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Tag:腫瘍壊死因子

  • テストステロンはTNFによる心筋障害の性差の原因となっている

    2012年05月21日


    【 目的 】
    性による特殊な差異は腫瘍壊死因子(TNF)に接触したときの心筋において観察される。男性の心筋は女性に比してTNFの存在下に機能を大きく低下する。加えて、先に我々は女性の心臓においてTNFによる心機能の異常にエストロゲンが殆ど影響しない事を見出し、男性ホルモン(テストステロン)がTNFによる心筋障害に関与していると示唆された。
    そこで、男性の心臓においてTNFによる心筋障害にテストステロンが有害な働きをしているという仮設を検討した。

    【 方法 】
    年齢がマッチした雄マウス、雌マウス、去勢マウス、およびアンドロゲン受容体拮抗剤フルタミド投与マウスの摘出心臓をランゲンドルフ装置にて45分間、TNFを注入した。左室内圧(LVDF)および心拍数を連続的に測定した。TNF注入後の心筋組織のcaspase-8
    および caspase-3を測定した。

    【 結果 】

    • TNFの注入は雄マウスのLVDFを抑制したが、心拍数には影響しなかった。
    • ダブルプロダクト(RPP:心拍数×最高血圧で表される量で心機能の指標)はTNF暴露後雌マウスにして雄マウスで著明に減少し、TNFにより誘導されるcaspase-8
      および
      caspase-3の高値と関連していた。
    • 去勢による内因性テストステロンの枯渇あるいはフルタミドの投与は雄マウス心臓のTNFによるRPPの低下に拮抗した。
    • 去勢あるいはフルタミド投与はTNF産生およびTNFR1
      およびTNFR2.の心筋発現に影響しなかった。

    【 結論 】
    テストステロンは心筋に対するTNFの有害作用の性差の原因となっていることが示された。TNFによる心筋障害の相対的低閾値はTNFR1
    およびTNFR2の下流シグナルとテストステロンの相互作用によるものと思われる。

    【 原著 】
    Int J Clin Exp Med. 2012;5(2):96-104. Epub 2012 Apr 8.
    Role of endogenous
    testosterone in TNF-induced myocardial injury in males.

    Wang M, Gu H,
    Brewster BD, Huang C.
    The Department of Surgery, Indiana University School of
    Medicine Indianapolis, Indiana.

     

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