低テストステロン男性は耐糖能異常あるいは糖尿病のリスクが高い
2011年01月13日
【 背景・目的 】
男性における研究は血清アンドロゲンおよびSHBG濃度と耐糖能障害、糖尿病およびメタボリック・シンドローム(MS)の存在との相関性を明らかにした。
この研究はAsturias
Studyのコホートにおける総テストステロン、SHBGおよび生物学的テストステロンの血清レベル、耐糖能の程度およびMSとの関連性を調査した。
【 方 法 】
対象は正常な総テストステロン・レベルにある年齢36-85歳の男性282例である。耐糖能の程度およびMSの有無を調査した。
【 結 果 】
- 血清テストステロンおよび生物学的テストステロンはネガティブに年齢、BMI、ウェスト周囲径、血糖、糖化ヘモグロビンおよびインスリンと相関していた。
- 耐糖能異常あるいは糖尿病の男性の総テストステロン、生物学的テストステロンおよびSHBGは正常な耐糖能の男性より低かった。
- 多変量解析の結果、年齢および総テストステロンは糖尿病および耐糖能異常の独立した予測因子であった。
- 総テストステロン最下位四分位群の耐糖能および糖尿病のリスクは最上位四分位群より2.5倍高かった。
【 結 論 】
Asturiasの一般的母集団において、総テストステロンが低い男性は、正常範囲内でも、年齢およびBMIに関わらず耐糖能異常あるいは糖尿病のリスクが上昇していた。
【 原 著 】
Endocrinol Nutr. 2011 Jan 5.
Glucose tolerance and
plasma testosterone concentrations in men. Results of the Asturias
Study.
Menendez E, Valdes S, Botas P, Delgado E, Abello N.
Servicio de
Endocrinologia y Nutricion, Hospital Universitario Central de Asturias,
Oviedo, Espana.
【 弊社コメント 】
肥満やメタボリックシンドロームにならないように、飲食の節制と適度な運動を続けてテストステロンの十分な分泌を維持することが、自ずと糖尿病の予防につながるものと思われます。 ただし、筆者のように肥満やメタボリックシンドロームに陥り易い人にしてみれば、たとえ飲食の節制と適度な運動の必要性が理解できていても、なかなか実行困難なテーマでもあります。 (福)
カテゴリ:
タグ: