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2007年08月15日
【目的】
男性のテストステロンおよび他のホルモンの季節変動に関するこれまでの研究は、最高値および最低値の回数および時期、および季節性があるかどうかに関して様々な結果を報告している。研究デザイン、サンプル数、分析方法、対象集団の多様性がこのような異なった結果を生み出していると考えられる。
男性における、総、遊離および生物学的テストステロン、DHT、SHBG、LH、DHEA、DHEAS、エストロン、エストラジオールおよびコルチゾールの季節変動を検討した。【方法】
エントリー時、1~3日間に別の日に2回採血を行い、3ヶ月及び6ヶ月後に再度同様に採血を行った(最大1人6回)。
1~3日間に別の日のホルモンレベルは短期間の個体の変動を少なくするために平均した。
対象はボストンの地域住民で、地域健康調査に応じてランダムに選ばれた30~79歳の男性、134例である。うち121例が6回の採血を完了した。【結果】
- コルチゾールは別として、ホルモンレベルに季節変動は見られなかった。
- 季節変動の程度は個人内の変動より小さかった。
【結論】
季節変動は、ホルモンレベルの臨床および疫学的研究における変動の重要な要素ではない。
【原著】
Lack of Seasonal Variation in Serum Sex Hormone Levels in Middle-Aged to Older Men in the Boston Area.
Brambilla DJ, J Clin Endocrinol Metab. 2007 Aug 7
New England Research Institutes, Watertown, MA, USA【弊社コメント】
ヒトには生殖シーズンというのはないので、年間を通じて性ホルモンは変わらないものと考えられていますが、季節的変動の存在を報告する論文もあります。例えば、北緯60~70度という極北の地域では、季節的変動が認められました。
気候条件によって異なる可能性もあり、ボストンのデータが全地域に当てはまるとは限りません。(野)
ヒトのホルモン分泌に関する季節性を考えるとき、気象の変化だけでなく、ライフスタイルや様々なイベントなどの社会的要因の影響も受けるなら、ライフスタイルが多様化している国や地域、大都市ほど、季節性の関連が薄くなってしまうのかも知れません。(福)
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