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テストステロン療法は高齢男性の皮下脂肪を減少する

2012年01月06日


【 目的 】
テストステロン療法は正常下限のテストステロンレベルの高齢男性の非脂肪容量(LBM)を増加し、総脂肪容量(TFM)を減少する。しかし、テストステロン療法のメタボリックな影響が全体に良好なものか否かは課題である。我々は先に6カ月のテストステロン療法がインスリン感受性を改善しない事を報告した。今回、正常下限テストステロンの高齢男性において、部位的体脂肪分布およびアディポカイン、アディポネクチンに対するテストステロン療法の影響を検討した。

【 方法 】
デザイン:バイオアベイラブル・テストステロンが<
7.3 nmol/l および ウェスト周囲径> 94 cm、年齢60-78歳の男性38例を対象に6カ月のテストステロン療法(ゲル)を無作為、二重盲検、プラセボ比較試験にて行った。
中心脂肪容量(CFM)および下肢脂肪容量(LEFM)をDXAにより測定した。皮下腹部脂肪組織(SAT)、内臓脂肪組織(VAT)および大腿部皮下脂肪面積(TFA)をMRIにより測定した。アディポネクチンを免疫蛍光法にて測定した。介入のプラセボ比較効果をCoefficients
(b)にて表し
た。

【 結果 】

  • テストステロン療法中、LEFMは減少したが(b=-0.47 kg,
    p=0.07)、CFMには有意な変化が認められなかった(b=-0.66 kg, p=0.10)。
  • SAT(b=-3.0 %, p=0.018)
    およびTFA (b=-3.0 %, p<0.001) は減少したが、 VAT(b=1.0 %;
    p=0.54)は不変であった。
  • アディポネクチンはテストステロン療法中減少した(b=-1.3 mg/l,
    p=0.001)。

【 結論 】
テストステロン療法は腹部および大腿部の皮下脂肪を減少するが内臓脂肪には有意に影響しない。さらにアディポネクチンは有意に減少する。

【 原著 】
Eur J Endocrinol. 2011 Dec 21.
Testosterone therapy
decreased subcutaneous fat and adiponectin in ageing men.

Frederiksen L,
Hojlund K, Hougaard DM, Mosbech TH, Larsen R, Flyvbjerg A, Frystyk J, Brixen
K, Andersen M.
Frederiksen, Endocrinology, Odense University Hospital,
Odense, Denmark.

【 弊社コメント 】
内臓脂肪を積極的に減らすためには、ダイエットや運動を併用しないと、テストステロンの補充だけで簡単には減らせないようです。しかしながら、運動療法にテストステロンの補充の併用は機序的に相乗効果が期待できるものと考えています。(福)

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