳の男性の地域住民標本にて調査を行った。

【 方法 】
前向きの住民調査研究”Study
of Health in
Pomerania”の1954例のデータを用いた。ベースラインでのテストステロン測定が行われ、平均フォローアップ期間7.2年間に195例の死亡がある。総テストステロン8.7
nmol/L (250 ng/dL)

以下を低値と分類した。低テストステロンと全原因あるいは原因の特定できる死亡との関連性をコックス比例ハザード回帰モデルにて解析した。

【 結果 】
・低テストステロンの男性は高いテストステロンの男性より全原因死亡率が有意に高かった(HR
2.24; 95% CI
1.41-3.57)。
・ウェスト周囲径、喫煙週間、ハイリスクな飲酒、身体活動、腎不全およびDHEAsで調整後も低テストステロンと死亡率の上昇の関連性は有意であった(HR
2.32; 95% CI 1.38-3.89)。
・原因特定解析において、低テストステロンは心血管疾患(HR 2.56; 95% CI

1.15-6.52)および癌(HR 3.46; 95% CI
1.68-6.68)による死亡リスクの上昇を予測したが、呼吸器疾患あるいは他の原因については関連がなかった。

【 結論 】
低テストステロンは多数のリスク因子と独立して全原因死亡のリスク上昇と関連していた。テストステロン・レベルは心血管疾患および癌による死亡率と逆相関し、予測マーカーとして使用可能である。

【 原著 】
Eur Heart J. 2010 Feb 17.

Low serum testosterone levels
are associated with increased risk of  mortality in a population-based cohort
of men aged 20-79.

Haring R, Volzke H, Steveling A, Krebs A, Felix SB, Schofl
C, Dorr M, Nauck M, Wallaschofski H.
Institute of Clinical Chemistry and
Laboratory Medicine, Ernst Moritz Arndt University Greifswald,
Germany.

【 弊社コメント 】

テストステロンのレベルが低いほど、心血管疾患や癌の死亡率が高くなる事を示唆する報告です。テストステロンが低くならないようにテストステロンを補充すれば、これらの疾患を予防できるかも知れません。
・・・
ですが、先ずは健康的な生活習慣(バランスの良い食生活、適度な運動、昼型の規則正しい生活、ストレスの発散、過度な飲酒や喫煙などのリスク要因を避け
る・・・等)によって、テストステロンが低くなり過ぎないようにする事こそ最も無難で低コストなアンチエイジングの極意で、男性にとって長寿の秘訣と思わ
れます。 ただし、その実践が困難・・・というのが個人的実感です。(福)

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