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更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

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月別アーカイブ:2012月11月

  • ヨヒンビンは2型糖尿病モデルGKラットの膵島血流量を正常化する

    2012年11月21日


    【 目的・方法 】
    α2Aアドレノ受容体の過剰発現がGKラットの2型糖尿病の原因となっている。 α2受容体の阻害がランゲルハンス島の血流量に影響するか否かを検討した。
    麻酔GKおよびウィスターF(WF)ラットにα2Aアドレノ受容体拮抗剤ヨヒンビンを 2.5mg/kg 静脈内に投与し、膵島血流量および血糖レベルを測定した。

    【 結 果 】

    • GKラットはWFラットより血糖値およびインスリン濃度が高かった。 ヨヒンビンはWFラットにおいてはこれらに影響しなかったが、GKラットにおいては血糖値を下げインスリン濃度を上昇した。
    • 全膵臓および膵島血流量はGKラットにおいてWFラットに比して上昇していた。 ヨヒンビンはWFラットの血流量には影響しなかったが、GKラットの膵島血流量をWFラットのレベルに減少した。

    【 結 論 】
    α2アドレノ受容体の過剰発現がGKラットの血流量上昇の原因となっている可能性がある。 薬理学的に治療の標的となりうる。

    【 原 著 】
    Horm Metab Res. 2012 Sep 26.
    The α2-Adrenoceptor Antagonist Yohimbine Normalizes Increased Islet Blood  Flow in GK Rats: A Model of Type 2 Diabetes.
    Sandberg M, Pettersson U, Henriksnas J, Jansson L.
    Department of Medical cell Biology, Uppsala University, Uppsala, Sweden.

    【 弊社コメント 】
    ヨヒンビンに新たな可能性があるかもしれません。(野)

    GKラットは2型糖尿病モデルのラットですが、2型糖尿病の原因と言われるα2受容体の異常発現を、α2ブロッカーであるヨヒンビンで阻害することにより、2型糖尿病であるGKラットの血糖値を下げたとのことです。 2型糖尿病に合併したEDの男性には、ヨヒンビン製剤に血糖値低下の副効用があるかも知れません。
    ただし、本報の「2.5mg/kg 静脈内に投与」というのは、体重60kgの人であれば、実にヨヒンビン 150mg(弊社製品「ガラナポーン」30錠分相当)を血中に直接投与するわけで、人であれば極めて危険ですし、そもそもヨヒンビンは2相性の作用があり、低用量と高用量では作用が異なるという指摘もありますので、検証・確認すべき課題は多々あります。(福)

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  • 女性の低性欲障害に対するテストステロン+PDE5阻害剤のオンデマンド投与

    2012年11月16日


    【 目的 】
    女性の性欲低下は、性的シグナルに対する脳の相対的な非感受性が原因と思われる。 テストステロン(T)0.5mgの舌下投与は性的シグナルに対する脳の感受性を上げる。 脳の性的刺激はPDE5阻害剤による性器の性的反応の上昇に不可欠である。 したがって、T+PDE5阻害剤の併用は性的反応を、特に性的シグナルに対して低感度の女性において増強する。 そこで、T+PDE5阻害剤のオンデマンドの使用が性機能を改善するという仮説を、性的シグナルに対する感受性低下の結果として低性欲障害(HSDD)を起こしている女性において検証した。

    【 方法 】
    56名のHSDD患者を対象に無作為、ニ重盲検、プラセボ比較、クロスオーバー試験をおこなった。 治療レジメはプラセボ、T+PDE5阻害剤およびT+セロトニン(1A)受容体拮抗剤である。
    主要評価項目は、自覚所見として性的満足度、性器興奮の有無、性欲。 生理学的所見として腟のパルス強度。
    Cognitive:
    preconscious attentional
    bias.

    【 結果 】
    T+PDE5阻害剤は、プラセボと比べて生理学的および自覚的性機能を有意に改善した。

    【 結論 】
    T+PDE5阻害剤のオンデマンド投与は、性的シグナルに非感受性の低性欲障害女性の治療に有用である。

    【 原著 】
    J Sex Med. 2012 Nov 6.
    Toward Personalized Sexual
    Medicine (Part 2): Testosterone Combined with a PDE5 Inhibitor Increases
    Sexual Satisfaction in Women with HSDD and FSAD, and a Low Sensitive System
    for Sexual Cues.

    Poels S, Bloemers J, van Rooij K, Goldstein I, Gerritsen J,
    van Ham D, van Mameren F, Chivers M, Everaerd W, Koppeschaar H, Olivier B,
    Tuiten A.
    Emotional Brain B.V., Almere, The Netherlands Utrecht Institute for
    Pharmaceutical Sciences and Rudolf Magnus Institute of Neuroscience, Utrecht
    University, Utrecht USA.

     

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  • テストステロン・レベルは骨健康状態、握力および体組成の加齢に伴う変化と関連する

    2012年11月12日


    【 目 的 】
    テストステロン・レベルの変化は幾つかの老化現象と関連している。 加齢に伴うテストステロンの低下と骨の健康状態、握力、体脂肪率および体脂肪量の変化との関係を調査した。

    【 方 法 】
    対象は年齢40歳以上のマレーシアの中国系およびマレー系男性335例である。 体組成、踵骨実音速および握力の測定、採血を行った。 年齢、テストステロン・レベルおよび加齢に伴う変化との関係を直線回帰分析により検討した。

    【 結 果 】

    • テストステロン、SHBG、踵骨実音速、握力、体脂肪率および非脂肪容量は年齢と共に有意に変化していた(p
      < 0.05)。
    • バイオアベイラブルおよび遊離テストステロンの加齢に伴う低下は踵骨実音速、非脂肪容量および握力の減少と有意に関連していた(p
      <
      0.05)。

    【 結 論 】
    テストステロン・レベルは骨健康状態、握力および体組成の加齢に伴う変化と関連し、その関係は年齢依存性であった。

    【 原 著 】
    Aging Male. 2012 Oct 26.
    Testosterone is associated
    with age-related changes in bone health status, muscle strength and body
    composition in men.

    Chin KY, Soelaiman IN, Mohamed IN, Shahar S, Mohd Fahmi
    Teng NI, Mohd Ramli ES, Ahmad F, Aminuddin A, Wan Ngah WZ.
    Department of
    Pharmacology, Faculty of Medicine, Universiti Kebangsaan Malaysia.

     

    (さらに…)

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  • EDを有する高齢男性のテストステロン欠乏の頻度

    2012年11月08日


    【 目 的 】
    EDの原因の一部はホルモンである。しかし、65歳以上の男性ではテストステロン欠乏が大きな要素となっている。 しかしながら、健康状態が良好ではない65歳以上のポーランド人男性における、EDを合併するテストステロン欠乏症の頻度は分かっていない。

    【 方 法 】
    EDを有する65歳以上の男性286例について勃起機能をIIEF5による調査を行い、テストステロンを測定した。

    【 結 果 】

    • テストステロン欠乏症の発現頻度はTT200,
      250, 300 および 350 ng/dL以下がそれぞれ17, 33, 42 および 57%であった。正常範囲(>350
      ng/dL)の男性は47%に過ぎなかった。
      (訳注: どちらかの数値に誤りがあります)
    • EDの程度はテストステロン最下位群で最も高く、軽度が
      39.5%、軽度~中等度が 26.2%、中等度が18.2% および重度が16%であった。
    • 年齢とTTの間(r = -0.3328, p
      < 0.05)、IIEF-5 スコア と TTの間(r = -0.3149, p < 0.05) およびIIEF-5 スコアと年齢の間(r = -0.3463, p < 0.05)に それぞれ負の相関関係が認められた。
    • 最も多く認められたメタボリックな以上は肥満(68% in
      men with TT >350 ng/dLで68%、 TT <350 ng/dLで91%) および脂質異常(それぞれ54
      および95%)であった。
    • 肥満、年齢および脂質異常はテストステロンの低下と相関していた。
    • 空腹時血糖の異常はテストステロンに影響されなかった。

    【 結 論 】
    テストステロン欠乏症はEDを有するポーランド人男性に高頻度に認められ、年齢、肥満および脂質異常と負相関している。

    【 原 著 】
    Aging Male. 2012 Oct 24.
    The high prevalence of
    testosterone deficiency in population of Polish men over 65 years with
    erectile dysfunctions.

    Rabijewski M, Papierska L, Kozakowski J, Zgliczyński W.
    Department of Endocrinology, Medical Centre for Postgraduate Education ,
    Warsaw , Poland.

    【 弊社コメント 】
    EDを有する高齢男性のテストステロン欠乏の頻度は、ありそうなデータですが、具体的にはなかなか出て来ないので、貴重です。(野)

     

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  • EDに対するテストステロンおよびPDE5阻害剤の併用療法 (レビュー)

    2012年11月08日


    【 要 約 】
    テストステロン欠乏症はED患者のPDE5阻害剤の臨床効果を低下すると思われる。 性腺機能低下患者において、テストステロン補充はシルデナフィルあるいはタダラフィルによる治療に効果の無かった患者の性機能の亢進と関連している。

    そこで、PDE5阻害剤単独療法で効果がなかったEDおよび低~正常下限テストステロンレベルの男性におけるテストステロンとPDE5阻害剤併用療法を検討した臨床試験のレビューを行った。

    調査した臨床試験は幾つかが方法論的欠点があり、様々なものがあった。 全体的にはPDE5阻害剤へのテストステロンの付加は、単独療法に効果がなく、総テストステロン値が 300ng/dL
    未満のED患者に有用と思われる。

    無作為コントロール比較ニ重盲検試験が必要であり、それにより適正な対象、テストステロンのカットオフ値、用量、併用期間を定める必要がある。

    【 原 著 】
    Can Urol Assoc J. 2012 Aug;6(4):269-74
    Synergetic effect of testosterone and
    phophodiesterase-5 inhibitors in hypogonadal men with erectile dysfunction:
    A systematic review.

    Alhathal N, Elshal AM, Carrier S.
    Division of
    Urology, Department of Surgery, McGill University, Montreal, QC.

    【 弊社コメント 】
    テストステロンの分泌が低い人で、PDE5阻害剤(バイアグラ・レビトラ・シアリス)だけではEDが改善できない人の場合に、PDE5阻害剤とテストステロン補充の併用療法が有用と思われます。 ただし、それを言い切るために必要となる厳格な研究は、未だ十分に出来てないようです。(福)

     

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