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更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。更年期や性機能についての学術情報、最新研究などを紹介いたします。

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月別アーカイブ:2005月06月

  • 男性更年期障害患者におけるテストステロン軟膏の有効性の検討

    2005年06月30日


    更年期障害を訴える30歳以上の患者で、血中総テストステロン値(総T)が2.7ng/ml 未満または血中フリーテストステロン値(FT)が10.0pg/ml 未満の50症例に、グローミン軟膏(1本10g中にT 100mg含有)をチューブの先から2cm程度(3mgのT)を目安に指先に取り1日2回朝、夕(1日6mgのT)で12週間、陰嚢皮膚に塗布した。評価方法は、軟膏塗布前、塗布12週間後に総T、FTを測定し、症状スコアとしてAMS調査票、国際勃起機能スコア(IIEF5)質問表、QOL問診票としてSF-36を用いてその有効性を検討した。

    血中総T、FTは、塗布前は各々2.7±1.0ng/ml、7.5±2.5pg/mlであったが、塗布1週間後には、5.5±2.4ng/ml、13.3±6.0pg/ml と、有意な上昇を認めた。AMSでは、治療前は、心理的因子12.4±4.8、身体的因子18.7±4.9, 性機能因子は14.5±4.6 であったものが、治療後はそれぞれ、10.9±5.0、16.4±5.1、13.1±4.4と有意に症状の改善を認めた。SF-36では、体の痛み、社会生活、日常役割機能(精神)、心の健康の各ドメインが改善した。

    副作用は、排尿障害、脂漏性湿疹など軽度のものであり、肝機能障害やPSAの上昇などは認めなかった。男性更年期患者におけるホルモン補充療法の治療薬として、グローミン軟膏は安全かつ有効であると考える。


    テストステロン軟膏研究グループ

    日本性機能学会雑誌:20 (1) 19~24, 2005

     

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  • 健康男性における遊離型テストステロンの日内変動と男性ホルモン軟膏塗布後のプロファイル

    2005年06月30日


    男性更年期障害(PADAM)に対するホルモン補充療法(HRT)は、本邦では注射剤が主に使用されているが、われわれは昭和40年に旧厚生省より製造承認された男性ホルモン軟膏(製品名:グローミン)が、OTCとして使用可能であることを知った。そこで健康男性ボランディア4名に本剤を1日2回陰嚢皮膚に塗布して、血中男性ホルモン値(遊離型テストステロン:FT)を測定し、塗布前の日内変動と比較した。さらに本剤を1週間継続的に経皮的塗布した後にも、同様にFTを測定した。その結果、今回の健康男性においてもFT値は午前中に高値を維持し、午後~夕方夜間にかけて低下する日内変動がみられた。男性ホルモン軟膏を塗布すると、FT値は上昇し、1時間後に最大値を示し、約4時間後には元のレベルに戻った。1週間継続的に塗布した後でも、FT値は塗布約1時間後に上昇し最大値を示したが、経皮的に吸収され、健常者であっても血中FT値の上昇は生理的上限をやや上回る程度の増加で、その作用継続時間は比較的短いものの、PADAMに対するHRTとして使用する場合、FTを持続的に高レベルに保つよりも、日内変動に沿ってFT値レベルを調節するといった投与を行うのに適しているものと考えられた。


    テストステロン軟膏共同研究グループ

    日本性機能学会雑誌:20 (1) 13~18, 2005

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