サーチュイン1(SIRT1)発現に対するアンドロゲンおよびエストロゲンの影響
2020年05月10日
<目的>
ヒト大動脈内皮細胞(HAEC)におけるサーチュイン1(SIRT1)発現に対するアンドロゲンおよびエストロゲンの影響を調査した。
<方法>
48時間にわたるSIRT-1発現のRT-PCR分析を、各種濃度のDHEA、アンドロステンジオンおよびテストステロン(アンドロゲン)、E1、E2、および E3(エストロゲン)にて処理されたHAECsにおいて時間経過の用量依存性を調査するためを行った。また、アンドロゲンおよびエストロゲンによって誘発されるSIRT1発現に対する高グルコースの影響を調査した。
<結果>
・10~20μg/ mlのDHEA、アンドロステンジオン、テストステロンは、SIRT1発現を用量依存的に増加した。
・高グルコース(40 mM)培地は、10μg/ mlの DHEA誘発SIRT1発現を有意に抑制した(p = 0.024)。
・10~20μg/ ml のE1およびE2は、SIRT1発現を用量依存的にに著明に増加した(p=0.007, p=0.005)が、E3には増加作用が認められなかった。
・20 mMまたは40 mMグルコース培地での処理は、対照培地に比してE1およびE3誘発SIRT1発現を有意に阻害しなかった。ただし、20 mMまたは40 mMの高グルコース培地での処理は、対照培地に比して、E2誘発SIRT1発現が顕著に高かった(p = 0.007、p = 0.005)。
<結論>
DHEA、アンドロステンジオン、テストステロン、E1、およびE2はHAECのSIRT1発現を明らかに活性化した。高グルコース培地は、基礎的な遺伝子発現を強力に阻害するが、アンドロゲンおよびエストロゲン誘発SIRT1発現を減少しなかった。
Effects of androgens and estrogens on sirtuin 1 gene expression in human aortic endothelial cells
- PMID: 32291422
- DOI: 10.15537/smj.2020.4.25006
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