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高いテストステロン・レベルは損害を招く高いリスクに対する積極性と関連する

2011年01月12日


【 目 的 】
性ステロイド・レベルと心拍数変動(HRV)の関係を調査した。

【 方 法 】
対象は心機能検査のため受診した男性114例(平均年齢(46.6±11.3)。 LH、総テストステロン(TT)、遊離テストステロン、エストラジオール(E2)およびDHEA-Sの測定を行った。 HRVは24時間ホルター心電計により測定した。 性ステロイド・レベルとHRVの関連性を3段階の年齢群別(20-39
; 40-59 ; >60 )に解析した。

【 結 果 】

  • 被験者全員が正常な生化学的検査値あであり、3年齢群は同様な身体計測値であった。
  • 性ステロイドは、DHEA-Sのみが年齢群間で有意な差があり(p=0.026)、
    加齢とともに低下していた。
  • HRVの解析において、全副交感神経活性は年齢とともに低下したが ( HFn, pNN50, および rMSDD:
    p=0.001, p=0.000, and p=0.000 )、交感神経活性の中でLF/HFのみは年齢と共に上昇した(p=0.000)。
  • 年齢およびウェスト周囲径をコントロールした部分相関分析において、TTおよびDHEA-SはHFn(副交感神経因子)とポジティブに相関し、交感神経パラメータであるLF/HF24時間および総交感神経指数(GSI)とネガティブに相関した。
  • 血清E2は副交感神経パラメータrMSSDとネガティブに相関し、LF/HF24時間および総交感神経指数とポジティブに相関した。
  • 性ステロイドの中でDHEA-Sが最も自律神経機能パラメータと相関していた。

【 結 論 】
男性において、身体計測値とは独立して、アンドロゲンと副交感神経活性およびエストラジオールと交感神経活性はポジティブに相関していた。

【 原 著 】
Turk Kardiyol Dern Ars. 2010 Oct;38(7):459-65.
The relationship between serum sex steroid levels and heart rate variability parameters in males and the effect of age.
Doğru MT, Başar MM, Yuvanç E, Simşek V, Sahin O.
Department of Cardiology, Medicine Faculty of Kırıkkale University, Kırıkkale, Turkey.

【 弊社注釈 】
心拍数変動
糖尿病では自律神経の障害がよくみられることが知られており、下痢や便秘を繰り返す、立ちくらみが起きる、といったことが見られます。
心臓は規則正しく脈を打っていますが、この心拍には健康な方でもゆらぎがあり、心拍数変動と呼びます。
心拍数変動は自律神経の障害があると少なくなるため、心電図の検査を利用してこの心拍数変動を測定し自律神経の機能の障害を調べることが出来ます。 この検査がR-R間隔検査(心拍数変動検査)です。

  • MeanNN (NN間隔平均)

テスト期間中の全拍動間隔値を平均したもの。 NN平均値は、1/1000秒単位で測定される。

  • SDNN (NN間隔標準偏差値)

NN間の標準偏差であり、NN間隔の分散の平方根である。

  • RMS-SD (隣接NN間隔標準偏差)

連続して隣接するNN間隔の標準偏差で、隣接NN間隔の分散の平均の平方根である。
これは、短時間NN間隔記録における心拍の高周波帯における変動、つまり副交感神経系による心臓の調節機能を判断するものである。

  • pNN50 (隣接するNN間隔の差が50msを超える比率)
  • LF(低周波)

0.004~0.15Hzの周波数帯のパワースペクトル。 この値は、交感神経と副交感神経の両方の活動を反映する。 これは、一般的に長時間記録における交感神経活動を示す強力な指標である。
この周波数帯に対する副交感神経の影響は、呼吸数が1分間に9回(周波数0.15Hz)以下の深呼吸をしている間LFに現れる。

  • HF(高周波)

0.15~0.4Hzの周波帯のパワースペクトル。 この値は、副交感神経(迷走神経)の活動を反映する。

  • LF/HF比

LF(低周波)とHF(高周波)のパワーの比率。 この値は、交感神経と副交感神経の全体のバランスを表す。 数値が高いと交感神経優位を、低い場合は副交感神経優位を示す。

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