テストステロンは男性の女性に対する魅力性判断に早期に影響する
2022年04月23日
男性からみた女性の魅力性判断は、恋愛関係の開始と維持の欲求に影響を与える。テストステロンもまた、恋愛関係の開始と維持を予測する。このような効果は、ホルモンによる魅力性判断の調整によってもたらされると考えられるが、ホルモンがこれらの判断に及ぼす因果的(かつ状況依存的)効果については、これまで研究されていない。
プラセボ対照クロスオーバーデザインを用いた事前登録分析により、順序および関係依存的な効果が明らかになった:
独身男性(ヘテロセクシャル)は、テストステロンが先に(そしてプラセボが後に)投与された場合、女性をより魅力的と判断したが、プラセボが先に(そしてテストステロンが後に)投与された場合は、余り魅力的ではないと判断した。
しかし、女性の魅力(独立した観察者による評価)を組み込んだより複雑なモデルでは、テストステロンが女性の魅力を高める効果は男性の交際状況と女性の魅力に依存する事を示した。
パートナーを持つ男性(n = 53)では、魅力的な対象を軽視する(魅力が低いと評価する)傾向があり、テストステロンはこの効果に対抗して、これらの魅力的な対象の魅力を高めた。
独身男性(n = 53)では、逆に、テストステロンは、魅力の低い女性の魅力を増加させた。
このような効果の違いは、テストステロンが、パートナーがいるときはグレーディングを下げるよりも高め、独身のときは対象の選択性を低下させるという、関係性の状態によって異なるルートで男性の生殖能を促進するという、新たなメカニズムの可能性を明らかにしている。
さらに、このような作用は比較的早く(85(±5)分以内)発現し、非ゲノム的な作用機序の可能性が示唆された。
Geniole SN, Proietti V, Robinson BA, Bird BM, Watson NV, Bonin PL, Goldfarb B, Carré JM.
Department of Psychology, Nipissing University, 100 College Drive, North Bay, Ontario P1B8L7, Canada; Department of Basic Psychological Research and Research Methods, Faculty of Psychology, University of Vienna, Liebiggasse 5, 1160 Vienna, Austria; Department of Psychology, University of the Fraser Valley, 33844 King Road, Abbotsford, British Columbia V2S 7M8, Canada.
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