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「ヒメロス」「バストミン」と併用できない医薬品・食品について
「ヒメロス」と「バストミン」の添付文書(平成26年/2014年 2月改訂版)において、次の医薬品・含有食品との併用を禁止していますが、その理由について次の通りご説明いたします。
■ 他の女性ホルモン剤
ヒメロスとバストミンの同時併用をはじめ、他社の女性ホルモン含有医薬品、ピルなどの同時併用は、女性ホルモンの過剰投与にともなう不測の有害事象が懸念されます。■ リファンピシン
結核やハンセン病の治療に使われる薬剤の成分。 肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用にともない、様々な薬剤との相互作用が指摘されていますが、これらの中に卵胞ホルモン剤の指摘もあることから、市販薬として万全を期すため併用しないように記しています。簡単に記しますと、リファンピシンが肝臓で薬物を代謝する酵素を増やすので、併用した他の薬剤の代謝が本来よりも進んでしまい、結果的に併用した薬剤の効果が減弱する恐れがあります。
■ 抗てんかん剤
抗てんかん剤(フェノバルビタール・フェニトイン・カルバマゼピンなど)は、肝臓で薬物代謝酵素(シトクロムP‑450)を誘導すると言われていますが、これにより併用した卵胞ホルモン剤の代謝を促進するため、効果が減弱する恐れがあると言われています。■ HIV逆転写酵素阻害剤
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤のうち、ネビラピンではエチニルエストラジオールのAUCが減少して、作用が減弱する恐れがあると言われています。一方では、エトラビリンであると、代謝酵素(CYP2C9)を阻害すると言われているため、卵胞ホルモン剤の血中濃度が本来よりも下がらず、結果的に作用を強める恐れがあります。
■ ステロイドホルモン
ステロイドホルモンは、副腎皮質ホルモン、男性ホルモン、卵胞ホルモン、黄体ホルモンの総称ですが、肝臓の薬物代謝酵素(シトクロムP‑450)はステロイドホルモンの生合成にも関係しているため、併用により不測の影響が懸念されることから、市販薬として万全を期すため併用しないように記しています。 先述した「他の女性ホルモン剤」と重複することをご了承ください。■ プロテアーゼ阻害剤 (リトナビル製剤)
肝薬物代謝酵素を誘導するため、エチニルエストラジオールの血中濃度が減少して、効果が減弱する恐れがあると言われています。■ セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)は、肝臓の薬物代謝酵素(シトクロムP‑450・CYP3A4)を誘導するため、様々な薬物の効果を減弱させてしまうことが知られていますが、卵胞ホルモン剤もそうなる恐れがあるため、記載しています。■ イプリフラボン
イプリフラボンは骨粗鬆症の改善薬ですが、卵巣摘出動物にエストロンと本剤を併用投与した場合、エストロンのエストロゲン作用が増加するとの報告があり、エストロゲンの作用を増強させると言われています。 その結果、ヒメロスやバストミンの作用を強める恐れがあるため、記載しています。■ グレープフルーツジュース
グレープフルーツ中のフラノクマリン類が、肝臓の薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると言われていますが、グレープフルーツと共に投与した薬剤が肝臓で代謝されず、本来よりも高い血中濃度が続くため、効果が増強される恐れがあります。続きを読む
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閉経後の性交で痛みがあり、以前は「鍵」という腟座薬を使っていましたが、今は入手できません。代替品として薬局で「ヒメロス」を勧められましたが、使えますか?
(女性・55~64才)
- これまでお使いいただいた女性ホルモンの腟座薬の代わりに、「ヒメロス」軟膏も同様の効果が期待できます。
- また、外陰部への塗布で効果が期待できる、ヒメロスより使いやすく塗心地の良いクリームタイプの「バストミン」もございますので、併せてご検討くださいませ。
- 「ヒメロス」と「バストミン」の違いにつきましては、こちら(クリック)でご説明しておりますので、併せてご覧くださいませ。
- 「ヒメロス」と「バストミン」の購入方法・製品取扱施設(薬局・薬店)は、下記のリンク先をご参照くださいませ。
ヒメロス製品取扱施設は、こちらのリンク先(弊社製品取扱施設情報)をご参照くださいませ。
e健康ショップ「おくすり予約」
◆薬局サーチ
◆「ヒメロス」予約ページ
バストミン製品取扱施設は、こちらのリンク先をご参照くださいませ。
e健康ショップ「おくすり予約」
◆薬局サーチ
◆「バストミン」予約ページ続きを読む
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ヒメロスと糖尿病との関連を教えてください。
糖尿病の人は本剤の使用は不可とありますが、どういう副作用があるのでしょうか?
現在投薬はアマリール3mg グラクティブ50mgを毎朝各1錠を服用しています。インスリンの注射はしておりません。 (女性・55~64才)
弊社の女性ホルモン(エストロゲン)軟膏「ヒメロス」および「バストミン」では、過去48年余にわたり糖尿病に関連した有害事象を経験しておりませんが、糖尿病の人が使用した場合、他製剤の情報等から、最悪の場合は下記の事実から糖尿病の悪化や、血栓症、血管系の疾患、例えば血栓にともなう失明が起きる懸念がございます。女性ホルモンは、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン、プロゲスチン)」に二大別されます。 「ヒメロス(バストミン)」は、エストロゲンの軟膏剤で、市販薬(指定第2類医薬品)です。
一方、医療用のエストロゲン製剤には各種ありますが、いずれの製剤も禁忌、あるいは注意投与の中に糖尿病がございます。 特に、「血管病変を伴う糖尿病(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)」に対する禁忌が指摘されています。
医療用エストロゲン製剤に関する情報によりますと、「耐糖能を低下させるおそれ」や「血栓症」のリスクが指摘されており、前記の禁忌や注意投与の理由と考えております。以上の参照文献としては、下記のリンク先をご参照下さいませ。
以上の経緯を踏まえ、もし「ヒメロス」または「バストミン」をご検討いただく際は、あらかじめ主治医に可否のご相談をいただくのが最善と存じます。
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ヒメロスを豊胸目的で乳房等に塗っても大丈夫でしょうか?
(女性・35~44歳)
弊社は、あくまで低用量の女性ホルモンを短期間、間欠的に投与するのが安全なご使用方法と考えておりますが、いずれにせよ後述の通り恒久的な豊胸効果は期待できません。
豊胸の目的ではヒメロス(またはバストミン)をご使用しないように何卒お願い申し上げます。◆ 女性ホルモンと乳房の張りについて
女性には、第二次性徴が発現して初潮から閉経に至るまでの間、一般に女性ホルモン分泌の月内変動があります。これにともない、人によりホルモン分泌の変動に伴う乳房の張りを自覚する場合があるかと存じます。
しかしながら、これはあくまで一時的な生理現象であり、乳房の発育、発達とは異なります。
特に第二次性徴後の発達を終えた成人女性が、女性ホルモンの投与により乳房そのものが発達して恒久的かつ著明に豊胸できる可能性は、一般的には考えにくいものと存じます。
◆ 高用量な女性ホルモン剤の長期連続使用のリスク
もし、一時的な乳房の張りを維持させることで豊胸させたように見せるため、本来の生理的な分泌レベルを超える高用量な女性ホルモン剤を1年以上にわたり続けて投与し続けますと、その連続投与期間が長くなるほど子宮体がんの発症リスクや血栓症を起こすリスクが高まる、という指摘があります。
そのため、私どもは女性ホルモン剤の長期的な連続使用を決してお勧め致しません。
女性ホルモンによる一時的な乳房の張りを豊胸効果と訴求する業者等に対しましては、弊社は一線を画す立場でございます。
以上、何卒ご了承のほどお願い申し上げます。
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ヒメロスの主な副作用について教えてください。 (性別・年齢不詳)
ヒメロスでは、市場導入後の約40年間で、重篤な副作用の事例を経験しておらず、また、この10年の間でも軽度な副作用(痒みなど)について数件のお問い合わせをいただいた事はありますが、医療機関の受診を要するほどの事例は経験しておりません。
なお、本剤の有効成分を含む医療用の薬剤における副作用情報にもとづき想定される最悪のケースと、その対応につきまして、次の通りご案内致します。
(1) 乳がん、子宮がん、卵巣がん
高用量な医療用の薬剤で、エストロゲンを長期間にわたり連続使用した場合に、これらの悪性腫瘍のリスクが高まると言われております。
また、既にこれらの悪性腫瘍に罹患している場合は、女性ホルモン剤の使用で病状を進行させる恐れがあります。
一方、本剤のような低用量で、かつ3ヶ月以内の短期投与によって、これらの悪性腫瘍を発症したという報告はございませんし、弊社製品は過去40年間でそのような事例を経験していません。以上より、次の事項をご注意ください。
① 本剤を初めてご使用する前には、これらのがん検診をお願い致します。既にこれらの腫瘍に罹患している人、恐れのある人は本剤を使用しないでください。
② ご家族、あるいは本人に悪性腫瘍の病歴がある場合は、本剤を使用しないでください。(遺伝要因や転移のリスク要因を避けるため。)
③ 本剤のご使用で症状が軽快し次第、ご使用を止めていただき、なるべく続けて使用しないで下さい。 症状の軽快後は1ヶ月以上を目安になるべく長く休薬期間を置いて、 症状が再発した際に再度、使用するといった間欠的な投与をお勧めします。なお、やむを得ず3ヶ月以上、続けてご使用になる場合は、少なくとも6ヶ月に1回以上の頻度で定期的ながん検診をお願い致します。
(2) 皮膚の発赤、痒み、かぶれ、腫れ、薬疹
人により、本剤の成分がお肌に合わない場合がございます。また、手指や塗布部が不潔であったり、傷がありますと、炎症などの原因になります。そのため、次の事項にご注意ください。
① ご使用前に、手指と塗布部を清浄にして、傷や湿疹が無い事をご確認ください。
② 初めてご使用になる前に、内股など皮膚のうすい所に本剤を塗り、翌日中に薬疹、発赤、痒み、かぶれ、腫れ等の異常が生じないことをご確認ください。異常が生じた場合は、本剤を使用しないでください。
③ 過去に、薬や化粧品等を塗って、これらのアレルギー症状を起こした事がある場合や、ご家族または本人がアレルギー体質である場合は、あらかじめ医師や薬剤師にご相談するなど、慎重にご使用ください。
④ ご使用中に、これらの症状が起きた場合は、直ちにご使用を中止して、患部を清浄に保ちながら安静にしてください。通常は数日で軽快しますが、日ごとに症状が悪化する場合は皮膚科を受診してください。
(3) 乳房の痛み、緊満感
生理周期にともなう通常の範囲内の痛みや張りを超えるような異常な痛みや張りがある場合は、直ちに本剤の使用を中止してください。その後、約2週間の間に軽快しない場合や、症状が悪化する場合は、婦人科あるいは乳腺外科を受診してください。
(4) 吐き気、嘔吐、食欲不振、頭痛、むくみ、めまい
医療用の女性ホルモン製剤における副作用事例で、ヒメロスでは経験がございません。
(5) 不正出血、経血量の変化、帯下(こしけ: 粘液や白血球を含む、白色または黄色で粘液性の腟からの排出物)
閉経後のご使用にともなう月経の再開のような不正出血を経しておりますが、逆に、閉経前の女性で生理不順が規則正しくなったケースもございます。本剤の使用を中止することで、元の状態に戻るものと考えております。
(6) 色素沈着、腹部疼痛、下痢、動悸、眠気、不眠、血圧上昇、便秘、腹部膨満感
医療用の女性ホルモン製剤における副作用事例で、ヒメロスでは経験がございません。
追記: その他の注意事項について
(1) 妊娠または妊娠している可能性がある場合は、本剤を含む全ての女性ホルモン剤を使用しないでください。胎児に悪影響を及ぼす恐れがあります。
(2) 授乳中の場合は、本剤を含む全ての女性ホルモン剤を使用しないでください。他剤の報告で、母乳に成分が移行して母乳を飲んだ新生児に悪影響を及ぼすことが指摘されています。
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