月別アーカイブ:2008月12月
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内皮前駆細胞に対するPDE5阻害剤の影響はテストステロン・レベルにより変化する
【 背 景 】
内皮前駆細胞(EPCs)は内皮の修復に必要な骨髄由来細胞である。血中EPCsは内皮障害のある状態では低く、その数はPDE5阻害剤による治療によって増加する。EPCsは性腺機能低下患者においては減少しており、テストステロン療法により回復する。【 目 的 】
EPCsに対するPDE5阻害剤とテストステロンの影響の関係を調査するため、低ゴナドトロピン性の性腺機能低下(HH)患者において、バルデナフィルのEPCsに及ぼす急性効果をテストステロン療法前後で分析した。【 方 法 】
デザイン: 大学のアンドロロジー・センターにおける症例対照研究。
対象: HH患者15例およびそれと年齢のマッチした対照25例。
メイン・アウトカム: HH患者において血中EPCs数および前駆細胞(PCs)数に及ぼすバルデナフィル急性効果をテストステロン補充量前および6カ月後に測定した。【 結 果 】
- ベースラインにおいてHH男性は対照群に比してPCs および EPCsが有意に低く、バルデナフィルの投与はこれらの細胞数に影響しなかった。
- テストステロン療法6カ月後、全HH患者は正常化し、ベースラインに比してPCs および EPCsは有意に高く、対照群のレベルに達していた。
- テストステロン療法終了時のバルデナフィルの投与は対照群と同様にPCs およびEPCsを有意に増加した。
【 結 論 】
この結果はPDE5阻害剤によるEPCsの反応性の回復には正常なテストステロン・レベルが必要である事を示し、テストステロンが骨髄におけるPDE5をポジティブに調整している事を示唆している。【 原 著 】
Clin Endocrinol (Oxf). 2008 Dec 15.
Effect of Vardenafil on endothelial progenitor cells in hypogonadotropic hypogonadal patients: role of testosterone treatment.
Foresta C, Di Mambro A, Caretta N, De Toni L, Zuccarello D, Ferlin A.
Department of Histology, Microbiology and Medical Biotechnologies Section of Clinical Pathology and Centre for Male Gamete Cryopreservation, University of Padova, Padova, Italy続きを読む