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低バイオアベイラブル・テストステロンおよび高SHBGは生検による前立腺癌検出リスクが4.9および3.2倍高い

2012年11月30日


【 目的 】
近年の研究はテストステロン・レベルと前立腺癌(PC)の間に負の関係を示している。PC診断におけるホルモン・パターンの有用性に関しては異論が多い。そこで、ホルモンパターンとPCの関係およびPCリスク評価のホルモン・レベルのカットオフ値を検討した。

【 方法 】
2006年11月~2009年5月の間に前立腺生検を行った279例について遡及的解析を行った。前立腺生検の適応の指標は直腸診(DRE)の結果、あるいはPSAの上昇によるPCの疑いである。スクリーニングは5+5コア経直腸超音波ガイド前立腺生検で行った。年齢、前立腺容積、DRE(正常または異常)、生検所見(正常またはPC)、PSA、遊離型/総PSA比、PSA密度、テストステロン(T)およびSHBGを遡及的に調査した。遊離およびバイオアベイラブル・テストステロン(BT)はVermeulen’s formulaを用いて求めた。

【 結果 】

  • 多変量解析において、DREの異常、SHBG levels ≥ 66.25 nmol/l、およびBT≤ 104 ng/dlが前立腺癌の診断と関係していた。オッズ比は各々 5.46, p < 0.001、3.27; 95%CI 1.52 to 7.04, p < 0.002、および4.92, 95% CI 1.78 to 13.59, p = 0.002であった。
  • 年齢、FT、PSA、T、PSA/T、PSA/FTおよびPSA/BTはPCの診断と関係していなかった。

【 結論 】
低バイオアベイラブル・テストステロンおよび高SHBGは生検による前立腺癌検出リスクが4.9および3.2倍高かった。この事実は前立腺癌リスクについてカウンセリングする患者さんの臨床的シナリオに有用である。

【 原著 】
Scand J Urol Nephrol. 2012 Nov 27.
Higher sex hormone-binding globulin and lower bioavailable testosterone are related to prostate cancer detection on prostate biopsy.
García-Cruz E, Carrión Puig A, García-Larrosa A, Sallent A, Castañeda-Argáiz R, Piqueras M, Ribal MJ, Leibar-Tamayo A, Romero-Otero J, Alcaraz A.
Urology Department, Hospital Clínic Barcelona , Barcelona , Spain.

 






遊離型/総PSA(F/T)比
PSA4.0~10.0ng/mL はグレーゾーンといわれ、前立腺癌と良性疾患がほぼ半数で存在。 非癌では蛋白と結合していない遊離型PSAが多いことから、遊離型/総(F/T)比を検査することで、前立腺癌の確率を推定できる。 PSA値が高いほど、F/T比が低いほど前立腺癌の確率は高くなる。

PSA密度
PSAの値を前立腺の体積で割った値、大きいほどがんの可能性大。(0.15以上:要注意)

 

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