タグ:睾丸
-
睾丸がものすごく小さくなってきました。睾丸サイズを大きくし、ある程度それを維持することを目的とした場合、「グローミン」の使用は適切でしょうか。
(39歳・男性)
恐れ入りますが、適切ではありません。最悪の場合、逆効果になる恐れがございます。このような目的で、「グローミン」をご使用しないで下さいませ。
◆ 睾丸の働きを踏まえた、グローミンが逆効果になる理由
睾丸(=精巣)は、ご存知の通り精子を作る器官ですが、男性ホルモン(主にテストステロン)を分泌する器官でもあります。
そして、脳下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)がテストステロンと共に精巣内のセルトリ細胞へ作用して、精子を作るように促します。
また、脳下垂体から分泌されるLH(黄体形成ホルモン)は、精巣内のライディッヒ細胞に作用して、男性ホルモン分泌を促します。なお、FSHやLHの分泌は出しっ放しではなく、男性ホルモンが十分に分泌されると、LHの分泌が抑えられて、自ずと精巣での男性ホルモン分泌が抑えられますし、FSHも抑えられますので、これにより、男性ホルモンや精子の産生が過剰にならぬよう適度なレベルに調節されています。
ところが元々必要十分な男性ホルモンの足りている人に、男性ホルモンを過剰に補充しますと、上記のLHやFSHが抑えられたままになってしまいますので、精巣内のセルトリ細胞やライディッヒ細胞が仕事をしない状態が続くことになりかねません。
もし、このような状態が長期間にわたり続きますと、最悪の場合は精巣の萎縮が懸念され、自力で精子や男性ホルモンを産生できなくなってしまう恐れがございます。
◆ 睾丸を大きくする方法について
睾丸のサイズを大きくすること自体を目的とする、学術的に認められた治療戦略は、恐れ入りますが把握できておりません。
先述の機序におきまして、「睾丸の大きさ」→ 「精子を作る機能に影響」→ 「セルトリ細胞の活性化」→ 「FSHの作用」の流れを考えますと、FSHを投与すればセルトリ細胞が活発になり、造精能力の向上と共に睾丸を大きくするのではないか…?と、期待したいところです。しかしながら、FSH製剤は少なくとも男性不妊の治療を目的とするものなので、男性不妊の専門医を受診してご相談いただくことが前提になるかと存じます。
その他、医学的根拠の証明が無いながらも、効果が期待できて、自己完結できる民間療法としては、やはり金冷法と禁欲(完全な禁欲でなく、一定のペースダウン)が考えられます。
すなわち、自律的に男性ホルモンを十分に分泌している一方で、睾丸の負担が大きい状況である場合ですが、例えば射精頻度が多い割に、日頃の睾丸の冷却が不十分だと、結果的に睾丸の機能が低下して萎縮することがあるのではないでしょうか。
少なくとも金冷法につきましては、体温以上の温度環境が造精機能に悪影響を及ぼす事には医学的な根拠があり、睾丸を体温以下に維持し続ける事は医学的にも重要とされています。
もし、そうであれば射精頻度をペースダウンした上で現状の下着やズボン等の着衣、日常作業等の生活習慣が睾丸にとって冷却性が良くなければ、これらの改善をしたり、長風呂で睾丸を温め過ぎないようにする等の対応が考えられます。リスクが無く基本的に費用もかからないと存じますので、お試しになってみてはいかがでしょうか。
続きを読む