テストステロンの変化は積極的行動に対する勝利の影響に介在する
2013年04月19日
【 目的 ・ 方法 】
テストステロンは競争の中で上昇し、勝者は敗者に比してその上昇が維持される。 この神経内分泌学的反応は将来の支配的行動に影響する事が理論的モデルにより提唱されている。 動物モデルの研究ではこのモデルが支持されるが、ヒトの社会的行動に適用できるというエビデンスは少ない。
今回の研究は、勝利あるいは敗北の経験を無作為に得た男性および女性において、その後の積極的な行動をバリデートした行動評価法により測定した。
【 結 果 】
- 男性において勝者は敗者に比してテストステロンが上昇したが、女性では異なっていた。
- より重要な事は、男性では競合によるテストステロンの反応性が競合後の積極的な行動に対する勝利の効果をメディエイトする事である。 しかし女性ではこのような事はなかった。
【 考 察 】
現在の研究の限界(ステータスの影響の可能性)、また積極的な行動に対するテストステロンの影響に関する神経学的機序について議論した。
【 原 著 】
Psychoneuroendocrinology. 2013 Apr 12.
Changes in testosterone mediate the effect of winning on subsequent aggressive behaviour.
Carre JM, Campbell JA, Lozoya E, Goetz SM, Welker KM.
Wayne State University, United States.
【 弊社コメント 】
勝利や成功がさらなるアブレッシブな行動につながるというのは、単に心理的なものではなく、テストステロンの上昇が介在しているようです。(野)
テストステロンの精神作用には男女で性差がありそうです。(福)
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