低い総テストステロンは男性の2型糖尿病の発症リスクと関連している
2010年11月11日
【 目的 】
低総テストステロンが男性の2型糖尿病(T2DM)の発症と関連しているというエビデンスが増加している。大規模地域住民集団におけるT2DMt総テストステロンの関連性について調査を行った。
【 方法 】
開始時2117例の男性のうち1589例について5年以上のフォローを行った。開始時、10パーセンタイル以下の低総テストステロンをT2DMのリスク因子として用いた
【 結果 】
- 解析に適格な1339例中68例(5.1%)がT2DMを発症した。
- 低テストステロン男性はT2DM発症リスクが上昇していた(odds ratio [OR] 3.4, 95% CI 1.9-6.1)。 年齢、ウェスト周囲径および喫煙で調整後もORは3.0; (95% CI
1.6-5.7)であった。
【 考察 】
この結果は低総テストステロンが男性のT2DMの発症と関連し、T2DMのリスクに原因的に関与するバイオマーカーであると推定される事を示している。
【 原著 】
Aging Male. 2010 Nov 2.
Schipf S, Haring R,
Friedrich N, Nauck M, Lau K, Alte D, Stang A, Volzke H, Wallaschofski
H.
Institute of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine.
【 弊社コメント 】
多くの男性は加齢にともなうテストステロンの分泌減少が避けられず、自ずと2型糖尿病になりやすくなる中で、少なくとも健康的な生活習慣(バランスの取れた食生活・適度な運動・規則正しい生活リズム・ストレスの適切な解消等)によってメタボリックシンドロームを予防・解消し、テストステロンの分泌が低くなり過ぎないようにすれば、2型糖尿病の予防につながるものと期待されます。
さらには、テストステロンの分泌が減少し始めたら、その不足分を補充することにより、男性の2型糖尿病を予防できるのかも知れません。(福)
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