膵臓、腎臓、および脳の癌リスクと性ホルモンの関連性
2020年08月06日
<目的>
内因性の性ホルモンレベルが膵臓、腎臓、および脳の癌の病因に影響を与える可能性が示唆されているが、疫学データが欠けている。
<方法>
英国のバイオバンクコホート研究のデータ(総n=425,793;膵臓癌225例、腎臓癌749例、脳癌467例)を用いて、血清TT(総テストステロン)、FT(フリーテストステロン)およびSHBGと膵臓、腎臓、および脳の癌リスク、および総および遊離E2(卵胞ホルモン)と腎臓癌リスクとの関連性を評価した。多変量コックス比例ハザードモデルを使用して、関連性をHRおよび95%CIにて推定した。
<結果>
・TおよびSHBGレベルは膵臓癌リスクと関連していなかった。他の2つの部位の関連性も認められなかった。
・男性においてはTTと脳の癌の間、およびサンプル全体と女性においてSHBGと腎臓癌リスクの間に逆相関を認めた。
・E2は腎臓がんリスクと関連していなかった。
<結論>
この結果は、性ホルモン/ SHBGと膵臓、腎臓、および脳のがんリスクとの関連を支持しない。より多くの症例を対象とした研究が必要である。
【原著】
Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2020 Jun 24:cebp.0246.2020.
Peila R, Arthur RS, Rohan TE.
Department of Epidemiology and Population Health, Albert Einstein College of Medicine, Bronx, New York
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