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女性の血清テストステロンおよびSHBGの正常範囲

2014年11月05日


【目的】
内分泌系の生化学的測定値の正常範囲は一般的にキットの製造メーカーにより提示されたものを用いている。しかしこれは各メーカー独自の正常範囲である。
当施設および一般的に適正な血清TおよびSHBGの正常範囲を測定し、高アンドロゲン血症の判定に及ぼす影響を検討した。
SHBGおよびテストステロンを測定し遊離および生物学的Tは計算により求めた。対象は高アンドロゲン血症ではないことが確認され選ばれた女性30例(a群)、健康女性血液提供者87例(b群)、高アンドロゲン血症の女性53例(c群)およびキットメーカーの正常範囲では生化学的高アンドロゲン血症ではないが高アンドロゲン性の異常を示す女性38例(d群)である。

【結果】
・平均SHBGは4群間で有意に異なっていた。
・SHBGは高アンドロゲン血症ではないことが確認され選ばれたa群で有意に高かった。
・新たな正常範囲としてこのa群の値を用いると、明らかなアンドロゲン血症ではないが高アンドロゲン性の異常を示す女性38例中12例(31.6%)が高アンドロゲン血症と判定される。
・同様に健康女性血液提供者(b群)63例中4例が高アンドロゲン血症と判定された。

【結論】
高アンドロゲン血症の診断はSHBGの正常範囲に関してメーカーのものではなくカスタマイズされたものを用いることで正確さが改善される。

【原著】
Medicina (B Aires). 2014;74(5):359-362.
Female hyperandrogenemia and normal serum levels of testosterone and sex hormone binding globulin.
Danilowicz K, Bruno OD, Mana D, Serra HA, Cross G, Rey JA.

【弊社コメント】
女性のテストステロンの男性と異なり正常値は学会等で定められたものがありません。 (野)

 

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