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2007年01月11日
【目的】
女性と男性の恋愛状態とテストステロンの関係を調査する。
この関係は、男女の恋愛状態がテストステロンの差異をもたらす、あるいはテストステロンが恋愛志向(恋愛関係に入る傾向)に影響するという二つの効果について論じられてきた。【方法】
パートナーの有無がテストステロンレベルに影響するか否かを検討するため、独身者、長距離恋愛あるいは、同じ町で恋愛関係の男女(女性72名、男性49名)についてテストステロンレベルを検討した。
対象には避妊薬を含むホルモン剤を使用しているものはない。試験の参加者は唾液を提出し、恋愛関係の状態についての質問表に答えた。【結果】
・ 独身男性のテストステロンは、長距離恋愛あるいは同じ町で恋愛関係にある男性よりも高く、これは恋愛志向を示すものである。
・ 反対に、同じ町で恋愛関係にある女性のテストステロンは、独身女性および長距離恋愛の女性より低く、恋愛状態がテストステロンに影響していると解釈される。【結論】
肉体関係にあるパートナーの存在は男性におけるホルモンと恋愛状況との関連には影響がない(長距離恋愛の男性と同じ町で恋愛関係にある男性のテストステロンは同様であった)が、女性では影響が見られた。【原著】
Testosterone levels in women and men who are single, in long-distance relationships, or same-city relationships.
van Anders SM, Horm Behav. 2006 Dec 28;【弊社コメント】
「テストステロンが男女の関係にどう影響しているのか?」
「男女の関係がテストステロンにどう影響しているのか?」
という興味深いテーマを検討したものですが、いずれも影響がみられるというものでした。(野)女性の中には、彼氏がいる頃は、彼氏に会えないと無性に寂しく性欲が高まっていたのに、彼氏と別れて恋愛の相手がいない時期が続くと、性欲も忘れてしまう、といった経験のある人が多いのかも知れません。もし、このような経験がありましたら、それはテストステロンの仕業かも知れません。
男女いずれも恋愛関係の異性がいない人のテストステロンが高いというのは、テストステロンがまさに「愛の狩人」ということなのでしょう。
男女の違いで微妙なのは長距離恋愛の場合です。長距離恋愛の女性は男性と異なりテストステロンが高いようで、長距離恋愛をめぐる男女の意識に違いがあるとすれば、このような生理的な性差が背景にあるのかも知れません。
長距離恋愛のカップルの皆様が、お互いの性差を理解し合い、違いを受け容れて、お互いを尊重しながら、長距離恋愛にありがちなスレ違いを乗り越えて愛情を深められるように祈っております。(福)続きを読む